「OM-1」「GH6」実機チェック。マイクロフォーサーズ陣営にハイエンドラインナップが登場
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OMデジタルソリューションズとパナソニックからマイクロフォーサーズ規格の新製品が登場しました。折しもCP+2022のリアル開催が中止となり、オンラインのみでの開催と決まった中での新製品の発表だったので、CP+2022が開催されていたら会場で触れたのになぁと残念に思っていました。そんな中、各社よりプレス向けにタッチアンドトライの機会を用意したと案内がありましたので、早速実機をチェックしてきました。
OLYMPUSのロゴを冠した最後のフラッグシップ機その名も「OM-1」
オリンパスからOMデジタルソリューションズへとデジカメ事業部が移管され、次の新機種からはOLYMPUSのロゴも使用できなくなるというタイミングでのフラッグシップ機発表。少々心配していましたが、なんと今回のOM-1に限り特別にOLYMPUSロゴの使用が認められたそうです。OM-1といえば、フィルムカメラ時代の名機OM-1を想起させる名称ですが、それにふさわしい仕上がりになったようです。
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フィルムカメラ時代のOM-1は、世界最小最軽量の一眼レフとして当時世界を驚かせましたが、デジタルカメラのOM-1もマイクロフォーサーズシステムならではの小型、軽量のミラーレス一眼カメラながら、新開発の裏面照射積層型Live MOSセンサーや画像処理エンジン TruePic Xなどにより、パワフルな仕上がりとなっています。
手に持った感じはOM-D E-M1MKIIIとほぼ同じですっぽりと収まります。OM-D E-M1Xの縦グリップ一体型ボディではマイクロフォーサーズらしさが不足すると思っていましたので、パワフルになってコンパクトになったOM-1は最後の「OLYMPUS」機にふさわしいと言えるでしょう。
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新型センサーとエンジンにより、高画質化と高感度耐性の向上が実現しています。元々強力な手振れ補正機能に定評がありましたが、高感度耐性の向上によりシャッタースピードを稼いで暗い場所での移動する被写体の撮影も行えます。
また、ディープラーニングによるAI被写体認識AFも強化され、従来のバイク・車、飛行機・ヘリコプター、鉄道、鳥、に動物(犬・猫)が加わりました。実際の物体ではなく、映像に対しても認識されるので、画面に映った野鳥などにもAF認識フレームが表示されます。
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OM-Dシリーズの特徴で魅力でもあったライブコンポジットやライブND、深度合成などの機能は、パソコンを使わずボディ内で処理が可能となったほか、パソコン用ソフトウェア「OM Workspace v2.0」での処理の際は、AIノイズリダクションなどの高負荷な処理をパソコンに繋いだカメラの画像処理エンジンを使って処理できるなど、ハードとソフトの連携が強化されたように感じます。
なお、スチル性能に注目が集まりますが、動画性能もシネマ4K60P、Log撮影、動画RAW記録など一眼動画カメラとしての機能は押さえています。
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ただ、残念ながらOM-Dフラッグシップ機で受け継がれてきたバッテリーや周辺機器の共有は不可能で、新設計、新型のバッテリー、バッテリーグリップなどが用意されます。一方で、USB Type-C端子はPD対応となり、充電だけでなく電源供給にも対応します。本体には充電器は付属せず、ボディ内充電となりますが、バッテリーと充電器のセットや、本体と予備バッテリー、充電器のセットも用意されるということです。
ちなみに、今回の体験会で用意されたのは、同時発表の新型レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO」で、35mm換算80-300mmの望遠レンズとなります。F値が4.0通しですが、F2.8通しのモデルと比較してかなり軽量コンパクトになりました。PROラインナップなので写りも良いということで、登山など軽量化が求められるアウトドア用にもぴったりかと思いました。
発売日は3月18日。公式オンラインショップでの価格は27万2800円(税込)です。同時に発表された交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO」や「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II」、ワイヤレスリモコンやACアダプターなどその他の関連製品は、3月25日に発売となります。
動画だけにとどまらないパナソニックの新型カメラ「GH6」
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GH6は、パナソニックのマイクロフォーサーズラインナップGシリーズのハイエンド機種として位置づけられており、動画も静止画もマルチに対応するモデルに仕上がっています。同社のスチルカメラのハイクラスモデルにはG9PROがありますが、流石に発売から時間が経っていることもあり現時点においてはGH6の方にスチル撮影での優位性がある状態です。
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GH6といえば、GHシリーズの流れを組む一眼動画機としての性能を期待されていますが、その期待を裏切らない仕上がりとなっています。
新開発のセンサーと画像処理エンジンで、4K 60P, 120P, HFR/VFR記録など多彩な動画記録に対応し、5.7K 30P Apple ProRes 422 HQに内部記録にも対応します。スチル機能では、1億画素相当のハイレゾモードや電子シャッター時で75コマ/秒の連写撮影など、特定機能、性能においてはフルサイズ機のSシリーズを凌駕する部分もあります。
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1億画素相当のハイレゾ撮影は、中判やフルサイズ高画素機などで画素競争が行われようとしている中、センサーシフト/手振れ補正合成とはいえマイクロフォーサーズ機でも可能という衝撃をもたらしました。ハイレゾ画像は、ボディ内現像で処理されますが、そのスピードは使用するメモリカードにも依存します。4K対応の高速なCFExpressカードなどを使用すると高速に処理されるでしょう。
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また、背面モニターは、ユニークな「チルトフリーアングルモニター」を採用。ぱっと見でも厚みのあるモニター部と冷却用のスリットですが、チルトフリーアングルで自在な撮影ポジションを取ることができます。
冷却に関してもエンジンやセンサーの熱を伝導性パーツで放熱板に集約してファンで放熱する方式をとっており、防塵防滴を確保したまま冷却効果を高めているということです。
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発売日は3月25日。ボディは26万3000円前後(税込)になるとのことです。
いずれの機種もハイエンドモデルにふさわしい仕上がりになっており、正直どちらのモデルも非常に魅力的に感じます。
動画もスチルも同じくらい撮影するという人はGH6を選べば大抵のことは賄えると思います。1億画素相当のハイレゾショットなど飛び道具もあるので、カメラ量販店では売りやすいスペックが揃っているなーという感じです。
一方OM-1は機能比較で表にして並べると一段見劣りする数値になることが多いですが、撮影に向き合った場合の使い心地や実際に本番投入された際のありがたさ的なものは、特にスチル面で大きく発揮されるだろうと期待が持てます。
特に、オリンパス (OM-Dシリーズ)を使い続けてきたカメラマンにとっては順当進化以上の待望の新製品と言えるでしょう。
主要メーカーのハイエンドフルサイズ機が続々と発売される中で目が向けられなかったマイクロフォーサーズ陣営でしたが、今年はマイクロフォーサーズ機の豊作の年になりそうな新製品ラッシュとなりました。