EIZO、HDR対応27型制作用モニター2機種発売。ドッキングステーション機能搭載
EIZOは、HDR映像の制作に適した27型のカラーマネージメント液晶モニター「ColorEdge CG2700X」「ColorEdge CG2700S」を、2022年春以降に発売する。希望小売価格はオープン。
ColorEdge CG2700Xは、4K UHD(3840×2160)解像度、ColorEdge CG2700Sは、WQHD(2560×1440)解像度を備えている。両機種はColorEdge CG279XおよびColorEdge CG2730-Zの後継機種で、プロフォトやデザイン、印刷から3DCG、映像制作まで、あらゆるクリエイティブワークに適しているという。
付属のUSB Type-Cケーブル1本のシンプルな接続で、画面表示、USB信号の伝送、PCへの給電、安定した有線LAN接続が可能。CG2700Xは94W、CG2700Sは92Wと、同社モニターにおいて最大の給電能力を備えている。MacBook ProなどのハイエンドノートPCの給電に対応し、ノートPCに高負荷がかかる作業時でも、ノートPCの電源アダプタを用意することなく、作業しながら給電可能としている。
両機種とも有線LANポートを新規に搭載。有線LANポートを搭載しないノートPCやタブレット機器でも、モニターを有線LAN接続しておくことで安定したインターネット環境を利用可能。筐体側面にUSBポートを4端子搭載(USB 3.1 Gen 1: Type-A×2、USB 2.0: Type-A×2)。ペンタブレット、キーボードやヘッドホンなどのUSB機器をモニターに接続して利用でき、近年の USBポートの少ないノートPCにおいて利便性を向上させているという。
CG2700Xは、クリエイター向けの「ColorEdge CGシリーズ」で初めて、27型で4K UHD(3840× 2160)の高解像度を備えている。4K動画コンテンツのプレビューが可能で、デジタルフォトでの高画素画像の確認も快適としている。
放送向けの「Hybrid Log Gamma方式」と、配信・映画制作向けの「PQ方式」、両方のHDR入出力特性に合った表示が可能で、HDRコンテンツの制作・色確認作業に適しているという。「Hybrid Log Gamma方式」は、HDRの国際標準規格であるITU-R BT.2100に、「PQ方式」は、ITU-R BT.2100およびSMPTE ST2084に準拠している。
デジタルシネマ規格である「DCI-P3」の色域を98%カバーする広色域表示を実現。4K/8K放送の色基準となる「BT.2020」に準拠したカラーモードも搭載している。フォト向けにはAdobe RGBも99%カバーしており、sRGB相当の一般的なモニターでは再現しきれない、青空や新緑の色を忠実に再現できるとしている。
入力信号のメタデータに連動して、モニターのカラー設定(輝度・ガンマ(EOTF)・色域)の切替えを自動で行う「Sync Signal機能」を搭載。複数の異なるプロジェクトを同時に進行する際に、手動でカラー設定を切替える必要がないため、設定ミスを抑止し、正しい色表示のもと安心して作業に取り組めるという。
CG2700Xの4K UHD(3840×2160)解像度を超えるDCI 4K(4096×2160)の信号を入力した場合に、左・右・中央と部分的に切り出して表示する「DCI 4Kクロッピング」機能を搭載。DCI 4K で制作されたコンテンツの確認に活用可能。
従来樹脂で成型していた筐体の背面にパンチングメタルを採用。PCへの給電やモニターの高輝度表示時に生じる熱の放熱を、ファンを使わずに効率的に実現している。