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 東西線の行徳駅から徒歩5分ほどの場所に、大盛り、デカ盛りラヴァーなら必ず行くべき! という店があると聞き、向かったのは『とんかつ専門店 しのざき』。店名でわかるように、カツを始め揚げ物が評判のお店です。

 一番人気は「ロースカツ」(800円)。そして店内にある漫画を食後に読んで、まったりして帰っていくのがお約束とのこと。食後の満腹になった状態で漫画を読んだら眠くなりそうだけれど、きっとランチタイムの憩いの時間、なんだろうなぁ。どんな漫画があるのか、ラインナップも気になります。

メニュー表。ロースカツ、串カツ、バラカツ、ヒレカツ、エビフライなど17種類からセレクト可能

 席について、まずはメニューをチェック。まず目についたのは、シングル、ダブル、トリプル定食。16種類のメインディッシュから1~3つを選ぶ方式で、カツ8種のほか、白身魚やイカのフライ、鶏の唐揚げ、豚肉の生姜焼きや味噌焼きなども。これだけあると、どれか一つを選ぶのは悩むなぁ。ダブルやトリプルにしたくなる気持ちもわかる。ただし、食べ切れれば、だけれど。

 しかし、メニューの下には「残った料理はお持ち帰りOKです」の文字が。それなら、安心して好きなものを注文できる! ということで「トリプル定食」にして、ジャンボチキンカツ、ロースカツ、エビフライの3つで決定。欲張りすぎのような気もしますが、ワクワクしながら出てくるのを待ちます。

約1.9kgの黄金色の山!テンションの上がる「トリプル定食」1600円

レモンが小さいわけじゃない、カツやフライがデカイ! 「トリプル定食」1600円。ライス大盛りは+100円

 目の前に置かれた「トリプル定食」。ファーストインパクトがすごかった。ビッグチキンカツはその名の通り本当にビッグだし、エビフライは4本もあって立っているし!

 早速計測です。直径26cmの皿に盛り付けられたカツ&フライの山は高さ13cm、重さは949g、直径16cmの器に盛られたゴハンは662g、味噌汁は232g、キムチは41g。トータル1884g。小鉢のタルタルソースを合わせたら、1.9kgです。

手前がロースカツ、後ろがビッキチキンカツ。キャベツを背にエビフライが立っている状況。ホントに山!

「ジャンボチキンカツは揚げる前で220g以上、ロースカツは125g、エビフライはLサイズが4本ですね。味噌汁は豚汁またはなめこの味噌汁のどちらかを選べますよ」と話すのは店主の生源寺達也さん。今回選んだのは具沢山な豚汁。赤味噌、こってり系の旨みたっぷり汁です。

「うちはいわゆるガッツリ系の店。自分が行きたくなるような店ですね。サラリーマンの人たちがお昼に食事して漫画を読んでゆっくりして帰っていく。だから満席でも静か。漫画喫茶のように利用していただいているんですよ」。お客さんの9割が男性。なので漫画の品揃えも男性誌で連載されていた名作が多く並んでいます。

ロースカツオンザライス。衣の色が黄金色なのもこの店の特徴の一つ

 そもそも、なんでこんなに大盛りになったんですか?「実は前職がトラックの運転手だったので、いろいろなところで食べていたんですが、1人前だと足りない、ゴハンがお代わりできないお店が多かったんですよ。なので、うちでは絶対満足してほしい、お腹いっぱいになってほしい、という気持ちからですね」。

 いろんな土地に行っていろんなものを食べてきたからこその、デカ盛り、そして大喰いさんたちへの愛が詰まっています。確かにトラックの運転手さんって、安くて盛りが良くて美味しい店を知っている人が多い気がする。

 元々定食で提供していたのはダブルまでだったそうですが、「ダブル定食」では足りない、というお客様のリクエストで「トリプル定食」が誕生したとのこと。ダブルで足りないって? おそらくダブルでもビッグチキンカツとか選んだら、1kg超えすると思います。

