埼玉県は東京都心へのアクセスが良く、多くの埼玉県民が都内に通勤しています。埼玉県内にはさいたま新都心を中心とするビジネス拠点も多数存在し、埼玉県内で働く人も少なくありません。

そんな埼玉県ではどのような世帯年収分布になっているのでしょうか。この記事では埼玉県と全国の世帯年収分布を比較しつつ、県内で世帯年収1,000万円を超える世帯の割合が多い市区町村を紹介します。自分にゆかりがある地域はランクインしているでしょうか。

埼玉県内と全国の世帯年収の分布

まずは埼玉県内と全国の世帯年収の分布を比べてみましょう。埼玉県内はすべての世帯だけでなく、単独世帯、子育て世帯も調査しました。

出典:住宅・土地統計調査/平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 全国・都道府県・市区町村

埼玉県の平均世帯年収は全国の世帯年収よりもやや高い傾向です。2015年の国勢調査によると、埼玉県内在住者のうち都内に通勤している人は93万6,000人。このときの埼玉県の就業者数は約348万人なので、4分の1以上の人が東京都内で働いていたことになります。都内の企業で働き、東京都基準での給与を受け取っている人が多いことも、世帯年収が高い一因として考えられます。

出典:住宅・土地統計調査/平成30年住宅・土地統計調査/住宅及び世帯に関する基本集計 全国・都道府県・市区町村 ※世帯人員が一人の世帯

埼玉県と全国の単独世帯の世帯年収分布にはあまり大きな差は見られません。年収300万~700万円未満の単独世帯の割合は埼玉県が多く、年収1,000万円を超える単独世帯は全国平均を下回っています。

出典:「住宅・土地統計調査/平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」全国・都道府県・市区町村 ※ここで言う子育て世帯は「夫婦と子どもで構成される核家族世帯で、夫婦のいずれかが家計を担う世帯」を指します

埼玉県の子育て世帯の多くは年収500万~700万円未満です。全国平均と比較して世帯年収が高い世帯の割合が多く、年収1,000万円を超える世帯の割合は全国平均以下となっています。

埼玉県内の高収入世帯の割合が多い市区町村ランキング

次に、埼玉県内で高収入世帯の割合が多い市区町村のランキングをチェックしてみましょう。ここでは年収1,000万円以上の世帯を高収入世帯としています。

高収入世帯の割合が多い市区町村はどこ?

まずは埼玉県で世帯年収1,000万円以上の世帯の割合が多い地域を紹介します。

出典:「住宅・土地統計調査/平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」全国・都道府県・市区町村

埼玉県で最も高収入世帯の割合が多い市区町村は、さいたま市浦和区です。さいたま市浦和区は埼玉の中心エリアに位置し、人口は2021年1月1日現在で16万6,257人。そのうち就労者は7万2,834人で、勤務地が埼玉県外の就労者は3万1,273人です。浦和市の就労者のうち、埼玉県外で働く人の割合は42.9%にも上ります。地理的にその大半が東京都で働いていると考えてよいでしょう。

出典:「第20回 さいたま市統計書 令和2年版」

浦和区以外の大宮区、南区、和光市、戸田市などは東京に近接している、もしくはアクセスが良い地域ばかりなので、都内通勤者が多い地域では世帯収入が高くなる傾向があると言えそうです。

世帯年収1,000万円を超える子育て世帯の割合が多いのは?

続いて、世帯年収1,000万円を超える子育て世帯の割合についてフォーカスしてみましょう。

出典:「住宅・土地統計調査/平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」全国・都道府県・市区町村 ※ここで言う子育て世帯は「夫婦と子どもで構成される核家族世帯で、夫婦のいずれかが家計を担う世帯」を指します

子育て世帯のうち、世帯年収1,000万円を超える世帯の割合が多い市区町村ランキングの上位はさいたま市の各区が席巻しました。都心からのアクセスの良さに加えて、子育て支援が充実していることから、都心で働く子育て世帯がさいたま市各区に暮らしていると考えられます。

まとめ

埼玉県で高収入世帯の割合が多い市区町村は、さいたま市などの東京都へのアクセスが良いエリアに集中していました。あなたが住んでいる街はランクインしていましたか? 埼玉への移住を考えている人、埼玉県内での引っ越しを検討している人はぜひ参考にしてみてください。