全国で無料の高速道路が建設され、ルートを選べるケースも増えてきました。そのなかでも日本最長の無料高速が三陸道です。遠回りして旅費を抑えることは現実的でしょうか。それ以外の、無料なりの“代償”はあるのでしょうか。

日本最長の無料区間 どれくらい違う?

 全国で無料の高速道路が建設され、ルートを選べるケースも増えてきました。「こっちのルートで料金を節約しようか」という選択がしやすくなってきています。
 
 その最たるものが、仙台〜八戸間。三陸沿岸を縦貫する三陸道が全線開通し、広域なルート選択が可能になりました。


三陸道の鳴瀬奥松島本線料金所。ここから北、約330kmが無料だ(ドラレコ画像)。

 2021年12月に全線開通した三陸道は、仙台市から青森県八戸市まで三陸沿岸359kmを結び、うち333kmという日本最長の無料区間を有します。従来ならば東北道・八戸道経由で全区間有料ルートが一般的でしたが、三陸道経由だとどう違うでしょうか。

 GoogleマップとNEXCOの検索エンジンを合わせて、両市役所どうしにて検索すると、東北道経由ならば310km、3時間45分(高速利用は仙台宮城IC〜八戸IC)。三陸道経由だと、365km、5時間3分(高速利用は多賀城IC〜八戸是川IC)と出ました。その差55km、80分弱の違いということになります。

 料金は、東北道経由が6780円ですが、三陸道経由は有料区間が多賀城IC〜鳴瀬奥松島のみのため、たった770円です。

 しかしながら、有料の東北道経由に比べて道路の性質は大きく異なります。まず、三陸道は仙台市から石巻市内までは無料区間も4車線で最高100km/hですが、それより以北は2車線で最高80km/hになります。

 そしてトイレはほとんどなく、ガソリンスタンドはゼロ。PAはいくつかありますが、チェーン脱着所に近いものです。

 トイレについては、こまめにICが設けられているので、一般道の道の駅などを利用することが前提になっています。逆にいうと、この点が有料道路と無料道路のサービスの違いともいえます。