【参院選】「選挙は全て行っていますが、反省しています」~おおさか維新の会・松井共同代表の″18歳のころ″ - BLOGOS編集部

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※この記事は2016年06月22日にBLOGOSで公開されたものです

22日、参院選が公示された。これに先立つ20日、おおさかの維新の会の松井一郎共同代表が単独インタビューに応じた。

■経済政策:規制緩和、自民党では厳しい

ーアベノミクスに対する評価をお聞かせください。

アベノミクスの金融緩和はスタートダッシュとしては成功したと思います。民主党政権の時よりは株価も上がっているし、大企業中心だけれども、経営状況が良くなりベースアップも実現したということで、金融緩和は効果が出ていると思います。ただ、2014年に消費税を3%上げたことで、財政出動の効果がなくなってしまいました。増税は間違っていたということです。

それから、一番できていないのが規制緩和です。新しいビジネスをしたいと思っている人たちが、規制があるばかりに挑戦できない。政府は国家戦略特区を大阪でもやっていますが、この3年半の間、もう何件も申請を出してきたけど、実現したのは2割程度です。ここの部分がアベノミクスの3本目の矢ですからね。

こうしたことが原因で、多くの人たちが景気回復を感じるところまでは行っていないということです。

でも、この規制緩和の部分は自民党では厳しいと思います。だから僕らがそういう提案をしているということなんです。なぜ自民党では厳しいか。規制で守られている各種団体の代表が、まさに参院選の自民党候補者たちです。この人たちが自民党の一員になれば、規制を緩和することに後ろ向きになってしまいます。

■福祉政策:規制緩和で解決する方法がある

ーおおさか維新の会は、公務員制度改革も含め、既得権益の打破を訴えてきました。福祉分野もそうした発想で解決するということでしょうか。

待機児童の解消、これも規制の問題なんです。今、大阪府では保育士資格を持っている方は9万人いますが、実際に働いていただいているのは3万人です。残りの6万人の方々は、家庭に入っておられるとか、他に生きがい、やりがいを持っておられたり、他の仕事に就いておられたりするわけです。ですから税金で保育士の給料をボンボン上げたところで、一挙に待機児童が解決されるくらいそういう方々が働いてくれるかといえば、違うわけです。

そこで我々が言っているのは、霞が関が決めた一つの基準ではなく、一番現場を知っている地方にまかせてほしいということです。

子ども一人あたり面積は何平方メートル、保育士は何人、園庭はこれだけ…という霞が関の基準では、待機児童は解消できません。大阪の場合は都市部ですから、基準に見合った面積を確保しようとすると、かなりの初期投資かかります。採算も合わないわけですから、そんなところに参入してくれる人は滅多に居ません。

だから大阪は大阪の独自ルールの中で、待機児童解消をやらせてほしいのです。面積の基準を緩和のほか、看護師さんにも正看護師と准看護師さんがいるように、しっかりした研修を一定期間受けた人を「准保育士」として府独自で認定させていただいて、働く方を増やしていきたいと思います。

保育士免許は持っていないけど、子どものことが大好きで、子育ても一段落して、保育の現場で働いてみたいという人もいるわけです、でも、そういう人たちが今から勉強して資格を取るのは大変です。試験も一回でクリアできるほど簡単なものでもない。

そこで、行政が一定期間の研修を受ければ「准保育士」の資格が認定されると。そしてそういう人たちが、従来の保育士さんの元で何人か集まれば保育ができる、という基準を作れば、保育士不足は解消されると思います。「そんなことをすると保育の質が下がる」と言う人もいますけれど、そこは研修をしっかりやれば、質を下げずにできると思います。

■憲法改正:3分野で発議できるようにしたい

ー憲法改正について伺います。おおさか維新の会は、道州制も含め、以前から統治機構の分野で憲法改正を訴えています。

2000年に「地方分権一括法」が施行されて、それから16年が経過しました。その間の様々な選挙で、今の国会議員の圧倒的多数は「道州制推進」を公約に掲げてきたんです。ところができていない。何故なのか。結局、道州制というのは統治機構の仕組みを変えるということですから、政治家の身分も変わってしまうのです。選挙では耳障りのいいこと言いながら、それが嫌でやらない。

じゃあどうするのと。そもそも憲法というのは権力を縛るもので、それを元に法律って作られるわけなんですよ。だから憲法改正。ただ、最終的には憲法改正の是非を判断するのは国民の皆さんですから、我々はまず発議をしていきたい。

道州制を含む統治機構改革、教育無償化、憲法裁判所を設置する。この3つの分野で発議できるようにしたいですね。当たり前のことだけれど、憲法調査会で真面目な議論ができるようにしたいと思います。

■18歳のころ:若い方たちにも、政策の中身に興味持ってもらいたい

ー18歳選挙権が始まりますが、ご自身の18歳の頃を踏まえて、いかがですか。

18歳に限りませんが、日本の投票率は年齢に比例しているんですよ。20歳代は2割ですが、年とともに上がっていく。政治家は選挙に勝つために、投票率の高い年代のことを見ますよ。だからその人たちに対する行政サービスの充実の話ばっかり。

今、世代間格差が出てきています。僕ももう50歳を超えたので、どちらかというと中年から高齢者の側に入って行くけれど。あまりにもこちら側が優遇されて、自分の子や孫の世代にツケを回すというのはダメでしょと。

そもそも行政サービスには財源が必要なわけで、それ国民の皆さんのお財布から出てくるものです。結局若い人たちの投票率が低ければ、その声を聞こうという議員も少なりますから、是非、投票に行ってもらいたいですね。

私は20代の時から、選挙は全て行っています。親父も政治家でしたから。でも、政策の中身には正直、あまり興味を持っていなかったね。こんなことを偉そうに言っているけれど(笑)。だから今、反省しています。やっぱり若い方たちにも、政策の中身に興味持ってもらいたいと思いますね。(20日、おおさか維新の会本部で)