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 立川に昔からある町中華のお店で、インパクトのすごいデカ盛りがあると聞き、やってきたのは『四つ角飯店』。JR立川駅から徒歩6分程度、ランチタイムを外してきたのに、なぜか店の中はほぼ満席。人気のほどが伺えます。

 実は食べに行った日が水曜日。毎週水曜日は水餃子が半額で、5、15、25日は餃子半額の日。ということで、通常のお客さんプラス、水餃子目当てのお客さんも来て、ほぼ満席になっていたようです。

 この店のウリは餃子なのか? と思っていたら「いえいえ、餃子もですが、うちはいろいろあるのがウリなんですよ」と話すのは、4代目店主の高橋淳さん。「餃子、チャーハン、回鍋肉などはよく出ますね。中華そばやタンメンなども、しつこくないように仕上げているので好評ですよ」。

定食メニュー。角煮や回鍋肉などに「おすすめ」のマークが。ニンニクの芽とか、豆腐屋さんの手作り豆腐の麻婆豆腐とか、見ているだけでたまらん!

 そして、「ボリュームがあるメニューとなると、やはり角煮定食ですね」と店主。ということで、「角煮定食」(1100円)に、ゴハン大盛り110円をプラスして注文。水餃子も半額デーだから注文したいけれど、まずは「角煮定食」のボリュームを見てからにします。

 ちなみに角煮は単品注文の場合990円、3~4人前のダブルで1880円。餃子&水餃子は、6個入り各330円なので、餃子・水餃子とも半額の日には165円に。お腹に余裕があれば、ご飯も大盛りにしたことだし、餃子ライスでシメるのもいいよね~、なんて思っていたが、甘かった。ほんと。

え、四角い!?想像以上にでかい衝撃の「角煮定食」1670g

「角煮定食」1100円+ゴハン大盛り110円。角煮は大盛り注文じゃない、通常のサイズ。豆腐より2周りはデカく見える

 待つこと数分、目の前に出てきたのは、四角くて大きな角煮に山盛りゴハン。思わず、角煮も大盛りサイズなんですか? と聞くと「いえ、ゴハン大盛りが+110円で、角煮は通常サイズですよ」。えっ!?

 今までいろんな店で角煮を見てきたけれど、1~2口サイズの四角いのがコロコロ入っているのとか、細長い塊一本~、とかはあったけれど、直方体レベルのデカイ塊は初めて! 早速計測です。

 直径21cmの皿に盛り付けられた角煮は、約13×13cm、高さ約4cm。キクラゲや青梗菜、タレなどを含め692g。そして山盛りゴハンは837g。スープ128g、ザーサイ13gでトータル1670g(全て器の重さを除く)。おそらくですが、ゴハンを大盛りにしなくてもトータル1kg超えていると思います。

ゴハンの高さは約13cm。こんなにマンガ盛りなのに、角煮のボリュームを考えると足りない気がするから不思議

「うちの角煮は、精肉店と話して、赤身に寄せた部位で作っているんですよ」と店主。角煮といえば、脂の層がたっぷりあって、濃厚トロ~リ、なイメージですが、脂身が多いとこのボリュームではもたれてしまうため、最後まで美味しく食べて欲しいと、あえて脂身が少ないもので作っているとのこと。

 ということで、早速一口! しっとりとした角煮は、脂身が少ないせいもあり、全体的にしっかりしています。箸で割るというより、表面から剥がしていく感じ? 繊維に沿って裂けた分をとって口の中に入れると、肉の旨みが一気にジュワッ、そして噛みごたえもしっかり。これは美味しい~! 脂身がないから、しつこくない。とろとろのタレをしっかり絡めてもう一口。そしてゴハン! たまらん!

個人的感覚では5/6が赤身、1/6が脂身、ぐらい。なので咀嚼回数も通常以上。アゴ力も大事

「美味しさのこだわりはよく煮ること。最初に脂身をなるべく削り、醤油、砂糖のバランスを考えて。八角が入っているのもこだわりの一つですよ」と店主。確かに、ほのかな八角独特の香りが鼻へと抜けていきます。添えられているキクラゲはプルプル、青梗菜はトロッとシャキッと。食感の違いがいいアクセントになっています。

 そして時々ザーサイとスープ。口の中がスッキリしてリセットされます。またゴハンを食べて、肉の塊から剥がして口の中に。ムチムチジューシーな肉を思いっきり堪能します。

オンザライス! 角煮単体で味わうのもいいけれど、やっぱりゴハンと一緒に食べるのは外せない~

 食べ始めておよそ1/3程度までいったところで、想定していた通り、アゴがカクカクし始めてきます。しっかりよく噛んで食べているしね。脂身たっぷりの角煮ならトロッと口の中で溶けるかもしれないが、赤身中心の角煮はそうはいかない。しかし、言われた通り脂でドスっとお腹にたまる、とか、口の中油まみれ、みたいなことはない。なので、時間はかかりつつも、パクパク食べ進められる感覚です。

 本当は、ゴハン2:角煮:1ぐらいで食べたいけれど、そうなるとこのボリュームのゴハンがもう一杯必要。2kg超えになっちゃうから無理~。最初に角煮とビールとかハイボールと一緒に味わって、後半になってからゴハンやスープを頼む、時間差攻撃にすればいいのかなぁ。果たして、時間差で持ってきて欲しいってお願いが可能なのかはわからないけれど。そして炭酸でお腹が膨れる心配もあるしと思考を巡らせつつ食べ進めます。

「愛情イコール気配りと思っています。目で見て、味を見て、美味しいものを提供していくよう心がけています」(4代目店主の高橋淳さん)

 後半になると、お腹の満腹感プラス、アゴが疲れ始め、口はもっと欲しいのにスピードがダウン。さっきまで水餃子を追加~なんて考えていた自分の甘い考えを猛反省。なんといってもトータル1.6kg超え。でも美味しいから残したくない! 

 何気なく隣のテーブルを見ると、水餃子+定食を頼んだ人のところに料理が到着。水餃子、ラーメンどんぶりサイズだった! 改めて、頼んでいたら完全に詰んでたと実感。小鉢料理サイズかと思っていたのに、半額デー165円とはいえラーメンどんぶりサイズ。改めて、この店の大盤振る舞いって神がかってるなぁと、隣の席を見ながらしみじみ。

 ちなみに2021年12月現在、自家製XO醤で作る「究極のチャーハン」は期間限定で値下げ中の830円。そして薄切り豚肉の料理は全て、国産の霧島ポークを使用。なので豚肉料理がさらに美味しくなっているとのことです。

 ムッチリジューシーな角煮にプリトロのキクラゲや青梗菜でゴハンがいくらでも進む、絶品の「角煮定食」。あんかけがたっぷりかかっているのもたまらない、大満足のセットでした。次回は、おすすめマークがついていた回鍋肉にするか、麻婆豆腐にするか。できれば1人ではなく、何人かできて、あれもこれも食べたい、注文したいなぁ。近いうちにまた来たいと思う、嬉しい美味しさとボリュームでした!

(取材・文◎いしざわりかこ)

●SHOP INFO

店名:四つ角飯店

住:東京都立川市曙町1-16-5
TEL:042-522-3668
営:11:30~21:30から22:00の間(L.O.21:00)、土日祝~21:00から21:30の間 (L.O.20:30)
休:不定(2021年12月は26日まで営業、2022年1月は5日から営業)