「自分の時間を割いてまで行きたくない」7割の企業が忘・新年会開催ナシに世間の声は?

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2021年10月末、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が全面解除されました。

どの地域にも宣言や重点措置が出ていないのは約半年ぶりとなり、長引いた自粛期間の区切りに一息つく空気が街には溢れています。

特に人々の外出自粛の煽りを直接受けた飲食業界は盛り上がっていることでしょう。営業再開を待ち望んだ人たちが飲食店に足を運び、活気が戻っているようです。

7割の企業は忘・新年会を実施しない!?

画像:jazzman/PIXTA(ピクスタ)

営業を再開した飲食店にとっては、これからの季節は企業の忘年会や新年会の団体利用に期待が集まることでしょう。

しかし全国の企業約8,000社に行ったアンケート調査(※1)によると、忘・新年会を「開催しない」と回答した企業は70%以上に達しています。昨年よりは23.8ポイント回復しましたが、感染防止の意識が広がり宴会を控える企業は依然多いようです。

注目したいのが「緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に関わらず関係しない」という意見が多い点です。“会社での大人数宴会”という文化そのものが、コロナ禍のニューノーマル生活をきっかけに見直しが進んでいるのでしょうか。

■忘・新年会に関する世間の反応は?

7割が忘・新年会開催しないという調査結果に対する世間の反応を確認してみましょう。

「嫌な人とはいえ、飲んだ雰囲気で盛り上がれるのは楽しかった思い出です」という忘・新年会肯定派の意見は極めて少数、かつシニア世代のみでした。

多くのTwitterのコメントは忘・新年会の開催には懐疑的なものでした。「会社の飲み会自体好きじゃない。自分の時間を割いてまで行きたくない」や「実際に忘・新年会をやらなくても仕事はまわっていた」など、なかなか皮肉な意見も見受けられます。

“飲みにケーション”はどこへ?

画像:jessie/PIXTA(ピクスタ)

忘年会・新年会は、組織内のコミュニケーションを活性化させるための日本企業独自の文化です。職務主義が進む欧米ではほとんど行われていないものの、職能主義で集団の和を重んじる日本企業では“飲みにケーション”などという造語とともに、昔からチームワーク醸成のためのメジャーなイベントでした。

しかし最近のワークライフバランスを重視する若手世代からはやや煙たいイベントという風潮があるばかりか、アルコールハラスメントと問題視する意見もあります。また企業によっては福利厚生費など企業の経費で開催することもあれば、会社の飲み会に暗黙の“半強制力”的に自腹で参加させられる曖昧な行事でもあるようです。

決して若手世代も会社の先輩たちと飲みに行くことに否定的なわけではありません。ただし、自分の意志で相手や時間、または食べたい食事や感染対策が施された店を選ぶという“選択の自由”が欲しいということでしょう。

新型コロナウイルスをきっかけに今までは慣習的に行っていた忘・新年会以外に、日本企業の誇る“飲みにケーション”は違う形で継承されていくのかもしれません。

【画像・参考】
※1『2021年「忘・新年会に関するアンケート」調査』
※@ojingar_GX・@aozora119268・@cacagoc2_c2/Twitter
※まちゃー・jazzman・jessie/PIXTA(ピクスタ)