韓国の8人組ボーイズグループ『ATEEZ』が2022年7月16日(土)から18日(月)までの3日間、ぴあアリーナMMにて日本初の単独コンサート『ATEEZ 2022 WORLD TOUR 《THE FELLOWSHIP : BEGINNING OF THE END》 in JAPAN』を開催した。

ATEEZ、待ちに待った初日本公演がついに開催

元々2020年4月に行われるはずだった日本初の単独ライブは、新型コロナウイルスの感染拡大により中止に。約2年越しの開催となった本公演は、3日間の公演全ての席が完売。日本のATINY(ATEEZのファンの愛称)にとって、そしてメンバーにとって待ち臨んだ公演となった。

ATEEZ、初日公演イベントレポート

公演開始前から既に会場の熱気が高まる中、いよいよ始まった本公演。最初に流れたVCRでは、映像の中のペンライトと会場にいる観客がもつペンライトの点滅がリンクする仕掛けが。この演出に早くも観客からは感嘆の声が上ることとなった。

VCRが終わると、会場にはスポットライトに照らされた8人のシルエットが。目を奪われていると、ついに幕が落ち、メンバーが輝く黒の衣装を身に纏った姿で登場。堂々とした貫禄あるオーラを放ちながら『WONDERLAND』を披露した。同楽曲では、炎の演出を使いながらキレのある揃ったダンスでファンを魅了したほか、剣を使った振り付けも披露され、ソンファが会場を切るキレのある剣捌きも見せていた。

『WONDERLAND』披露後のトークでは、メンバーの口から「会いたかった」との声が続々と集まり、ユンホからは「頑張って日本語覚えた」との声も。そんな中、サンには『WONDERLAND』披露中にズボンが破けてしまうアクシデントが。トーク中、バッグステージで衣装チェンジしていたサンが照れた様子で再登場して全員が揃うと、続いて披露されたのは激しいダンスが特徴のデビュー曲『Pirate King(Overload Mix)』。会場が盛り上がりを見せる中、3曲目に披露した『Say My Name』では花道を駆け抜け、センターステージへ移動。一糸乱れぬダンスをステージ中央で見せ、観客を魅了した。

続いて2曲続けて披露されたのは、『Treasure』と『Precious』。激しいダンスナンバーとは異なるテイストの優しい楽曲が続けてパフォーマンスされた。その後、メンバーは衣装チェンジ。神秘的な白の衣装で再登場し、歌唱したのは『Utopia』。スモーク演出を使ったパフォーマンスを披露し、会場は幻想的な世界に包まれた。その後は、日本公演らしく、日本のオリジナル曲を連続で披露。対面ライブでは初披露だという『Better』では、各々がステージを自由に動き、フリーでパフォーマンス。続く、『Still Here』や『Dremers』では、センターステージに向かい、指ハートや指差しなどのファンサに応えるメンバーの姿が見られた。

パフォーマンス後のトークタイムでは、日本語の楽曲にまつわるエピソードを披露。『Still Here』に、“いつもATINYの隣りにいるよ”という意味を込めた、と話し始めたホンジュンは同楽曲が「日本のオリジナル曲で一番好きだ」とも語っていた。一方、とあるメンバーにまつわる裏話も。ヨーロッパツアーのリハーサルで、ミンギが間違えて日本語で歌唱をしていた、というエピソードが飛び出し、会場の笑いを誘った。

トーク後に披露された『INCEPTION』では、メンバー全員がアイマスクをつけてパフォーマンス。その後の『Deja Vu』ではキレのあるダンスと揃った歌声を披露した。さらに、『Take Me Home』では大きな鏡を使ったパフォーマンスを披露。立て続けに楽曲のコンセプトに合わせたライブ仕様の演出で会場を盛り上げた。

再びトークタイムに移ると、メンバーは『Dreamers』がテレビアニメのエンディングテーマであったことをきっかけに好きな日本のアニメについて話すことに。ウヨンやホンジュンは『崖の上のポニョ(2018)』、サンは『SPY×FAMILY(2022)』や『ハイキュー!!(2014~2020)』を上げた。一方『時をかける少女(2006)』を挙げたソンファは「未来で待ってる」の名ゼリフをステージで披露。続けて「よそ見しちゃダメだよ。ATINY」と胸キュンセリフを加えてファンを沸かせた。

色鮮やかなライトを使って2曲続けてパフォーマンスされた『Desire』と『HALA HALA』のあとは、親友として紹介された、シンガーソングライター、Maddoxがステージに登場。『Easy On Me』と『Knight』を披露して、ATEEZの日本単独公演をさらに盛り上げた。

