株式投資で億万長者になるためにはどうすればいいのか。個人投資家の上岡正明さんは「誰でも『億り人』になるチャンスをもっている。そのためには3つの習慣を身につけることが重要だ」という――。

※本稿は、上岡正明『勝てる投資家は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

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■株で“億り人”をめざさないほうがもったいない

いまこの記事を読んでいるあなたは、ひょっとしたらこんな気持ちを抱いているのではないでしょうか?

「何度も失敗してきたけど、いまだに諦めきれず、株で真剣に資産形成したい」
「老後の不安を少しでも取り除きたい」
「できれば、FIREや億り人までいかなくとも、毎月安定した収益を稼ぎたい」

……なんて、そんな夢みたいな話実現しないよな。と思っていませんか?

誤解を恐れずに言えば、株式投資で億を手に入れるのは、そんなに難しくない、と私は思っています。むしろ、億り人をめざさないほうがもったいないくらいです。

なぜなら、株で億を作り出すプロセスには、再現性が存在するからです。投資とは、資産を倍々にするゲームの積み重ねにほかならないのです。

■10万円の資産を20万円にできたなら……

株投資の世界では、10万円の資産を20万円にするのも、1億円を2億円にするのも、手間や時間、必要とする労力、知識やスキルを使うなどといった再現性のパワーはほとんど同じです。

「え? 金額がまったく違うじゃないか」と考える読者もいるでしょう。しかし、よくよく見ていただければ、どちらも資金を2倍にするだけ、ということがわかります。10万円を20万円にすることができた投資家は、資産を2倍にし続けることで、いずれ1億円に到達する可能性を秘めた投資家だ、と言うこともできます。

私の経験から言えば、自力で資産1200万円を突破するまでが一番大変でした。ただ、1200万円に到達してからは、約2倍の2500万円、その次の5000万円、さらにその上の1億円という道筋がはっきり見えてきました。5000万円まで到達すれば、あとは同じことをたった1回、繰り返すだけで達成してしまいます。

■イメージできたことは達成できる

株式投資で10万円を20万円にする再現性さえ知ることができれば、あとはその繰り返しです。誰にでも億り人になるチャンスが等しくあるのだ、と思えてきませんか。要は、イメージの問題なのです。

ウォルト・ディズニーは、草しかない広大な原野に、あのような巨大なテーマパークを建設しました。世界最大のカジノシティであるラスベガスには、当初、砂漠しかありませんでした。そこにテーマパークや巨大なホテルができる、そうイメージできたから、ゼロから100を積み上げることに成功したのです。ビジネスパーソンや実業家も同じです。

「経営の神様」松下幸之助も少年時代にお金がなくても小さい成功を重ねていき、商品や事業の将来性をつねにイメージしてきたことでパナソニック(旧松下電器産業)を世界的企業にまで押し上げました。あなたが「できる」とイメージできたことは、どんなことでも達成できるのです。

■投資で得た利益はすべて再投資せよ

誰でも「億り人」になれる――前項でそう期待させておいて申し訳ありませんが、それにはいくつか条件があります。

その1つは、得た利益をすべて再投資するということ。「せっかくの利益がもったいない」と思うかもしれませんが、心配いりません。むしろ利益を全投資しないほうがもったいないです。利益を積み重ねて再投資をしていくと、「複利の力」を利用して大きな資産を築くことができるからです。

複利とは、得た利益や配当金を再投資して、元金を増やして、雪だるま式により大きく稼ぐことを言います。逆に言えば、再現性をしっかりと身につけて、再投資を繰り返せば、資産は2倍、4倍、8倍と、大きく増やしていくことができます。

億り人になるためには、さらにもう1つ守ってほしいことがあります。

なるべく長く投資を続けること。それにより、他の投資家より多くの経験を積むことができます。当たり前のように聞こえますが、これが長い目で見たときに圧倒的な差になってあなたに返ってきます。

株式投資において、失敗や損失は絶対に避けて通れません。私もいまだに多くの失敗やロスカット(損切り)をしています。しかし、失敗するたびに原因を自分なりに分析して、同じ失敗を再現しないようエントリーポイント(投資するタイミング)を見直すと、どんどん投資は上手になっていきます。

