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 長崎の郷土料理である「ちゃんぽん」は、豚肉や海鮮、野菜をたっぷり炒めてスープと麺の上に乗せたもの。ちゃんぽんには「さまざまなものを混ぜたもの」という意味があり、起源は明治時代にも遡るといわれています。

 日本の各地域では「長崎ちゃんぽん」が食べられるお店がいくつかありますが、その中でも本格的な「長崎ちゃんぽん」が食べられると人気なのが、関西・大阪にある老舗『中央軒』です。長崎が発祥ではありますが、こちらの看板メニュー「ちゃんぽん」は大阪の味として長年知られた存在。早速、味わいに行ってきました。

 創業は昭和33年。本店はなんばにありますが、大阪には『中央軒』が数店舗あり、今回は「中央軒 京阪天満橋店」を訪れました。お店の前には「長崎生まれ、大阪育ち」というキャッチフレーズが。創業者が“大阪で食べたちゃんぽんが長崎で食べるちゃんぽんとはまったく違った”ことから、「大阪で長崎のちゃんぽんを広めたい」と始めたのがきっかけだそうです。

色鮮やかでボリューム満点! 「長崎ちゃんぽん」のあふれる旨さを体験してきた

「長崎ちゃんぽん」980円

 現れたのは浅めの器に入ったボリューム満点の「長崎ちゃんぽん」。真ん中に乗った生卵と緑の野菜、細長く切ったピンクのかまぼこがのっていて実に色彩豊か! 入っている具材は12種類もの魚介と野菜。筆者が確認したところでは豚肉、キャベツ、にんじん、ネギ、もやし、玉ねぎ、いか、えび、キクラゲ、あさり、かまぼこが入っていました。

 素材の味が染み込んだ白湯スープは、コクがあってまろやかな口当たり。白濁の豚骨スープとのことですが、ラーメン店で食べる豚骨ほど濃厚さはなくクセがありません。野菜や海鮮の風味が混ざり合い、まろやかさとあっさり感が同居! あまりの美味しさに最後まで飲み干してしまいそうです。

 生卵が乗ったちゃんぽんを食べるのは初めてな筆者。お客さんの中には、生卵を最後に残して味わう人もいるそうですが、著者は野菜や麺に絡ませて食べたい!

 もっちりとした太麺に生卵が絡みまくり、コクのあるスープも染み込んで抜群の美味しさです。トッピングの豚肉や野菜、魚介は炒めただけの素朴な味わいで、やさしい味のスープと一緒に食べると旨さが引き立ちます。

 野菜だけでなく、魚介のイカやキクラゲのコリコリした食感も箸が進む理由のひとつ。もちもちの麺、まろやかなスープ、トッピングの食感など、一皿で楽しめる要素がギュッと詰まっています。

途中で胡椒をプラスしてアクセントを!

 途中、まろやかでコクのあるスープに胡椒をプラスすると、ツンとくるスパイスがきいて味が濃厚に。できれば、最初はまろやかなスープや具材そのものを味わい、途中から胡椒を加えるのをおすすめします。

 ボリューム&栄養満点な『中央軒』の「長崎ちゃんぽん」。まさに一度は味わうべき、大阪伝統の味でした。

(撮影・文◎道面 梓)

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中央軒

http://www.chuoken.com/