新たな衣装で再登場したメンバーは『Answer』を披露。「(ここからが)本当のコンサートの始まり」と口にしたメンバーは後半戦に一層の気持ちを込め、パワフルな『Declaretion』と『Fireworks(I’m The One)』を続けて披露。会場が興奮の渦に包まれる中、メンバーの熱もますます加熱。『Good Lil Boy』、『The Leaders』、『TO THE BEAT』のハードでエネルギッシュな楽曲をメドレーで披露すると、『THANXX』でも、滴る汗を拭いながらキレのあるパフォーマンスを見せ、一気にアップテンポな楽曲を連続で披露し、ライブ終盤を駆け抜けた。

また、5月にリリースしたばかりの最新アルバム『BEYOND:ZERO』に収録されたリード曲『ROCKY (Boxers Ver.)』では、ミンギが赤いマント姿でチャンピオンベルトを持ちながらパフォーマンス。ラストには『The Real(興Ver.)』を披露し、銀テープが会場に舞ってファンの興奮が冷めやらぬ中、ステージの幕を閉じた。

アンコールでは、ポップな楽曲『Eternal Sunshine』をシャボン玉の演出を使って披露したり『Dancing Like Butterfly Wings』をメンバーがムービーを回しながらパフォーマンスしたり…と最後まで盛りだくさんの内容に。『Star1117』では、ファンに携帯のライトを使うことを呼びかけ、幻想的な光に包まれた会場で神秘的な楽曲を披露。メンバーは金のテープが舞う中、横一列で肩を組み、足を揃えて楽曲を披露し終えた。

最後のトークでは、日本のATINYへの感謝を述べたメンバーたち。リーダーのホンジュンは「長い間待っていてくれて感謝しています。これからもたくさん会えると嬉しいです。約2年間日本の皆さんやATINYのことをずっと思い出していました。心から感謝して、これからも一生懸命がんばります。来てくれてありがとうございます」と感謝の想いを語っていた。

そんなメンバーが初日公演最後に選んだ楽曲は『夜間飛行(Turbulence)(Japanese Ver.)』。円になっての歌唱を終えたメンバーはカラフルな紙が舞う中、丁寧なお辞儀をして会場を後にした。

次世代の注目K-popアーティスト『ATEEZ』

『ATEEZ』はホンジュン、ソンファ、ユンホ、ヨサン、サン、ミンギ、ウヨン、ジョンホからなる韓国の8人組ボーイズグループ。2018年10月にミニアルバム『TREASURE EP.1 : All To Zero』でデビューを果たすと、翌年12月にはアルバム『TREASURE EP. EXTRA: Shift The Map』で日本デビュー。

従来のボーイズグループとは一線を画す、メンバー個々のスタイルを強調したダンスパフォーマンスの高さは群を抜くレベルである、と話題に。2020年には『2020 MAMA(Mnet Asian Music Awards)』に出演し、『DISCOVERY OF THE YEAR』および『WORLDWIDE FANS’ CHOICE』を受賞した。2021年には『日本で最もつぶやかれたK-POPアーティスト』TOP10 にもランクイン。2022年1月よりワールドツアー『THE FELLOWSHIP : BEGINNING OF THE END』を開催中。

Information

『ATEEZ 2022 WORLD TOUR 《THE FELLOWSHIP : BEGINNING OF THE END》 in JAPAN』
《開催日》2022年7月16日(土)・17日(日)・18日(月)
《日時》16:00会場/17:00開演
《会場》ぴあアリーナMM(神奈川県横浜市西区みなとみらい3-2-2)

【セットリスト】
M1. WONDERLAND
M2. Pirate King(Overload Mix)
M3. Say My Name
M4. Treasure + Precious
M5. Utopia
M6. Better
M7. Still Here
M8. Dreamers
M9. INCEPTION
M10. Deja Vu
M11. Take Me Home
M12. Desire + HALA HALA
M13. Easy On Me*
M14. Knight*
M15. Answer
M16. Declaration + Fireworks(I’m The One)
M17. Good Lil Boy, The Leaders, TO THE BEAT 3曲メドレー
M18. THANXX
M19. ROCKY (Boxers Ver.)
M20. The Real (興Ver.)
M21. Eternal Sunshine
M22. Dancing Like Butterfly Wings
M23. Star1117
M24. 夜間飛行(Turbulence)(Japanese Ver.)
*はゲストMaddoxの披露曲