Appleがプロユース向けのMacBook Proを次世代のパフォーマンスに引き上げるための独自シリコンとなる「M1 Pro」および「M1 Max」を発表しました。

Appleのイベント - Apple(日本)

https://www.apple.com/jp/apple-events/

Apple Event - October 18 - YouTube

メディアから称賛の嵐を受けたApple初の独自シリコンであるM1チップは画期的という言葉がピッタリのチップです。



驚くべきパフォーマンスと並外れたバッテリー駆動時間を両立することで……



Macを一変させました。



M1チップの登場により、MacはPC市場を席巻することとなりました。そして本日、新たなApple Siliconをティム・クックCEOが発表します。



Appleは長らくプロユーザーに愛されてきた「MacBook Pro」を販売しています。



プロユーザーはアプリケーションの開発や……



映像制作などにMacBook Proを利用しています。



そんなMacBook Proをよりパワフルな端末へと進化させます。



というわけで、新しいMacBook Pro向けに新設計されたApple Silicon初のプロ向けチップが登場。



「Macのために設計された初めてのプロ向けチップ」



それが「M1 Pro」です。



Appleが2020年に発表したM1チップと同じ「M1」の名を冠したチップ。



AppleがIntel製のプロセッサから独自のApple Siliconへ移行した理由は、Macに驚異的なパフォーマンスやカスタムテクノロジー、電力効率などをもたらすため。



M1チップではまさにそれを実現することに成功したため、多くのユーザーから称賛を受けることに成功しました。



しかし、プロユーザーはM1チップ以上のものを必要としています。



そんなプロユーザーのために作られたのがM1 Proです。



これまでのプロ仕様のノートパソコンには電力消費量の大きなCPUとディスクリートGPUが使われてきました。





しかし、2チップアーキテクチャにはより多くの電力と冷却が必要となります。



また、CPUとGPUがそれぞれメモリプールを持っているため、データ通信が低速になるという問題もありました。



M1 Proではプロ向けシステムにはじめてシステムオンチップ(SoC)設計をもたらします。



ベースとなるのはもちろんM1。



メモリインターフェイス幅を2倍にしてより速いDRAMを採用することで、M1 Proは最大200GB/sのメモリ帯域幅を実現。



さらに、最大32GBのユニファイドメモリに対応。



プロセスルールは5nm。



M1の2倍以上となる337億個のトランジスタを搭載。



8つの高性能コアと2つの高効率コアからなる10コアCPUを搭載し……



M1よりも70%高いCPUパフォーマンスを実現。



GPUは16コアで……



グラフィックパフォーマンスはM1の2倍高速に。





業界をリードするメディアエンジンでビデオ処理を高速化することも可能。





高品質コーデック「ProRes」でのビデオ処理をさらに高速化。



わずかな電力で4Kや8Kのムービーを再生することもできます。



こういった細かな点も独自シリコンを採用する利点だそうです。



この他、複数のディスプレイを動作させるためのパワフルなエンジンや……



入出力帯域幅を向上させるThunderboltコントローラーを追加。



他にも盛りだくさんとのこと。



というように、かなり高性能なM1 Proですが、Apple Siliconのパフォーマンスをさらに進化させるために……



もうひとつの新型チップとして「M1 Max」も発表。



M1 MaxはM1 Proの性能を新たな高みに引き上げるものとのこと。



メモリインターフェイス幅はさらに2倍の400GB/s。



M1 Proの2倍ということで、M1と比較すると6倍の帯域幅となります。



さらに、ユニファイドメモリは最大64GBに対応。



トランジスタ数は570億個。



トランジスタ数はM1 Proの1.7倍で、M1の3.5倍となります。



「私たちが今まで作った中で群を抜いて最大のチップ」とのこと。



CPUのコア数はM1 Proと同じく10コアですが……



GPUコア数はM1 Proの2倍となる32コア。



これによりGPUパフォーマンスはM1の約4倍にもなります。



他にも最大2倍速いビデオエンコーディングが可能なメディアエンジンと……



2つのProResアクセラレータを搭載。



これだけの性能を、業界をリードするワット当たりのパフォーマンスで実現します。



「だからM1は画期的なのです」



ここからはM1 ProやM1 Maxの性能を過去にMacに搭載されてきたチップと比べていきます。まず、2020年に登場したM1と比較。M1は電力に対するCPU性能で最新のノートPC向け4コアチップに圧勝し続けています。



