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新型14インチおよび16インチMacBook Proに搭載されるチップ「M1 Pro」と「M1 Max」については、なぜか発売前からベンチマーク結果が次々と公開され、驚くべきパフォーマンスを示しています。そうした新チップの能力を深く掘り下げた記事を、海外テックメディアAnandTech社が掲載しました。

この記事によると、M1 ProはM1チップをベースとしているものの、より高い性能を実現するために「1から」設計されているとのこと。これら2つのチップ設計のうち興味深いとされるのは「パワーユーザーが世代的に重要だと考えるアップグレードのほとんどすべてを提供している」という点です。

すなわちCPUコアのピーククロックは3228MHzだが、クラスタ内でアクティブなコア数に応じて周波数が変化し、2つのコアでは3132MHz、3つと4つのコアでは3036MHzにまで下がるとのこと。

そしてM1 ProとM1 Maxに搭載された8つの高性能コアは、実際には4コアのクラスタ×2で構成され、それぞれが12MBのL2キャッシュを持ち、互いに独立してCPUクロックを設定が可能。たとえば1つのクラスタ内で4つのコアを3036MHzで動かしつつ、もう1つのクラスタではコアを1つだけアクティブにして3.23GHzで動作できると説明されています。

またハイエンドのM1 Maxの中身も、GPUとメディアエンコーダーを除いてM1 Proと同じだが、GPUとメモリ帯域幅が圧倒的に差別化されているとのことです。

具体的にはM1 ProのGPUコアが最大16個に対して、M1 Maxは最大32コアと倍増。AnandTechのテストしたM1 MaxではGPUは最大1296MHzで動作しており、これはモバイル用としてはかなり高速であるが、従来のPCやゲーム機のGPUが最大約2.5GHzで動いているのと比べると、まだまだ遅いと評されています。

さらにM1 ProとM1 Maxのユニファイド・メモリや電力挙動、CPUとGPUのパフォーマンスも詳しく分析しています。これらの新型チップは「パワーユーザーを念頭に置いて作られたSoCのように感じられる」とのことで、性能指標は「すべてのベクトルにおいて」向上しているそうです。

総評的には「このチップは、競合他社のノートPC設計を凌駕するだけでなく、最高のデスクトップシステムとも競合している。M1 Maxを上回るにはサーバー級のハードウェアを持ってこなければならないーー一般的には馬鹿げたことだ」とのコメント。要は最上位のデスクトップPCにも匹敵する処理能力をノートPCとして持ち歩ける、無茶な性能を実現しているということでしょう。

それに加えて「新しいチップが達成できる驚異的な性能向上のいくつかは、予想外でした」とも述べられています。M1 Mac3機種のようなお手ごろ価格とはいいがたくはありますが、外出先で動画編集など重めの仕事をこなしたいプロフェッショナルにとっては、最高の相棒となるのかもしれません。

Source:AnandTech

via:MacRumors