北朝鮮が金正日前総書記の十周忌を悼むため、服喪期間中の「笑顔」を禁止する予定だと報じられました。笑顔のほか、「買物」「レクリエーション」も禁じられます。

North Koreans forced to mourn on 10th anniversary of former leader’s death - Radio Free Asia

https://www.rfa.org/english/news/korea/mourning-12132021210022.html

North Koreans banned from laughing, celebrating birthdays to mark anniversary of Kim Jong Il's death | Fox News

https://www.foxnews.com/world/north-koreans-banned-laughing-celebrating-birthdays-kim-death

報道が検閲されているアジア諸国向けに報道を行っているラジオ・フリー・アジアに対して北朝鮮の情報筋が語ったところによると、北朝鮮は金正日前総書記の十周忌を悼むため、11日間の服喪期間を設けるとのこと。北朝鮮は金日成初代総書記と金正日前総書記の追悼を例年行っていますが、服喪期間は直近に亡くなった金正日前総書記のほうが長めに設定されており、例年ならば服喪期間は金日成初代総書記が7日間、金正日前総書記は10日間とのこと。2021年度は十周忌という区切りの年だったため、服喪期間は例年よりも長くなる予定です。

ラジオ・フリー・アジアは脱北者が語った「例年の服喪期間の様子」についても報じています。この脱北者によると、服喪期間中は酒を飲んだり、笑ったり、レジャー活動を行ったりしてはならず、飲酒・酩酊については逮捕された上で思想犯として扱われるため、「連行されて以降二度と姿を見なかった」とのこと。期間中に家族が亡くなると大声で泣くことが許されず、さらに死体も期間終了後でなければ家からの搬出すら許されないそうです。

金正日前総書記の命日は12月17日ですが、同国の警察官にあたる社会安全員は12月1日から31日まで「追悼の雰囲気を害する人々」に対する取り締まりを強化する予定。この取り締まりは社会安全員に対する「特別な義務」と称されており、匿名の情報筋は「社会安全員は一睡もできないと聞いている」と語ったとのこと。

また、国営企業や市民団体に対しても特別な義務が課せられており、服喪期間中の社会秩序と治安の確保のために、これら企業・団体は住民や従業員に対して食料を供給する責任を負わされています。また同様の理由で、国民は近年増えつつある路上乞食を協力して助けなければならないとのこと。



by Roman Harak

前述のように、金正日前総書記の十周忌の服喪は2021年12月17日から開始する予定。北朝鮮は金正日前総書記の輝かしい生涯を祝うため、写真展や芸術展、追悼コンサート、前総書記の名を冠する「金正日花」の展示に加えて、生前の前総書記を知る50代と60代の退役将校が工場や企業などを訪問して金正日前総書記の偉大さとその業績について講義を行うとのことです。