飲んべえアイドル・清 亜美と妄想酒場デート 第二回「赤羽の名物おでん″丸健水産″で物思いにふける美女」 - 今野 亜美
※この記事は2017年06月16日にBLOGOSで公開されたものです
人気絶頂の中、6月17日に惜しまれながら解散する「清 竜人25」。そのメンバーであり、第3夫人である清 亜美さんは、飲んべえアイドルとしての顔を持つ。都内の酒場で妄想飲み屋デートをするこの企画。今回は“せんべろ”の聖地・赤羽を訪れ、テレビや雑誌でもおなじみの名物店・丸健水産でおでんとお酒を堪能してきた。
妄想デート 赤羽「丸健水産 編」
お昼すぎから客で賑わう丸健水産。列の先頭でおでんを選ぶ、真っ赤な洋服を身にまとった金髪の女性が目を引いた。
女性:えー、どれにしようかな。全部美味しそう!セットは何が入ってますか?
店主:セットは昆布、さつま揚げ、玉子、大根、ちくわぶにお酒が一杯ついて800円。"いっぱい"じゃないよ、一杯ね(笑)。
女性:すごく安い。あ、食べたいのがたくさんあるから、単品にしようかな。おすすめはありますか?
店主:うちは練り物がメインだから。築地から仕入れて生から作ってるよ。一番人気はやっぱり「スタミナ」!
女性:じゃあ、これとこれとこれと……。
自分の注文を済ませると空いている席に案内される。立ち飲み・相席で30分がお店の滞在時間の目安だ。隣に先ほどの女性がやってきた。
-あ、荷物。
女性:え?
-テーブルの下のフックにかけられますよ。
女性:あ、ホントだ。このお店には、よく来るんですか? 私、初めてで最初、どうやって注文とかすればいいのかもわからなったです。
-最初に場所とった方がいいのかとか、作法がわからないよね。
女性:そうなんですよ。こちらの常連さんですか? 後でオススメのおでんとかも色々教えてください!とりあえず乾杯~!
-乾杯~。初めての人でもどんどん話しかけるんだ。
女性:昔はそうじゃなかったですけど、一人で飲み歩きしているうちに、知らない人と話すのが得意になりました。
-若いのに一人で飲み歩きとは感心感心。
女性:そうなんです。うわあ、どれも美味しそうですね!
-味は間違いないよ。さ、熱いうちに。
女性:いただきまーす!……大根美味しい~!!すごくダシが染み込んでます!
-関西系のダシがベースで、すごく甘みがあるのにさっぱりしてるよね。
女性:ホントだ。指差しで注文しちゃったんだけど、これは何だろう…。
-それはカレーボールだね。スパイシーでウマい。すごく人気があるメニューだよ。
女性:スパイシーなカレーボール!? めっちゃ気になりますね。
-テレビ番組で嵐が食べて、すごい話題になったことがあって。
女性:わかる!わかる!これはハマりますね。何て言うんだろうこの味、ちょっと考えながらもう一個(笑)。
-名物のはんぺんは頼んだ? おでん鍋には入ってなくて、できたてを届けてもらえるから食べてみなよ。
女性:ありがとうございます。この店すごいですねー。近所にあったら毎日来たい。持ち帰りのおでんのタネも選びきれないですよね。
-そう、持ち帰り用も買って帰りたくなる。今日はどこから来たの?
女性:……え、はい?すいません、あ、清 亜美です!
-名前!全然聞いてない(笑)!どこから来たの、って聞いたの。
亜美:ごめんなさい、口の中の玉子が天国すぎて!神奈川から来ました。
-結構遠くから。
亜美:そうなんです。行ったことない街でも、気になるところは遠征して。今回、赤羽に来るのも初めてなんですけど、衣装もちょっと赤羽をイメージして赤い羽で(笑)。
-めちゃくちゃ目立ってたよ。今もだけど。髪の色も派手だし!
