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REUTERS/Gonzalo Fuentes

アップルなどハイテク企業が一般ユーザーや非公認業者の「修理する権利」を(事実上)制限していることは長らく物議を醸してきましたが、純正部品やパーツ、修理マニュアルまで提供する「セルフサービス修理」プログラムの2022年開始が電撃的に発表されました。この方針転換が、今後iPhoneの売上にどう影響するのか興味深いところです。

アップル製ARヘッドセットまもなく発表?から完全自動運転EVが2025年発売?まで、最新アップルの噂をまとめてお届けします。

iPhone組み立て最大手Foxconn、半導体不足は2022年後半まで続くと予測

Apple

iPhone 13シリーズや新型MacBook Proなど納期が12月中旬までずれ込んでいるなか、アップルの主要生産パートナーである台湾Foxconnが半導体不足は今後半年いっぱいは続くとの予想を発表しました。アップルも第4四半期(7〜9月)決算発表では部品の供給制約により約60億ドルの損失を出していると報告していましたが、当面は打開のメドが立っていないようです。

Foxconnによれば新型コロナ禍のボトルネックが緩和しているためカメラ関連部品の出荷はまもなく正常に戻る見通しの一方で、電源管理チップの供給は引き続きタイトなまま、とのこと。電源管理まわりの供給不足は米国のPC市場でも報告されており、幅広い分野で使われる汎用部品だけに奪い合いとなっているとも思われます。

iPhone 13シリーズの販売は絶好調と見られており、そのためiPadを大幅減産して部品を確保しているとのNikkei Asia報道もありました。「iPhoneのためにiPad部品を転用する」との噂はiPhone 12でも前例があり、やはりアップルにとってiPhoneは最優先すべき重要製品なのかもしれません。

アップルが密かに高収益アプリのGoogle広告を出しているとのウワサ。App Store手数料を稼ぐため?

アップル、「勝手にアプリ広告を出して手数料稼ぎ」疑惑を否定。開発者とは連絡を取っていると主張

Stephen Lam / reuters

米Forbesが、アップルがサードパーティ製アプリにつき密かにGoogle検索広告を購入しているとの噂を報じました。ただしアプリ開発者の公式サイトではなく、App Storeのアプリに直接誘導しているとのことです。

匿名の関係者らは、「アップルがアプリ内課金を促進して、収益を増やそうとしている」「ユーザーにはアプリ開発者のサイトよりも、App Storeで購読料を支払わせた方がより多くの利益を徴収できる」との趣旨を証言。その対象とされるアプリには、過去にアプリ内課金を回避しようとしたブランドが混じっていることもあり、疑惑が高まっていたしだいです。

その数日後、アップルは5年前から自社が販売する製品(サードパーティ製アプリ)を宣伝するために広告を掲載しており、広告主がApp Storeだと明らかにしていると反論。さらに開発者との契約により広告を出す権利を与えられており、しかも開発者と連絡を取っているし感謝もされていると主張しています。

今回の疑惑はひとまず否定された感もありますが、最近App Storeのアプリ内課金に対しては逆風が強まっています。Epicとの訴訟の結果として12月9日までに他の決済システムに誘導できるようにすべしとの命令が下されているほか、韓国でも自社の決済手段を強制することを禁じる法案が可決されており、今後App Storeでの慣行はますます厳しく精査されることになりそうです。

クアルコム、「2023年のiPhone向けモデム供給は20%」と予想。アップル独自開発モデムが投入か

Mike Blake / reuters

最近のiPhone用モデムチップを独占供給しているクアルコムの幹部が「2023年にはアップル製品に搭載されるモデムチップのわずか20%しか供給できない」との予想を発言。そこから、かねてから噂されていたアップル独自開発のモデムチップが2023年のiPhoneに搭載されるとの推測が浮上しています。

アップル社内でモデムチップを開発中との観測は、3年近く前から囁かれていたことです。まさにクアルコムのお膝元で求人リストを出していたり、2019年夏にはインテルのスマホ向け通信モデム事業を買収しています。

また「2023年のiPhoneが独自開発モデム搭載」説は、アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏のほか、英投資銀行Barclaysも述べていたことです。

その続報的に、台湾DigiTimesが2023年iPhone用に開発中の5GモデムはSoCの「A17」(仮称)には統合されないとの見通しを伝えました。iPhone用プロセッサとは独立したチップとすることで、MacやiPadにも搭載しやすくする狙いがあるのかもしれません。

アップル製ARヘッドセットがまもなく発表?大量のAR関連特許申請から

The Information

アップルが何らかのAR/VR製品を開発中であることは、多くのアナリストやメディアが報じてきたところです。そのうちARヘッドセットをめぐる状況が、2014年にApple Watchが発表される直前に似通ってきている(つまり正式発表が近づいている)とモルガン・スタンレーのアナリストが分析しています。

すなわちApple Watch発売前にはiPhoneとの接続機能や歩数の検出、低消費電力のBluetoothなど動作に必須の特許が大量に取得されたように、今年に入ってからヘッドセット関連や、手首に付けるデバイスまわりの特許が次々と申請・取得されているとのことです。

今回のレポートでは、アップル製ARヘッドセットは数々の技術的ハードルに取組みながらも「離陸に近づいている」とされています。かつて有名アナリストMing-Chi Kuo氏は「ヘルメット」タイプが2022年に発売されると予想していましたが、2023年ならば十分に機は熟しているとも思われます。

またKuo氏のほか有料ニュースメディアThe Informaitonも、ヘッドセット型に続いて「より洗練されたARメガネ」が登場するとの見通しを示していました。ティム・クックCEOは退任までにARメガネを送り出したいとの噂もあり、近い将来に動きがあると期待したいところです。

完全自動運転のアップルカー(仮)、2025年発売めざして開発を加速か

Hyundai

今年に入ってアップルカー(仮)の噂はさかんとなっていますが、2025年発売に向けて開発が加速しているとのBloomberg報道です。

Bloombergによれば、アップルは自動車業界を悩ませてきた技術的な課題を解決するため、完全な自動運転技術を軸にプロジェクトを再構成しているとのことです。

しかしアップルが「Project Titan」(自動運転技術あるいはEV開発計画)を練り直したとの噂は、過去に何度もありました。たとえば2018年にテスラに移籍していたダグ・フィールド氏が復帰したかと思えば、そのチームがAI担当幹部ジョン・ジャナンドレア氏の部署に異動されたという具合です。

現在アップルの自動車部門を統括しているのは、Apple Watchソフトウェア担当のケヴィン・リンチ氏と見られています。Bloombergは同氏が完全な自動運転機能を備えた車両を投入し、EV市場にリープフロッグ(最先端技術による飛躍)をもたらすことを狙っていると報じています。

アップルカーは、どういう形で市場に提供されるのか。大手金融モルガン・スタンレーのアナリストは、「ハンドルもペダルもない」(人が運転する余地がない、完全な自動運転)EVはシェアサービス向けであり自家用車ではないはずだと推測しています。

未来を先取りするような完全自動運転EVが数年後に投入されるとすれば、一般ユーザーが手の届く価格に収まるとは考えにくく、道路交通法的にも運用できる地域は限られるはず。まずAlphabet傘下のWaymoにロボタクシー(有料の自動運転サービス)を許可した米カリフォルニアなどで、アップルタクシー(仮)のサービスが始まるのかもしれません。