28日夜、都内のホテルで開かれた自民党東京ブロック大会に出席する(左から)与謝野金融・経済財政担当相、谷垣財務相、安倍官房長官。(撮影:吉川忠行)

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安倍晋三官房長官と谷垣禎一財務相らは28日夜、東京都千代田区の赤坂プリンスホテルで開かれた自民党東京ブロック大会にそろって出席し、9月の総裁選に向けた本格論戦がスタートした。有力候補と目される安倍氏は「憲法についても、しっかり議論していきたい」と述べ、改憲へ向けて意欲を見せた。内政面では、安倍氏が市場開放の重要性を訴えたのに対し、谷垣氏は「支え合う社会」、麻生氏は「豊かさを実感できる社会」を目指すなど方向性の違いが見られた。

 安倍氏は、今後日本に必要なキーワードとしてイノベーション(革新)とオープン(開放)を掲げ、「貿易などすべての面で開いていくオープンな市場が大切だ」と主張。これに対して、谷垣氏は、国民に格差社会に対する心配があるとして「家庭や地域でみんなが支え合っていき、国と国民が信頼の絆(きずな)で結ばれる改革を目指す」と語った。海外出張中の麻生太郎外相もビデオ出演し、「豊かさが実感でき、安心できる国づくりをしていかなければならない」と訴えた。

 外交面では、冷え込んでいる日中・日韓関係について安倍氏は「靖国神社に参拝するからといって、首脳会談をしないという姿勢がいいのか」と中韓の外交姿勢を批判。「ドアは常に開いておかないといけない」との考えを示した。谷垣氏は、中韓両国と首脳外交が滞っている現状を批判し、アジア諸国との関係改善を訴えた。麻生氏は「基本的には国益を常に頭に入れないといけない」と語り、情報収集や分析の大切さを強調した。

 討論には、東京選出の与謝野馨金融・経済財政担当相も参加し、「貧乏な方も大金持ちもいない、みんなが中間だと思う社会が日本にはふさわしいんじゃないか」と語った。【了】