これに対して、M1 ProとM1 Maxは更に高いパフォーマンスを発揮します。



8コアのノートPC向けチップを加えるとグラフは以下のようになります。ただ高いパフォーマンスを発揮できる(グラフ縦軸)というだけでなく、ワット当たりのパフォーマンス(グラフ横軸)が格段に優れていることは一目瞭然です。



「M1 ProとM1 Maxの方がどの電力レベルでも高いパフォーマンスを発揮しています」



ピーク時には同じ電力量でノートPC向けチップと比べて1.7倍のパフォーマンスを発揮します。



さらに、ノートPC向けチップのピーク時と同じパフォーマンスを70%少ない電力で発揮可能。



今度はGPU性能を比較。まず、2020年に登場したM1。ノートPC向けの8コアチップの統合型グラフィックスと比べると、はるかに少ない電力で優れたパフォーマンスを発揮しています。



M1 ProではノートPC向けの統合型グラフィックスと比較して7倍以上のパフォーマンスを発揮。



M1 Proは、パワフルなディスクリートGPUを搭載したノートPCと比べても、より優れたパフォーマンスを70%少ない電力で実現可能です。



電力を大量に消費する高性能なディスクリートGPUを備えたプロ仕様のノートPCは、膨大な電力を消費するため……



ファン音がうるさく、バッテリー駆動時間は短くなります。



しかし、M1 Maxならば40%少ない電力で同等のパフォーマンスを発揮可能。



市場に存在する最速のノートPCで稼働するチップとM1 Maxを比べると……



ノートPCのチップは高速ですが膨大な電力を消費します。



M1 Maxは同等のパフォーマンスを100W少ない電力で発揮可能。



また、M1 Maxはコンパクトなプロ使用ノートPCのバッテリ駆動時と比べて2.5倍の性能を発揮します。



ハイエンドノートPCとバッテリーの駆動時のGPUパフォーマンスを比べると、3倍以上の速さを実現。



というわけで、M1 MaxはAppleが作ってきた中でも群を抜いて有能なチップとのこと。



さらにApple Siliconに合わせてmacOSを設計することで、ユーザーの体験を新しいレベルに引き上げることに成功しています。



「全てが驚くほど速く反応がいいのです」



アプリケーションは瞬時に起動可能で、スリープの解除も非常に高速。



これはマルチスレッドタスクをCPUコアに割り当てる方法を最適化することで実現しています。



電力管理機能も向上しており、高性能コアと効率コアを賢く使い分けることで、高いパフォーマンスとバッテリー駆動時間の長さを両立します。



macOSはM1ファミリーのユニファイドメモリアーキテクチャを活用できるように設計されているため……



プロ向けアプリケーションでは大きな画像やビデオストリームを処理し、それらをコピーせずにCPUとGPUの間で移動できます。



さらにCore MLの最適化によって機械学習モデルの処理速度がCore i9搭載MacBook Proと比べて3倍以上高速になっています。



機械学習モデルによっては20倍高速に処理可能です。



M1 ProとM1 Maxはセキュリティ面でも業界をリードしています。



例えば、ハードウェア認証によるセキュアブートやランタイムのエクスプロイト対策技術、全てのファイルに対するインライン暗号化などに対応。



Apple製のアプリケーションは全てApple Siliconに対して最適化されているため、ネイティブに動作可能。



そしてIntelベースのアプリケーションは、Rosetta 2を介して軽快に動作します。



Rosettaで動作させた場合でも、MealなどのmacOSテクノロジーを呼び出すアプリケーションはApple Silicon向けの最適化によって速度が向上。



iPhoneやiPad向けのアプリケーションをMacで動作させることも可能です。



アプリケーションをネイティブ動作させるための再コンパイルもできます。



Appleのプロ向けアプリケーションは全てユニバーサルです。



さらに、プロ向けアプリケーションにM1 ProとM1 Max上でのパフォーマンスを向上させるアップデートを提供予定とのこと。



Logic Proでは空間オーディオミックスをノートブックで作成可能に。



Final Cut Proではオブジェクトトラッキング機能のための映像分析が最大5倍高速に。



CompressorではProResのビデオトランスコードが最大10倍高速に。



Appleだけでなくサードパーティーデベロッパーの多くもApple Siliconに対応したアップデートを実施しており、対応したユニバーサルアプリケーションやプラグインの数は1万以上です。



対応アプリケーションにはLightroom ClassicやCinema 4D,Capture One、Sletchなどさまざまです。



Apple Silicon対応アプリケーションの豊富さをアピールすべく、Appleはデベロッパーからの声を届けるムービーを公開しています。

Pro apps. Pushed to the max. | Apple - YouTube