空気清浄機をフル稼働させると電気代はいくらぐらいになるのでしょう。今回は、大手メーカーの最新機種をピックアップして、空気清浄機の電気代を比較してみました。より効果的に使うために、空気清浄機を選ぶ際のチェックポイントもあわせて紹介します。ぜひ参考にしてください。

空気清浄機の電気代は? メーカー別に紹介

ここでは、パナソニック、シャープ、ダイキンから発売されている空気清浄機の特徴と、最新モデルの電気代目安を紹介します。なお、電気代は2022年2月時点の料金単価27円/kWh(税込)での計算です。

パナソニックの空気清浄機

パナソニックの空気清浄機には、同社の独自開発による「ナノイー」技術が搭載されています。「ナノイー」とは、空気中の水から生成されるナノサイズの微粒子イオンのことです。「ナノイー」に含まれるOHラジカルには、花粉やダニ、ウイルスや菌などを抑制する効果があります。

2003年には、世界初「ナノイー」搭載の空気清浄機が登場しました。また、2016年にはOHラジカル量が「ナノイー」の約10倍の「ナノイーX」搭載モデルが発表されました。2021年度モデル「F-VXU90」には、ナノイーの約100倍のOHラジカルを含む「ナノイーX 48兆」が搭載されています。「F-VXU90」の空気清浄の適用床面積は40畳(66平方メートル)になります。気になる空気清浄の電気代の目安は次のとおりです。

出典:加湿空気清浄機 F-VXU90 [適用床面積]空気清浄:40畳(66平方メートル)|パナソニック

※1立方メートルあたりの粉塵濃度1.25mgの空気中の汚れを、30分で0.15mgまできれいにできる部屋の広さ

シャープの空気清浄機

シャープの空気清浄機に搭載される「プラズマクラスター」は、森林に存在するイオンを参考に開発された独自技術です。水素のプラスイオンと酸素のマイナスイオンを放出し、空気中に浮遊する菌やウイルスの作用を抑制する効果が期待できます。

プラズマクラスター搭載の空気清浄機が誕生したのは2000年です。2022年の最新モデル「KI-PX100」に搭載される「プラズマクラスターNEXT」は、1立方センチメートルあたり5万個以上のイオン濃度を誇ります。空気清浄の適用床面積は46畳(76平方メートル)、プラズマクラスターの適用床面積は約23畳(約38平方メートル)、空気清浄の電気代目安は以下のとおりです。

出典:加湿空気清浄機/空気清浄機 KI-PX100 仕様 / 寸法|シャープ

ダイキンの空気清浄機

ダイキンの空気清浄機は全機種に独自技術の「ストリーマ」が搭載されています。ストリーマとは10万℃の熱エネルギーに匹敵する放電技術で、強い酸化分解力を持つ高速電子が空気中の成分と合体し、菌やウイルス、有害物質などの作用を抑制します。

2022年モデルの「MCZ70Y-T」は、除湿・加湿・集塵・脱臭と1台4役の空気清浄機です。除湿空気清浄は「強・標準・弱」の3モード、空気清浄と加湿空気清浄は「ターボ・しずか」を加えた5つのモードが選べます。空気清浄機能のみの電気代目安は以下のとおりです。

出典:除加湿ストリーマ空気清浄機 MCZ70Y|ダイキン

空気清浄機の1時間・1日・1ヶ月あたりの電気代を比較

これまでに紹介した各社の空気清浄機について、1時間あたり・1日あたり・1ヶ月あたりの電気代を比較してみましょう。ここでは、最も弱いモードで使用したケースで比べてみます。

電気代にはそれほど大きな差がありません。1ヶ月(30日間)つけっぱなしにしたとしても、140~160円程度です。空気中の有害物質は常に室内を浮遊しているため、空気清浄機はつけっぱなしにしたほうが効果的です。外出時と帰宅時でON/OFFをくりかえすよりも、弱モードでの常時使用をおすすめします。

効果を高める空気清浄機の選び方

ここまで空気清浄機の電気代について解説してきましたが、なによりも大切なのは十分な効果が実感できるかどうかです。効果が感じられないからといって強モードで使用していれば、そのぶん電気代が多くかかります。ムダな電気を使わないためにも、空気清浄機を選ぶ際のチェックポイントをおさえておきましょう。

部屋の広さに適した製品を選ぶ

まず確認したいのは「適用床面積」です。適用床面積とは、日本電機工業会で定められた基準で、「1立方メートルあたりの粉塵濃度1.25mgの空気中の汚れを、30分で0.15mgまできれいにできる部屋の広さ」のことをいいます。

つまり、適用床面積が大きいほど、空気中の汚れを除去するスピードが速いということです。空気清浄機を置こうとしている部屋の床面積を考え、それよりも適用床面積が大きい機種を選ぶようにしてください。

目的に合う機能が付いた製品を選ぶ

空気清浄機のなかには、ヒーターや扇風機としても使用できる多機能タイプの製品もあります。目的別に家電を買うよりお得ですし、省スペースになるのがメリットといえるでしょう。

ただし、異なる機能を併用した際、肝心の空気清浄機能が不十分と感じることがあるかもしれません。また、より多くの電力を消費する可能性もあります。多機能タイプの空気清浄機の購入を検討する際は、本当にその機能が必要かを考えてみてください。目的や使用頻度によっては、別々に家電を購入するほうがよいでしょう。

フィルターの性能で選ぶ

フィルターの性能もしっかりチェックしてください。空気清浄機のフィルターには「プレフィルター」「集塵フィルター」「脱臭フィルター」などの種類があり、それぞれに機能が異なります。特に注意したいのが集塵フィルターです。
集塵フィルターは空気清浄機のメインとなるパーツともいえるもので、各社さまざまな工夫を凝らしています。ただし、性能によっては除去できない有害物質があるため、なにに効果が期待できるのかを確認して選ぶようにしましょう。

なお、フィルターは定期的なお手入れや交換が必要になるため、お手入れ方法や交換頻度、交換用フィルターの価格なども確認することをおすすめします。

まとめ

空気清浄機の効果を高めるには、24時間つけっぱなしにしておくのがおすすめです。弱モードで使用した場合の電気代は、1ヶ月あたり140~160円ほどが目安となります。適用床面積が大きいほどスピーディーに空気をきれいにするので、置きたい場所の床面積よりも大きいものがおすすめです。付随する機能やフィルターの性能なども比較して、使い勝手のよいものを選ぶようにしてください。