約1.1kg!「プロレスラーもびっくり!」のキャッチに相応しい「大盛りカツカレー」1000円

「大盛りカツカレー」1000円。+400円で生姜焼きなどもう一品プラスすることも可能。キャベツなど含めトータル1340g

 そして、メニューを見てもう一つ気になっていたのが「プロレスラーもびっくり!!!」とキャッチコピーがついた、ゴハン2倍、カレー2倍の「大盛りカツカレー」(1000円)。直径22cmの器に高さ約10cmのカツカレーは重さ1110g。黒い器に入った追いカレーは121g、キャベツの千切りは78g、福神漬け31gを足すとトータル1340g。

 確かに、プロレスラーの皆様、またはプロレスラーの方並みにガタイのいい人にオススメのカツカレーと言えそうです。

追いカレーは最初にかけるか途中からにするか。ソースをかけてカレー抜きで楽しむか。1kg超えだから色々味わうのも楽しみ

 野菜が溶け込んだカレーに、ゴハンを覆うかのようにロースカツ8切れ。トータル1340gもあって1000円はかなりコスパがいいかも。しかもカツは揚げたてサクッとジューシー。衣は大きめでサクサク、そして中はやわらかジューシー。絶妙な火の通し方です。残した分は持ち帰り可能とは言え、出来立てを熱いうちに食べ切りたい!

 そして素朴な疑問。「トリプル定食」も、こっちの「カツカレー」も、衣の色が上品なきつね色。おそらくこだわりがあるんですよね? 「うちの揚げ物は、低温でじっくり揚げて、余熱で火を通しているんですよ。あとは常に綺麗な油で揚げていることですね」。低温でじっくり、余熱仕上げ。だから中の肉がふっくらしているんですね。

薄切りカツのボリュームは公式100g。なんだけれど、実際はもっとある気がする。肉質柔らか

 さらに質問。デカ盛りを完食するのにオススメの方法ってありますか?「え~。みなさん普通に食べているから、攻略法とかは特にないですよ」。ないのか~っ! そもそも、食べに来るお客さんの半分が「シングル定食」、「トリプル定食」も1日に10人ほどが注文するので、当たり前になっているそう。当たり前が1.9kgって、かなりすごいことなのに~! おそらくですが、市川市や浦安市の大喰いさんたちが、集まっている店のような気がします。

 お店で1日に炊くゴハンは三升炊きのおかまで2回半、とのこと。ってことは、7.5升。単純計算で、約24kgが1日で消えていくってこと? 「ゴハンは1人前300gなので、半ライスで頼む人も結構多いんですよ」。ちなみに、大盛りは100円プラスで、半ライスだとマイナス30円になります。

「ガッツリ系の店ですが、シングルだとそんなにガッツリじゃないので、大盛りは無理、という人でも是非食べにきてください」(店主の生源寺達也さん)

 想像を超えるボリューム感と美味しさ。で、最初は調子よく食べ進めていたものの、やはり揚げ物です。突然満腹感がやってきて、完食できずギブアップ。店主に謝りつつ、お持ち帰り用のパックをもらって自分で詰めていきます。食べ切れなかったカツは家で卵とじにするか味噌カツにするか。楽しみではあるけれど、やっぱり揚げたてを食べ切りたかった~!

 今回はロースカツ、ジャンボチキンカツ、エビフライの3つにしたので、次回はヒレカツと唐揚げと豚の生姜焼ききのトリプルにしようかなぁ。それともヒレ4枚、エビフライ2尾、コロッケ1つ、白身魚フライ1つの「ヒレミックス定食」(1200円)にするか。次回はもっともっと、限界までお腹をすかせてから食べにきたいと思います!

(取材・文◎いしざわりかこ)

●SHOP INFO

店名:とんかつ専門店 しのざき

住:千葉県市川市行徳駅前3-7-15
TEL:047-356-0829
営:11:30~14:00(L.O.)、18:00~23:30(L.O.23:00)※緊急事態宣言期間中はランチ営業のみ
休:土曜