お手軽常備菜を炒めて煮るだけ!ザワークラウトスープ【伯母直美さん考案】

発酵野菜を使うから味付け楽チン!ザワークラウトスープ

もうすぐ春キャベツが旬を迎えます。やわらかくて甘みの強いこの時期だけのおいしさは、見逃さずに楽しみたいものですね。でも1玉買っても使い切れないという声も多く耳にします。

そこでこの企画では、旬菜料理家の伯母直美(うば・なおみ)さんに、キャベツの使い切りに役立つレシピを伺い、全5回毎日連載としてお届け。著書『野菜を使いきる。』(主婦と生活社)でも、野菜をおいしく無駄なく使い切るノウハウを惜しみなくご紹介している伯母さん。旬野菜の保存方法や、下処理のコツまで教えてもらいましました。

「料理教室でも野菜を使いきれないという声はよく聞きます。私も自宅にある畑から野菜を収穫したり、ご近所さんからもいただいたりするので、どれだけ食材を無駄なく使い切れるかを常に考えて実践しています。

皆さんにぜひお試しいただきたいのが、野菜を買ったその日に下処理をしてしまう方法。野菜をゆでてから冷凍したり、漬けてから保存したりすると、長持ちしやすくなりますよ。しかも、下処理を終えてあるから調理に使いやすく、味付けや加熱をする手間が省けて、時短調理が叶います。

今回ご紹介するザワークラウトと呼ばれる発酵野菜も、スープやサラダ、炒め物に使える便利な常備菜のひとつ。一度に大量に作ってしまえば、毎日の助けになるはずです」

調理時間:10分 ※ザワークラウトの漬け込み時間は含まない

【キャベツの使い切りレシピ】第1回のメニューは、そんなザワークラウトを使ったスープ。

「ザワークラウトの旨味を活かすので、シンプルな調味料で作れるお手軽スープです。私も寒い日や、夕飯のおかずが物足りないときなどにパパっと作っていますよ」

スープの材料となるザワークラウトの作り方から順に、レシピをご紹介します。

ザワークラウトのレシピ

保存期間:1週間から10日程度

「瓶に作ってもよいですが、長く持たせるなら保存袋がおすすめです。使う度にその都度空気をしっかり抜くことができるので、雑菌が入りにくくなります」

材料(作りやすい分量)

・キャベツ……1/2個(500g)
a. 塩……10g(キャベツの2%)
a. 酢……大さじ1杯
a. 赤唐辛子……1本

下ごしらえ

キャベツを5mm程度の細切りにします。

作り方

1. 保存袋に材料を入れてもみこむ

保存袋にキャベツと(a)を入れてもみこみます。

「塩の量はキャベツの重量の2%程度と覚えてください。キャベツと塩、唐辛子だけでも作れますが、今回は酢を使うのがポイント。酢を入れると発酵が早まり、1日程度常温におくだけでおいしく食べられます」

2. 空気をしっかり抜く

保存袋の空気をしっかり抜き、1日程度常温に置いておきます。以降は冷蔵庫で保存します。

「雑菌が入らないように空気をしっかり抜くのが大切です。保存袋の端を少し開けてぎゅっと手で押すようにすると簡単に空気が抜けますよ」

キャベツが余ってしまったら

いくら大量消費が可能なレシピでも、1玉買えば余ってしまうことはありますね。そこで、生のキャベツをおいしく保存する方法を伯母さんに伝授していただきました。

活用するのは、いつも捨ててしまいがちなキャベツの外側の葉です。キャベツを保存するとき、ラップに包む人が多いかと思いますが、その代わりに外葉を使うことで品質の劣化を防げるのだそう。

キャベツの味が損なわれる原因のひとつは乾燥です。水分量の高い外葉で使いかけのキャベツを包めば、自然の保湿力で乾燥を防ぐことができます。春キャベツを買ったら、さっそく外葉を捨てずにもち帰るようにしましょう。

ザワークラウトスープのレシピ

材料(2人分)

・ザワークラフト……150g
・ソーセージ(斜め切り)……2本分
b. 水……3カップ
b. 豆ミックス……80g
b. ローレル……1枚
・オリーブオイル……適量
・塩……少々
・こしょう……少々

作り方

1. 材料を炒める

鍋にオリーブオイルを熱してソーセージを炒めます。油が回ったらザワークラストを入れます。

「最初に動物性食品を入れると旨味がしっかり出て、より食べ応えのあるスープに仕上がります。ソーセージは丸のままでもいいですが、カットしたほうが切り口から旨味成分が出やすくなりますよ。ソーセージ以外にハムやベーコンでもOKです」

2. 煮立たせて味を調える

鍋に(b)を入れ中火で煮ます。豆がやわらかくなったら、塩こしょうで味を調えます。

「味付けするときに、ザワークラストの漬け汁も加えるとさらに旨味がアップします。物足りない人はコンソメを追加で入れてみてくださいね」

酸味が強すぎないやさしい味わいで心も体もほっこり

塩こしょうだけとシンプルな味付けなのに、ザワークラウトの旨味がきいて、食べ応えのある一杯になりました。酢入りのザワークラウトを使っていますが、酸味が強くなくやさしい口当たりなので、子どもから年配の人まで多くの世代に好かれそうな味わいです。

「このザワークラウトはレタスと混ぜて、オリーブオイルをかければ簡単なサラダの完成です。鶏むね肉とも相性がよいので、炒め物にしてもおいしく食べられますよ」と伯母さん。アイデア次第でいろいろな料理に活用できそうですね。

スープからサラダ、炒め物まで使い勝手の良いザワークラウト。春キャベツの時期だけでなく、年間通して作り置きしておきたい常備菜でした。

明日は「キャベツとにんじんのコールスロー」をご紹介

さて、明日紹介するレシピは「キャベツとにんじんのコールスロー」です。水っぽい仕上がりにならないようにするにはどうすればいいのか、すぐにマネできるコツまでしっかりご紹介します。お楽しみに!

取材・文/大瀧亜友美
企画・撮影/植松富志男(macaroni 編集部)