長く投資を続けて経験を増やす。これこそが億り人の仲間入りをするための第一歩なのです。

■他人の成功や失敗を自分の経験に当てはめて学ぶ

また、経験を積むだけでなく、他人の成功や失敗を学ぶことも大切です。

そのために、株式投資の本を読むことは有効でしょう。他人の本に書かれた成功や失敗を、自分の経験に当てはめて疑似体験していけば、早く上達できます。

写真=iStock.com/TarpMagnus
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/TarpMagnus

ここで、大切なのが、他人の失敗→自分の経験に当てはめる読み方。

私は株式投資家であると同時に、脳科学を活かした速読や記憶の本も数多く出版しています。そんな私にも経験があるのですが、本をただ上から下に文字をなぞって読んでいるだけでは、内容が記憶に残らず、あとで必要になったときに役立てることができません。

この時役立つのが、「今の自分の経験や失敗に置き換えて本を読む」ということ。こうすることで、あやふやだった著者の言葉が、「もし、自分の投資だったら」に置き換わるため、「このタイミングでリスク回避できるな」「ここの株を買っておけばよかった!」などとイメージができ、すぐに実践が可能な知識としてあなたの脳にインプットされます。これを、私は「記憶の再現知」と呼んでいます。

また、自分の身近なエピソードに置き換えることで、エピソード記憶として脳の記憶に残りやすくなります。

「本を読んだら記憶に残す」というのは、案外見落としがちですが、投資においてとても大切です。メモやノートを横において、それを読み返しながらトレードするのは現実的ではありません。場合によっては、秒を争う判断を求められます。記憶に残っていない情報は、本当に必要なときにあなたの投資に役に立てることができないわけです。

■「市場の歪み」に注目する

最後にもう1つ、億り人になるために必要なことを紹介します。それは、私も最大限に利用している投資戦略の1つ「市場の歪み」に注目することです。

株式投資の世界で勝ち残っていくには、ほかの投資家がまだ興味を示していない株を先んじて買ったり、他の投資家より先に高値で売っていく必要があります。

逆に言えば、あなたが株を高く売りたいと思った場合、あなたの株をより高値で買いたいという人が増えないとダメなわけです。あなたが株式投資で儲けるためには、この「大衆心理の逆」をいくことで、戦場の中で生き残っていかなければなりません。それをしっかりと認識したうえで、株式投資に挑んでください。

■割安になったタイミングで、高配当株を分散して仕込む

市場の歪みを知って、そのときどきでメンタルをコントロールして、資金管理を徹底しながら、安値を拾うという安定した売買技術で買い挑んでいければ、株で勝つことはそれほど難しくありません。

上岡正明『勝てる投資家は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)

私の事例を少しだけ紹介します。

必要以上に割安になった銘柄を買うとします。その銘柄が適正に評価されて、株価が反発すれば、戻りの利益を得ることができます。もちろん、その間、配当金もゲットできますよね。

そこで、私は市場に歪みが発生した際は、あらかじめ選定しておいた高配当の銘柄に分散投資をします。そうすれば、その後しばらくは大きな配当益を手にできるからです。これを、私は「高配当株ずぼら分散投資法」と呼んでいます。市場の歪みによって大きく割安になった高配当株を、いくつかの銘柄に資金を分散して仕込んでおいて、数年にわたって配当利回りを手にする投資法です。

大きな歪みが発生すると、業績も悪くない高配当株でも、信じられないぐらい割安になる場合があります。そうしたなかから、今後も(1)増益が続きそうで、(2)利益から健全な高配当を続けられて、(3)かつ、歪みが解消されたら株価が元に戻ると予想できる銘柄だけをピックアップして分散投資します。

いかがでしたか。

このように、市場の評価と本当の株価の歪みを見つけて、それが解消される過程で売買を繰り返すことができれば、比較的安定して勝ち組投資家になることができます。ぜひ、試してみてください。

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上岡 正明(かみおか・まさあき)
投資YouTuber、作家、フロンティアコンサルティング代表
1975年生まれ。放送作家を経て、27歳で戦略PR、ブランド構築、マーケティングのコンサルティング会社を設立し、独立。これまでに大手上場企業など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。チャンネル登録者15万人を誇る人気YouTuberとしても活躍中。著書に『お金が増える強化書』『勝てる投資家は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)など多数。
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(投資YouTuber、作家、フロンティアコンサルティング代表 上岡 正明)