※この記事は2011年06月15日にBLOGOSで公開されたものです

　首相の座に居座り続ける菅氏に、ついに財界のボスがブチ切れた。日本経団連の米倉弘昌会長が、15日付の産経新聞1面のインタビューで「お辞めにならねば日本没落だ」と強い調子で、菅首相の早期退陣を求めたのだ。経団連会長が首相の進退にここまで踏み込んで発言するのは異例だ。背景には「経済界の考えと異なる政策の乱発に、会員企業の不満が強まっている」ことがあると、この記事では分析している。
　
　これまでの菅氏の態度について米倉会長は、
「言いようがない。退陣表明は本当にした（といえる）のだろうか。最近、『一定のめど』が（延命など）さまざまな意味で使われ始めている。一日も早く復興しないといけないのに、被災地の皆さんがかわいそう。菅さんには無理で、（居座り続ければ）何もしていないのと同じだ」
　と、こきおろしている。その上で、次期首相は仙谷由人・官房副長官と野田佳彦・財務相のいずれかがふさわしいと話した。
「実行力と責任感（がある）。野党との関係もいい。心機一転で新しい政権をサポートする」
　菅首相は、温室効果ガスの25%削減や、太陽光パネルの1千万戸の設置などの政策を何の調整もないまま表明する一方で、財界が求めてきたTPP（環太平洋戦略的経済連携協定）への加入や、法人税減税などの方向性は一向に打ち出してこなかった。こうしたことが、米倉会長が政権に距離を置く原因になっているようだ。

続投に意欲を見せる菅氏



　一方の菅氏は、このところ続投への意欲をあからさまにしており、当初は今月中の退陣を求めていた民主党内の空気も変わりつつあるという。同日の読売新聞の一面トップには「首相月内退陣しぼむ」の大見出しで、次のように書いている。
首相は14日の参院東日本大震災復興特別委員会で、「少なくとも今、国会に出している法案についてはきちんとやっていく」と述べ、特例公債法案などを成立させるまで続投する考えを強調した。「いつまでにやめようと思っていたとしても公にしない」とも語った。

政府・与党内では、菅首相の強い意欲に折れる形で、「特例公債法案の成立にメドをつけるために会期を延長すべきだ」との声が広がっている
　民主党内では、60日～90日程度の延長を見込んでいるようだが、自民党は菅首相のもとでの国会延長には反対する方針。鳩山グループや小沢グループだけでなく、味方だったはずの前原グループからも早期退陣の声が上がっている民主党。両院議員総会が今週中に開かれるかさえ不透明な情勢だ。首相の座をめぐって菅氏と周囲のチキンレースが続いている。

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・菅首相は「お辞めにならねば日本没落だ」　経団連会長 - SankeiBiz（サンケイビズ）
・首相の月内退陣しぼむ…会期６０～９０日延長も - YOMIURI ONLINE（読売新聞）
・なりふり構わぬ首相延命策にトホホな民主執行部 - YOMIURI ONLINE（読売新聞）

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菅首相は、震災対応に「一定のメド」がついた段階で辞任する考えを表明。退陣時期をめぐって、激しい綱引きが政界で繰り広げられている。

・「ポスト菅」は誰だ？
民主党内外から菅首相に「早期退陣」を求める声が圧倒的に。次は誰が日本のトップになるのか。