無給油で1.5万km弱を飛行OK ガルフストリームの新型ジェット「G800」初飛行に成功
ニューヨークやワシントンDCへもひとっ飛び。
ガルフストリーム製ジェット機史上、最長の航続距離
アメリカの航空機メーカーであるガルフストリーム社は2022年6月29日、新型ビジネスジェット機ガルフストリーム「G800」の初飛行に成功したと発表しました。
テスト飛行は、前日28日にジョージア州のサバンナ/ヒルトンヘッド国際空港で行われ、午前9時に離陸したのち2時間程度フライトしています。なお、燃料には、「ジェットA」と呼ばれる既存の航空燃料にSAF(環境配慮型燃料)をブレンドしたものを用いたそうです。
2022年6月28日に初飛行した際のガルフストリームG800(画像:ガルフストリーム)。
「G800」は、ガルフストリーム製飛行機の中で最も長い距離を飛べるジェット機で、その航続距離はマッハ0.85で8000海里(約1万4820km)、マッハ0.90で7000海里(約1万3000km)です。ちなみに、東京からだとカリブ海の島国ドミニカ共和国まで約1万3200kmなので、単純計算では同国まで無給油で飛べることになります。
最高速度はマッハ0.925、搭載エンジンはイギリスのロールスロイス製「パール700」ターボファンで、これにガルフストリーム独自の先進的な機体形状と相まって、同機にクラス最高レベルの燃費性能を付与しているといいます。
機内は、操縦室以外に3つのリビングエリアに分けられており、最大19人の乗員乗客を収容することが可能。なお、機内の快適性を向上させるため、人間工学に基づく職人手作りのシートや高精細な照明システム、プラズマイオンが放出される空気清浄装置などを備えるそうです。
なお、航続距離を延ばすため、G800は従来モデルG700と比べて約10フィート(約3m)ほど胴体が短くなっており、あわせて胴体側面の窓が少なくなっています。これに伴い最大離陸重量もG700と比べて約900kg軽くなっています。