最近は浴室乾燥機が装備されている物件が増えていますが、浴室の換気以外にはほとんど使用していないという人も多いのでは? せっかくある便利な機能なので上手に使いこなしたいもの。今回は、時短家事コーディネーター(R)の内田 文(うちだ ふみ)さんに、浴室乾燥機を利用して洗濯物をスピーディーに乾かすコツや、ランニングコストを抑える工夫について伺いました。

気になる浴室乾燥機のランニングコスト。1時間あたりどのくらいかかる⁉

「浴室乾燥機を活用しない理由のひとつとして、“電気代が高そう”という声を聞きますが、一般的なもので1時間およそ33円。実はヘア―ドライヤーとほぼ同等なんですよ」と内田さん。洗濯物を乾燥させるために必要な時間は平均3時間程度なので、一回につき101.25円ほどになるそうです。

[一般的な浴室乾燥機のランニングコスト]
・約33円/1時間
・約101.25円/洗濯もの一回あたり

「脱水具合や湿度、気温などにより乾燥時間は異なりますが、洗濯物1キロにつき1時間が目安。浴室に1回で干せる量の洗濯物なら、コインランドリ―の乾燥機に比べると低コストだといえるでしょう」(内田さん)

電気代を抑えるためのコツ

まずは換気モードで!

脱水直後の洗濯物をいきなり乾燥モードで乾かすのはNG。換気機能の弱い乾燥モードでは、洗濯物から発生する水蒸気で浴室内はサウナ状態になるそうです。しかも、乾ききるまでに時間がかかり、電気代も増してしまうのだとか。

「最初の1時間は換気モードにし、その後乾燥モードに切り替えることが電気代節約のポイントです。ちなみに、換気モードでの消費電力は約30w。一時間稼働しても1円足らずで済みます」(内田さん)

換気モードと乾燥モードをうまく切り替える(画像素材:AdobeStock)

サーキュレーターを併用する

サーキュレーターを併用し、浴室内の空気を循環させることで、乾燥にかかる時間を短縮させることができるそうです。

「サーキュレーターのランニングコストは、1日2時間使用しても1ヶ月に30~40円程度と安価なので上手に活用すればかなりの節約に繋がります」(内田さん)

フィルターやファンの掃除をする

浴室乾燥機のフィルターやファンをこまめに掃除するのもポイントです。ホコリや汚れを放置しておくと機種本来の機能が低下。乾燥までに時間がかかり余計な電気代がかかってしまうそうです。

電気料金のプランに合わせて稼働

電気料金には、時間帯によって料金が異なるプランがあります。

「どんな契約内容かを確認し、夜間料金が安い契約ならば夜間に、日中料金が安い契約ならば日中に稼働すると効率的です」(内田さん)

干し方の工夫も大事

洗濯物をスピーディーに乾かすためには干し方の工夫も大切です。内田さんによると、温風の吹き出し口はほとんどの機種で浴室の天井中央に設けられているため、厚手のものはランドリーパイプの中央に、両端に薄手のものを干すようにすると効率的なのだそう。

「ピンチハンガーを使用する場合も中央に長いものを配置し、V字をイメージして干すのがポイントです」(内田さん)

ランドリーパイプにハンガーを吊るす場合は、V字をイメージして中央に長いものを配置(上写真)。ピンチハンガーを使用する場合もV字型に(下写真) ※内田さん提供

それでは、種類別に干し方のポイントをご紹介します。

バスタオルの干し方

・ピンチハンガーを使って、バスタオルを横長にしてジャバラ状に吊るす「ジャバラ干し」または周囲をぐるりと囲む「囲み干し」にする。
・バスタオルハンガーを利用すれば省スペースにも。
・厚手なので中央に干す。

ピンチハンガーにジャバラ干しにしたバスタオル(上写真)。囲み干しにしてもOK(下写真) ※内田さん提供

シーツの干し方

・スパイラルハンガー(シーツハンガー)を利用する。
・ボックスシーツはハンガーを2本使い、両端をワイシャツのように掛けて干す。バスタオルハンガーならなお好ましい。

ハンガー2本を使って両端をワイシャツのように干したボックスシーツ(内田さん提供)

・洗濯物がシーツのみの場合は、ランドリーパイプ2本に掛けてM字のイメージで干す。

ランドリーパイプ2本にシーツをわたし、M字のイメージで干す(内田さん提供)

フード付きトレーナー、パーカーの干し方

・スラックスハンガーで裾を挟んで逆さ干しにする。
・ハンガーを2本使う。普通にハンガーに干し、フード部分をスラックスハンガーで挟む。

ニットの干し方

・自らの重さで伸びてしまうことがあるのでなるべくネットを使って平干しにする。
・置くタイプの平干しネットなら湯船のへりに乗せて干す。フタがある場合は、その上にバスタオルを敷いて干してもよい。直接温風に当たらない方が縮む心配も少ない
・吊るすタイプの平干しネットを利用する場合は、なるべく布同士が重ならないように形を整える。

ズボン、スカートの干し方

・ピンチハンガーまたはスラックスハンガー2本を使って裏返しにして筒状に干す。ポケットもしっかり伸ばしておくと乾きやすい。

ズボンやスカートは裏返しにしてスラックスハンガー2本を使って干すと乾きやすい(内田さん提供)

シャツ類の干し方

・シャツの襟は立てる、ボタンは開けて干す。

まとめ

予約やタイマー機能もあり便利な浴室乾燥機。換気だけに利用するのは宝の持ち腐れです。
今回紹介したようなポイントを押さえて活用すれば、短時間でもしっかり洗濯物を乾かすことができ電気代の負担も軽減できます。同時に、浴室内のカビ予防にもなりお風呂掃除の手間も軽減にもなり一石二鳥。上手に使いこなして家事の力強い味方にしたいものですね。

【取材協力】
内田 文さん(うちだ ふみ)
時短家事コーディネーター(R)、親・子の片づけマスターインストラクター。
個人宅への片づけサポート業務のほか、企業、市民センター、小学校などのセミナーで快適な環境作りを提案している。家事の時短や定年後の夫との家事シェアーを綴ったブログ、お役立ちYouTubeも好評配信中。メディアにも多数出演し家事情報を提供している。
「ナタリー整理収納サポート」https://natari-support.localinfo.jp
ブログ https://ameblo.jp/fumi-okatazuke/
YouTubeチャンネル名「ナタリー整理収納サポート」