亜美:そうですね。まあ仕事柄、わりと自由なんで。
-そうなのか、ということはネット関係でしょ。派手な格好で平日のお昼から飲んでるし。それかテレビ業界とか。
亜美:イメージが(笑)。……まあ、そんな感じです。会社が自由なんで(ってことに)。
-日本酒が飲めるなら、ここのはオススメだよ。おでんに合うし、丸健ならではの飲み方があって。
亜美:普段はホッピーが多いですんけど、最近日本酒の美味しさにも気づき始めて。じゃあ、飲んでみようかな。
-これは「丸真正宗」ってお酒で、東京23区で唯一100年以上お酒を造り続けてる蔵。北区にあって、ここからもすぐ。
亜美:あ、美味しい。ザ・お酒って感じだけど、スッと飲めますね。
-裏側に目盛りがあるんだけど、残り50mlになったら教えて。「ダシ割り」っていう飲み方があるから。
亜美:ダシ割り!?
-好きな男性のタイプってある?
亜美:急に~!(笑)
-まあ、聞いておかないと。お姉さん美人だから。
亜美:いやいや。タイプかあ、お酒が飲める人がいいですかね!
-年齢はいくつくらいがいいの?
亜美:年代は全然気にしないですね。年上の人でも好き。生まれたてから、墓場まで。
-どんな表現(笑)。
お酒も会話も進み、ほろ酔い加減になった頃、はんぺんが届いた。
-ここのはんぺんは日本一って評す人もいるくらい、食感が素晴らしくて。
亜美:ふわっふわ~!めちゃくちゃ美味しい~!
-それでも、今日のは出来がもう一つだってマスターが言うんだよ(笑)。夏は難しいらしい。
亜美:満足いく出来の時に、また食べに来ないと。
-日本酒減ってきたね。飲み物は列に並ばなくていいから、マスターに「ダシ!」って言ってみて。
亜美:ふむふむ。マスター、ダシ割りお願いしまーす。
店主:はーい。待ってねーと。
亜美:ダイナミック!
-名物だからね。
亜美:おでんのダシと七味も少し入れてましたかね?……これは美味しい。体に沁みわたりますね。
-冷蔵庫に写真貼ってあるけど、マスターはミュージシャンの顔も持ってるの。
亜美:ウソ!?ちょっと話聞いてみたい。
-(めっちゃ食いつくな)ミュージシャンとしては38年キャリアがあって、今はおでん屋と二足のわらじ。
亜美:ステージに立って緊張する時はどうすればいいですか?マスターも緊張しますか?
店主:そりゃあ、昔はね。でも今は全然。
亜美:何か、緊張しない秘訣は……。
店主:羞恥心を捨てることかな。緊張ってのは自惚れだよ。
亜美:深い!でも確かに……。自分を高く評価しすぎてることってあるかも。
店主:肩の力を抜くと途端に楽になることってあるからね。
-緊張するほどのステージに立つことがあるんだ。
亜美:実は、今度ちょっと大きな仕事があって。お兄さんも、良かったら幕張メッセに来てください。
-幕張メッセ!?
亜美:今日は飲んで、色々と話して、何か自分の中でもう一つ先に行けた気がする。残り少ないメンバーとの大切な時間を、楽しみながら、精一杯やろうと思います!
-(なんの話かわからなかったけど)そっか、頑張って!
亜美:それじゃあ。マスターもお客さんたちもまたね!
そう言い残して、消えていった彼女。街に合わせて着てきた赤い羽の服は、今、大きな翼になってさらなる高みへと向かって羽ばたいていった。帰りの電車で清 竜人25というグループを知った。東京って面白い、相席のお店ではどんなことがあるかわからない。そんなことを考えた1日だった。……という妄想をしてみた。
◇プロフィール
清 亜美
プロデューサー兼メンバーである清 竜人とその妻達で構成される一夫多妻制アイドル『清 竜人25』の第3夫人。アイドルの固定概念を覆す全く新しいエンターテインメントとして話題に。メンバーの中では主にMCを担当。お酒(特にホッピー好き)、映画(特にスタローン好き)を愛す。自身のブログ『居酒屋1000円の旅』を随時更新中、日々街に繰り出してはせんべろを続けている。
◇イベント
6月17日(土)@幕張メッセイベントホール
清 竜人25 解散コンサート『ラスト♡コンサート』
チケット等の詳細は清 亜美:清 竜人25 オフィシャルHP
まで。
◇第2回で訪れたお店
丸健水産
北区赤羽1-22-8
03-3901-6676
10:30~21:00LO(土日祝~20:30)
休日:第3水曜