軽の黄ナンバー嫌!の受け皿に? 「全国版図柄入りナンバー」大人気 図柄・黄枠あっても
2022年4月から始まった「全国版図柄入りナンバー」、その申し込みが軽自動車に集中していることが判明。オリパラナンバーのように「白ナンバー」にはなりませんが、ナンバープレートを変えたい人の受け皿になっているようです。
手に入らなくなった「軽の白ナンバー」 しかし
2022年4月18日から交付が始まった自動車の「全国版図柄入りナンバープレート」。3か月以上が経ち、これが「軽の白ナンバー」の新たな受け皿になっている可能性が見えてきました。
全国版図柄入りナンバーの自家用軽自動車用(画像:国土交通省)。
全国版図柄入りナンバープレートは、交付が終了したラグビーワールドカップ特別仕様、2020東京オリンピック・パラリンピック特別仕様に次ぐ、全国共通の図柄入りナンバープレートとして誕生したものです。白板に花柄が描かれており、国土交通省は「全国47都道府県の花をモチーフとすることで、『日本全体で立ち上がろう』という思いが込められています」と説明しています。
交付対象は自家用登録車、事業用登録車、自家用軽自動車で、それぞれ申込時に1000円以上の寄付をすればフルカラーの図柄、寄付なしならばモノクロの図柄のものが交付されます。
ラグビーとオリパラのナンバーは、「自家用軽自動車の寄付なし」に人気が集中しました。なぜなら、寄付なしは白地の板の右上に大会エンブレムがあしらわれただけのデザインなので、軽自動車でも白いナンバープレートを手に入れることができたから。これがいわゆる「軽の白ナンバー」です。オリパラのナンバープレートは4年間で交付された約289万4000件のうち、実に9割近くを「自家用軽自動車の寄付なし(軽の白ナンバー)」が占めました。
しかし、新たな全国版図柄入りナンバーは、軽自動車用の寄付なしにも花柄(モノクロ)がデザインされるうえ、黄色い外枠が設けられます。しかも、外枠の左上は、黄色い部分が斜めに塗り足されています。
黄色い外枠は、「軽の白ナンバー」だと視認性が悪いという意見が高速道路の料金収受員などから出たため、地方版図柄入りナンバーで追加された措置です。ただ、外枠のみだと、ナンバープレートフレームに隠れてしまうことがあるため、塗り足し部分が今回追加で設けられました。
申し込み状況速報 著しい偏り!
このように、もはや「軽の白ナンバー」は手に入らなくなりましたが、全国版図柄入りナンバーの人気は、やはり軽自動車に集中していました。国土交通省自動車情報課への取材で判明した2022年6月末時点の申し込み状況は次の通り。
・自家用登録車:寄付あり6025件、寄付なし516件
・事業用登録車:寄付あり209件、寄付なし169件
・自家用軽自動車:寄付あり2万9679件、寄付なし3万819件
・合計:6万7417件
軽自動車用で9割以上を占めている状況ですが、そのなかで「寄付なしに集中していない点が、オリパラナンバーなどと異なる」(国土交通省自動車情報課)ということです。
なぜ、これほど軽に人気が集中するのか。業界団体である全国軽自動車協会連合会によると、「販売店でお客様へ『図柄入りも選べますよ』の情報開示はしているはずですが、もちろん取得にはそれなりのコストがかかります。車両価格が安い分、(ナンバープレートで他の人と)差別化をされる方が多いのでは」とのことでした。
全国版図柄入りナンバーの自家用登録車用(上)と事業用登録車用(画像:国土交通省)。
以前の「軽の白ナンバー」が人気だった背景には、軽の黄色いナンバープレートが嫌だから、といった要因も指摘されています。たとえば、定額カーリース事業を手がけるナイル(東京都品川区)が2021年6月に実施したアンケートでは、軽自動車オーナー627人のうち38%が「黄色いナンバーは嫌だ」と回答、黄色以外のナンバーを利用したい・利用しているとの回答は49%でした。
新たな全国版はプレートは、図柄こそあるものの、やはり軽でも白地のプレートが手に入ります。これにプレートフレームを装着したクルマも実際に見ましたが、黄色い外枠も目立たなくなり、左上の塗り足し部分で「あ、軽か」とわかる程度でした。前出の通り、このプレートが「軽の白ナンバー」を求めるユーザーの受け皿になっている可能性があります。