Apple Silicon
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まもなく次期Appleシリコン「M2」搭載の13インチMacBook Proが登場すると噂されるなか、「M2」がどれほどの性能になるか予測したレポートが発表されています。

ここでいう「M2」チップとは、現行のMacBook Airなどに搭載されたM1チップの改良版と噂されるプロセッサのことです。以前BloombergはM2のCPUコアがM1と同じく8個、GPUコアは7〜8個から9〜10個に増やされ、より高速に動作するとの予想を報じていました。

さて今回のレポートは、米MacworldライターのJason Cross氏によるものです。この記事ではM2の性能を「M1からM1 Pro/Max」(同じ5nmプロセス製造のまま、CPUやGPUコアを増やした)ではなく、iPhoneのA14 BionicからA15 Bionicへの進化に基づいて推測することを提案しています。こうした「既知の数値データを基に、データの範囲外の外を予想する」ことを一般的に外挿と呼びます。

Cross氏いわく「M2はM1に対して、A15はA14に対して」技術的な飛躍を考えるべきとのこと。なぜなら「M1はA14の基本アーキテクチャを元に、CPUの高性能コア数を2倍(2コアから4コア)、GPUコアを2倍(4コアから8コア)にスケールアップしたもの」と考えられるためです。つまりM2もiPhone 13に搭載されたA15をベースに設計されると思われ、そこから性能が予想できるというわけです。

また「M2 Max」つまりM2を強化した最上位プロセッサについては「M1からM1 Maxへのスケールアップと同じように、CPUコアを交換して、GPUコアを2倍にする」と予想されるとのこと。そのため「M1からM1 Maxへのスケールアップと同様に、CPUは高効率コア×2+高性能コア×8,GPUコアはベースとなるM1チップの4倍(合計40)」になると想定されています。

なおM2シリーズチップには、TSMCの4nmプロセス技術が使われると噂されています。A15やM1シリーズチップには5nm技術が使われており、一般的に回路線幅が微細化するとチップ性能が向上する傾向がありますが、クロス氏はそれは電力効率の改善に(性能向上より優先して)振り向けられる可能性もあるため、その影響は除外していると述べています。

では、「A14からA15への進化」から外挿すると、M2シリーズチップはM1シリーズよりもどれほどの優位を誇ると予想されるのか。以下に示されたGeekbenchスコアは、あくまでもクロス氏が「こうなるだろう」と概算したに過ぎず、実際にM2搭載のMacを入手して計測したわけではありません。

まずシングルコアスコアについては、M2がM1 Maxを上回る結果となっています。

Macworld

興味深いのは、マルチコアスコアの結果です。M2は9000近くを出しながらも、高性能コアの数で上回るM1 Maxには及ばず。それでも、MacBook Airのような軽量ノートPCにとっては十分に素晴らしい性能と思われます。

Macworld

その一方でM2 Maxのマルチコアスコアは、1万4000を超えることに。Cross氏は「14のCPUコア(6個の高性能コアと8個の高効率コア)を持つインテル最速のAlder Lake Core i9を上回ることになる」「これほどの性能向上が、わずかな消費電力の増加で達成する可能性が高い」と述べています。

これらはあくまで予想の域を出ませんが、まもなく登場するかもしれないM2 搭載MacBook Proへの期待を膨らませてくれるものです。「前モデルとデザインが同じ」との説が有力となっていますが、パフォーマンス向上が目覚ましければ、大いに物欲をそそることになりそうです。

Source:Macworld

via:9to5Mac