ふんわりなめらか食感!「チキンボールときのこのクリーム煮」【秋野菜たっぷり!究極の肉レシピ #4】

ホワイトソースに包まれたふんわりチキンボール

新米の季節がやってきました!この時期、つやつやに輝く白いごはんを思い切り楽しむためにも、おかずのレパートリーを増やしたいという方も多いのでは?「匠のおうちレシピ」では、10月の特集テーマ「おいしい秋、見つけた」に合わせて、新米がすすむ肉料理を紹介します。

レシピを教えていただくのは、肉それぞれの特性に応じた調理法で、多くの肉好きを魅了するフレンチ・ビストロ「マルディグラ」の和知 徹シェフです。

材料(2人分)

調理時間:35分

・鶏ひき肉(もも)……250g
・卵……1個
・まいたけ……80g
・塩……2.5g
・こしょう……小さじ1/4杯
・玉ねぎ……1/2個
・かぶ……90g
・にんじん……1本
・エリンギ……100g
・にんにく……1片
・牛乳……750cc
・強力粉……50g
・バター(有塩)……50g
・和風だし汁……150g
・白みそ……15g
・カレー粉……小さじ1/4杯

下準備

・牛乳を48~50℃に温める
・玉ねぎをみじん切りする
・にんじんを幅1cm程度の半月切りにする
・かぶは葉の部分を2cmほど残し、半分に切る
・エリンギは茎とかさの部分に切り分け、茎は包丁で2~3等分、かさの部分は手で半分にさく

作り方

1. バターを中火にかけ、強力粉を加える

バターを鍋に入れ、中火にかけます。半分ほど溶けたところで強力粉を加えます。

2. バターと強力粉を混ぜながら火を入れる

泡立て器でゆっくりとかき混ぜ、バターと強力粉をなじませます。

「バターと粉がなじむと、黄色っぽい粉の塊になります。中火のまま加熱し、バターに含まれている空気を蒸発させます。鍋底を焦がさないよう気をつけてください」

「粉の塊がホロホロとほどけるように広がって白っぽくなり、ブクブクと気泡が勢いよく出はじめます。このタイミングで弱火にしましょう。

この“もろもろ”とした状態のときは粉っぽい香りがしますが、徐々にクッキーが焼けるような、香ばしい匂いになります」

水分がすっかり抜けてサラサラの状態になりました。ホワイトソースの素(ルー)のできがありです!

3. 温ためた牛乳を加える

鍋に温めておいた牛乳を加え、2と混ぜます。はじめは少量入れて軽く混ぜ、そのあとは3~4回に分けて、混ぜながら加えていきます。火加減は中火です。多少だまができても、かき混ぜ続けるうちに滑らかになっていきます。

「牛乳の温度の目安は48~50℃。ほんのり温めるくらいで十分です。表面に膜が張ったら温めすぎ。膜は牛乳の甘味成分なので、温度管理には気をつけてください」

牛乳を入れ終えたら、塩ひとつまみ(分量外)を加え、沸騰するまで中火で加熱します。底の部分を焦がさないように泡立て器で混ぜ続けます。

「IHの場合は真ん中から温まりますが、ガスはお鍋の端から温まるので、隅の部分を焦がさないように意識して混ぜてください。小さな泡立て器を使うと隅々まで届くのでおすすめです」

4. ホワイトソースを弱火で炊く

沸騰したら弱火にして、じっくりと炊いていきます。ホワイトソースが濃縮し、コクと甘味が出て、とろとろっとした艶やかなソースになります。

5. チキンボールの種を作る

まな板の上に鶏ひき肉を置き、その上にまいたけを置いて、包丁で粗く刻みます。続いて、みじん切りした玉ねぎ、塩、こしょうをのせ、包丁で叩きながら混ぜます。

材料がある程度混ざったら、卵をのせてさらに叩いてまとめます。和知シェフは包丁を2本使って両手でトントンと叩きながら生地をまとめていきました。

「ボウルで混ぜてもいいけど、これなら野菜を切りながら混ぜられるし、手も汚れないし、何より楽しい!今日はみじん切りの玉ねぎを使ったけれど、千切りの玉ねぎをのせて一緒に叩けば、みじん切りの手間が省けますよ」

