寒天が固まらない原因は?基本の使い方と失敗したときの対処法をチェック
寒天が固まらない原因は?
しっかりと固まりつつ、ホロッと崩れる独特の食感が楽しめる寒天。テングサやオゴノリといった海藻からできており、粉末寒天・糸寒天・棒寒天といった種類があります。寒天の特性上扱うときはいくつかの気を付ける点があるため、固まらないときは次のことをチェックしてみましょう。
寒天がしっかり溶けていない
寒天は、しっかり煮溶かさないと固まりません。電子レンジで加熱した程度では、寒天は完全に溶けきらないです。また鍋に入れても、さっと加熱する程度ではNG。一見溶けているように見えても、寒天が完全に溶けきっていないため、固まらなかったと考えられます。
酸味の強いジュースや果物を使用している
寒天は酸に弱いため、酸味の強いジュースや果物を使うときは注意が必要です。寒天は食物繊維によって液体を固めますが、寒天と一緒に鍋で煮てしまうと食物繊維が短く切れてしまい、固まる力が弱くなってしまいます。
牛乳やジュースなどを冷たいまま加えている
牛乳やジュースといった冷たい液体を、温かい寒天液に一気に加えてはいけません。温度が下がって部分的に固まってしまい、全体が均一に混ざらないため、うまく固まらないことがあります。
寒天の分量が違う
寒天の量は一般的に、液体に対して1~1.5%使用します。レシピがこのような配合となっているか、また正しく計量しているかチェックしましょう。使用する寒天によっても分量が異なるため、記載のある箱や袋の表示を見て、確認してください。
固まらなかった場合は再加熱するのがおすすめ
寒天が固まらなかったとき、多くの場合は寒天が完全に溶けていなかったことが原因です。寒天は90~100℃で溶けますが、完全に溶かすには沸騰させてから2分加熱させる必要があるため、このときに加熱が足らなかったと考えられます。もう一度鍋に戻して加熱し、しっかりと寒天液を煮溶かしてから固めればよいでしょう。
寒天の分量を増やしてもOK
液体に対して、寒天の分量が足らないことも考えられます。そのときはもう一度鍋に戻して加熱し、別で寒天液を作って追加してもOKです。また再加熱して冷やしても固まらない場合や、酸味の強いジュースや果物を使用している場合は、こうして寒天の量を追加すると固まりやすくなりますよ。
しっかり固まる寒天の基本の使い方
寒天と水を使う、基本の使い方を説明します。ひとつは正しい手順で、もうひとつはさっと加熱する程度で作りました。加熱が足らないと、見た目や味などどういった違いがあるか、ふたつを比べてみましょう。
準備するもの
・粉寒天……2g
・水……230cc
手順
1. 寒天と水を混ぜ合わせ、火にかける
鍋に水と寒天を入れて火にかけ、泡立て器で混ぜながら加熱します。お湯に寒天を加えると、寒天がうまく溶けずダマになり、加熱を続けても煮溶けないので注意しましょう。
2. 沸騰したら火を弱め、2分加熱する
沸騰したら弱火にします。泡立て器でかき混ぜて沸騰状態を保ちながら2分加熱し、完全に寒天を溶かします。鍋全体が沸騰している状態は、100℃。棒寒天を使う場合は、透明になるのが目安ですが、粉寒天は溶けているか見た目ではわかりづらいです。時間を目安に、加熱しましょう。
3. 容器に流して冷ます
粗熱を取り、容器に流し入れて冷やし固めたらできあがりです。寒天は40~50℃で固まるので、常温に置いても固まります。
しっかりと加熱しなかったものはとてもやわらかく、型からはずすと形がキープできません。一見するとみずみずしい寒天ゼリーのようですが、食べると舌に残るものがあり口当たりが悪いです。
一方、正しい手順で作ったものはしっかりと固まり、歯切れがよくほろっと崩れます。
砂糖を入れる場合の注意点
砂糖は、寒天を完全に煮溶かしてから加えるのがポイントです。砂糖を加えると、寒天はより強く固まります。完全に寒天が溶けていない状態で加えると、長く煮てもそれ以上寒天は溶けません。口当たりが悪くなったり、固まらなかったりする原因になるので、気を付けましょう。
牛乳やヨーグルトを加える場合の使い方
牛乳やジュースなどは、寒天液を作ってから混ぜ合わせます。ただ、牛乳やジュースなどの液体が冷えている状態だと、寒天液が均一に混ざらず、ダマになったり固まらなかったりすることも。合わせる液体は人肌程度に温めてから、寒天液と混ぜ合わせるようにしましょう。
酸味の強いものを加える場合の使い方
酸味の強いものを加えるときは、寒天をしっかりと煮溶かし、火を止めて粗熱が取れてから加えましょう。寒天は酸に弱いため、鍋で一緒に煮てしまうのはNG。寒天の食物繊維が分解されてしまい、固まる力が弱くなってしまいます。
ちょっとした違いですが、寒天が固まるのに大きな影響があるため、果汁やフルーツジュースを使うときは気を付けてくださいね。
酸味の強い果物を入れる場合
グレープフルーツやレモンなどの柑橘類やキウイフルーツといった酸味の強いフルーツを使用する場合は、あらかじめ熱を通しておくのもおすすめ。コンポートやジャムのような状態にすると酸味が和らぎ、固まりやすくなります。また通常よりも寒天の量を増やしてもOK。いずれも完全に寒天を煮溶かしてから、果物と混ぜるようにしてくださいね。
お菓子や料理に大活躍!もっと寒天を活用しよう
海藻からできている寒天は、使用するときに気を付ける点がいくつかあります。ポイントを押さえれば、好きな液体を固めたり、果物を入れたり、アレンジは多彩。ところてんや杏仁豆腐、水ようかんといった定番メニューのほか、お菓子や料理に大活躍しますよ。
歯切れがよく、ほろっと崩れる独特の食感は、寒天ならでは。もしうまく固まらなかったときは慌てなくてもOKです。ぜひ参考にして、対処してみてくださいね。