杉本彩、犬猫「夏の外飼い」に警鐘 過酷すぎる状況に「ネグレクトという虐待です」と改善訴え
女優であり公益財団法人動物環境・福祉協会Evaの理事長を務める杉本彩さんが2022年6月27日、YouTubeで動物の「夏の外飼い」に関する注意喚起を行った。
「積極的虐待と違って、全く悪気や罪の意識がない」
杉本さんは「#61 夏の外飼いは危険!適正飼養について考えよう」と題した協会の動画で動物の飼育法について注意喚起を行った。
杉本さんは「偶然テレビ番組で目にした」というゴールデンレトリバーに衝撃を受けたと切り出した。ゴールデンレトリバーは駐車場のようなスペースに設置された古い犬小屋にリードで繋がれており、通りがかったタレントにお腹を見せるなど人懐っこい性格だったという。
一見微笑ましいシーンだが、「これから暑くなる季節でね、外飼いでリードで繋がれたまんまって、犬にとってはかなり過酷な状況でしょう?」と不安に駆られたという。こうした光景について「かわいい、素敵な光景」と片付けるべきではなく、「適正飼養」について考える必要があるとした。
はっきりとは確認できなかったものの、杉本さんは犬小屋の中に敷物がないように見えたことも気がかりだったという。こうした状況を疑問視せず、そのままテレビで放送される状況について、「適正飼養の水準がまだまだ低いな」と強く感じたとした。
杉本さんは「積極的虐待と違って、全く悪気や罪の意識がない」ことが問題であり「犬の飼い方はこういうもんだ」という思い込みが、動物に対する「ある種のネグレクト」を引き起こしていると主張する。
「是非外飼いは改めて頂き、クーラーの効いた涼しい室内で飼育するようお願いいたします」
動物が「ぐったりする恐れがある」時点で虐待であるとして、杉本さんは「それが不適正飼養じゃなければ何を不適正飼養というんですか?」と語気を強めた。飼い主だけでなく「行政も虐待に対する認識が甘い傾向がある」として、社会全体の問題だと訴えた。
環境省による「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」を紹介し、犬や猫の体調管理に役立ててほしいとした。
犬が「運動をしていないのにパンティング(口を開けて呼吸)をする」状態は、熱中症の兆候があるため気をつけるべきだという。よだれ・粘膜(歯肉・舌・結膜)などの鬱血や充血、頻脈が起こっている場合、危険な状態にあるためさらに注意が必要だ。猫も同様だが、猫は普段口での呼吸をしないため口を開けて呼吸をし出した場合、非常に危険な状態であるとして体を冷やしてすぐに病院に行ってほしいとした。
杉本さんは「そもそもこういう状態にならないように、温度とか湿度とかを十分に管理することが、動物と暮らす人間の最低限の責任」だとした。
外飼いは温度管理ができない上、第三者からの虐待などのリスクがあるとして、「危険な状況に自分が守るべき動物を置いておくっていう、飼い主の意識っていうのが本当に問題」だという。
「外だけじゃなく家の中であっても、常に温度計・湿度計とにらめっこしながらね、犬・猫にとってどうなのかっていうところをきちんとケアしていただけたら」と呼びかけた。
杉本さんは、動画の概要欄でも「殴る、蹴るなどの積極的な虐待だけが、虐待ではありません。暑い中逃げ場もない場所に繋ぎっぱなしで放置していることなども『ネグレクト』という虐待です」と強調。
「これから暑い夏がやってきますので、是非外飼いは改めて頂き、クーラーの効いた涼しい室内で飼育するようお願いいたします」と訴えた。