6. バターとにんにくを熱し、野菜を加える

大きめの鍋にバター(分量外)、にんにくを熱し、にんにくの香りが立ったら、にんじん、かぶ、エリンギを加え、軽く炒めます。全体にバターが回ったらいったん鍋から出します。

「かぶの皮はやわらかいので剥かずに使いましょう。栄養もたくさん含まれているし、煮崩れ防止にもなります」

7. 5を丸くまとめる

チキンボールの種はとてもやわらかいので、強力粉(分量外)をまわりにつけて丸くまとめます。バットに強力粉を敷き、転がしながら形を整えます。

8. チキンボールを野菜を炒めた鍋で焼く

チキンボールの両面を焼きます。崩れやすいのでやさしく扱いましょう。白いソースを汚さないように、表面を少しだけ焼いて固まれば十分です。

9. 和風だしを加える

「和風だしは鰹、煮干し、昆布、椎茸の天然だしの粉末のだしパックでとりました。手軽に、天然素材のだしを取れるので便利です」

10. 野菜とホワイトソース、白みそを加えて煮込む

炒めた野菜を鍋に戻し、ホワイトソースを加えます。

次にホワイトソースの上に白みそをのせ、フタをして弱火で10分ほど煮込みます。チキンボールは崩れやすいので、鍋の中をかき混ぜないようにしましょう。和風だしの効果で焦げる心配はないので、ご安心を!

11. 仕上げに隠し味のカレー粉を加える

金串でチキンボールに火が通っていることを確認し、仕上げに隠し味のカレー粉を加えます。カレー粉、白みそを全体に混ぜればできあがりです。

クリーミーなチキンボールと旬野菜でごはんがすすむ

野菜たっぷりのクリーム煮ができあがりました。ミルキーでコクがありながらしつこくないので、ごはんも、クリーム煮も何杯でもおかわりできそうです。何より、ホワイトソースとともに口の中でとろけていくチキンボールの食感がとても新鮮でした!

「小麦粉を材料にまぶしてから牛乳を加える簡単レシピもありますが、バターと小麦粉にしっかり火を通して、丁寧に仕上げたホワイトソースのなめらかさには及びません。ぜひお鍋いっぱいに作って、素材そのものの味を楽しみながら食べていただきたいです。

かぼちゃ、栗、長ねぎなども合いますよ。みそやカレー粉の量を変えるなどのアレンジをして、ご家庭の味に仕上げてもらえたらと思います」と和知シェフ。

手作りのホワイトソースはだまができてガッカリする確率の高かった筆者も、和知シェフの作り方を知ってからは失敗知らずです。週末やお時間があるときにでも、ぜひ一度お試しください。

さて、11月の「匠のおうちレシピ」は寒い季節にうれしい鍋レシピをお届けする予定です。ご期待ください。


取材協力

店舗名:マルディグラ
郵便番号:104-0061
住所:東京都中央区銀座8-6-19 野田屋ビルB1
市区町村:中央区
町域:銀座8-6-19 野田屋ビルB1
電話番号:03-5568-0222
最寄駅:JR各線 新橋駅 徒歩3分 東京メトロ各線 銀座駅 徒歩5分
営業時間:平日ランチ12:00~15:00 (L.O.14:00)ディナー18:00~00:00 (L.O.23:00)土ランチ12:00~15:00 (L.O.14:00)ディナー17:00~23:00(L.O.22:00)祝ディナー17:00~23:00(L.O.22:00)※2021年10月現在、東京都の要請に伴いランチ12:00~14:00、ディナー17:00~21:00の営業です。
定休日:日曜日

取材・文/古川あや
撮影/宮本信義