18歳有権者の投票率は半数超え!衆院選で10代の若者の政治関心高まったか

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先月末の衆議院選挙では、10代の若者たちが意欲的に政治参加している姿にも注目が集まりました。

SNSを通じた呼びかけなどで関心は高まっていますが、依然として進まない“国政選挙のデジタル化”を指摘する声も見られます。

若者の政治関心が高まる

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10月31日に投票が行われた衆議院選挙。時事通信社(※1)の選挙前の報道によると、若者の政治参加意識の高まりを示す調査結果が出ているそう。

日本財団が9月に行った17〜19歳の1000人を対象にした調査では、新型コロナ流行前と比べ、「政治や選挙が自分自身の生活にも影響すると感じる」機会について尋ねたところ、「減った」「少し減った」が計1割超だったのに対し、「増えた」は10%、「少し増えた」は24%という結果に。10代の政治への関心が高まりつつあることを報じています。

国政選挙のデジタル化に指摘の声

この報道にTwitterでは“半ば諦めつつも若者に期待したいな。で、大事なのは「どうせ投票しない」ということではなくて、徒労に終わろうとも「若者も投票してくれる」と期待する事だろう”「実際に今の20代の人達が大挙して投票するようになったら何かが変わるかもしれないですね」と若者世代が政治に興味関心をもつことで大きな変革が訪れるのではないかと期待する声も。

一方で、「若者に投票させたかったらいい加減ネット投票を導入しなきゃ駄目だよ」「期日前は済ませたけど、もういい加減web投票可能にしろと思う。マイナンバーを兎にも角にも安全便利に確立して欲しい。投票を義務化して権利を破棄するものは増税でも良いのでは、とまで思うのだけど」と国政選挙のデジタル化の遅れを指摘する声も見られました。

今回の若者世代の投票率は?

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では、先月末の衆議院選挙を終え、実際の投票率はどうだったのでしょうか?

日テレNEWS24(※2)は、「10月31日に行われた衆議院選挙で、18歳有権者の投票率は51.14%、19歳有権者の投票率は35.04%だった」と報道。

その要因について「SNSを通じ若者に投票を呼び掛ける運動が自然発生的に起こり、初めて投票が可能になった2016年の参議院選挙並みの高い投票率となった」といい、SNSでの拡散等が高い投票率につながったと伝えています。

この投票率の高さに、Twitterでは「素晴らしいじゃない!! 若者たち。 どんどん政治に参加していこ」「最近インフルエンサーが選挙行こうって言ってること多かったからかな?今なら若者をターゲット層にした法案とか出せば、若手の議員さんが当選する可能性も出てくるかも?」などのコメントが。若者世代が積極的に政治に参加していることを絶賛する声が上がっていました。

デジタル化遅れの背景

今回の衆議院選挙での全体の投票率は55.93%で、「戦後3番目の低さ」と言われています。そんな中10代の若者世代に限ってみれば、コロナ禍で政治への関心が高まり、結果的に投票率が前回を上回りました。

若い世代が積極的に政治に参加していく風潮が見られつつありますが、インターネット投票などの国政選挙のデジタル化は未だ進んでいません。今後若者世代の投票率を上げていくには、デジタル化が必須となってくるでしょう。

その背景には、サイバー攻撃や不正アクセスなど「セキュリティ面での不安」が障壁となっているそう。産経新聞(※3)によると、総務省が昨年おこなったインターネット投票の実証実験では、技術面ではクリアしたものの、システムへの不安感は拭えなかったようです。

コロナ禍も相まって、インターネット投票の導入を求める声が増えています。今後デジタル化への移行に積極的に取り組み、若者世代だけでなく、全世代の投票率が上がるような工夫を期待したいです。