「ご当地大学芋」をお取り寄せ!あなたはカリカリ派?それともしっとり派?
あなたが知ってる大学芋はどれ?マニアが教えるご当地大学芋の種類
秋といえばさつまいも。さつまいもといえば大学芋!近年、全国的に大学芋専門店が増えており、じわじわと人気が広がっているんです。
みなさんは、“大学芋”といえばどんなものをイメージしますか?蜜がたっぷりかかったしっとりタイプ、飴でコーティングされたカリカリタイプなど。いろんな大学芋がありますが、実は地域によって特徴があるそうなんです。
毎日ほぼ欠かさず大学芋や芋菓子を食べるという奥野さん。これまで全国の大学芋専門店を訪ねたり、お取り寄せしたりして、約70社以上もの大学芋を食べたそう。奥野さんが食べたことのない大学芋は、この世に存在するのでしょうか……。
「実は大学芋って、地域によって特色がまったく違うんです。さつまいもの品種、切り方、コーティングの種類など、アイデンティティはさまざま。ひとつとして同じ大学芋は存在しない、まさに十芋十色です!」
大学芋にも地域ごとに個性があるとはおどろきですね。そこで、特徴がわかりやすく、お取り寄せもしやすい関東・中部・関西の3つのエリアに分けて、各地域の大学芋の特徴と魅力について詳しく伺いました!大学芋を使った絶品アレンジレシピも必見です。
【関東編】たっぷりの蜜が特徴的!丸形のしっとり大学芋
「関東の大学芋には歴史があります。大学芋という名前の由来は、関東の大学生が好んで食べたから、という説もあるほど。※諸説あり
また茨城や千葉など、関東にはさつまいもの名産地が多くあり、紅はるかや紅あずまなど甘味の強いさつまいもが獲れます。しっとりとした食感で甘い蜜によく合うため、関東では大学芋という料理が根付いたとも考えられます。
芋の切り方は丸形、乱切り型、輪切り型が主流で、とろとろの蜜をたっぷりと絡めて味わうのが特徴です。そんな大学芋激戦区の関東から、おすすめの2店舗を紹介します!」
関東エリアでおすすめのお取り寄せ大学芋
おいもやさん興伸の「大学いも」
「とろとろの蜜がからんだ、丸形の大学芋が特徴のおいもやさん興伸。丁寧に面取りされたさつまいもは、コロンとしたかわいいフォルムで、口当たりがいいんです。
老舗芋問屋として歴史もあるおいもやさん興伸。芋の品種にこだわり、常時2種類のさつまもを使って、食感の違う大学芋を作られています。特に今の時期はホクホク感の強い新芋を使っているそうなので、ホクホク系大学芋が好きな方は必食です!」
川越いわたの「いわたの大学いも」
「さつまいもの町と称される、埼玉県川越市。レトロな町並みが観光地としても有名ですが、川越いわたの大学芋は食べ歩きグルメとして人気です。
こちらの芋は、おでんの大根のような珍しい輪切りタイプ。甘さ控えめのさらっとした蜜が芋の中までしみていて、どんどん食べられるので気づいたらなくなっています(笑)。大学芋とセットでお取り寄せできる、さつまいものチーズケーキも絶品ですよ」
【中部編】カリッ!ジュワッ!飴のカリカリ食感がたまらない大学芋
「とろとろ(液状)の蜜がからんだ関東の大学芋とは異なり、飴のコーティングが主流となる中部エリアの大学芋。パリパリ、カリカリとした食感が特徴です。そもそも中部の大学芋は関東のルーツとは異なり、独自の文化のなかで発達してきたと考えられています。
中部エリアからは、厳選した1店舗をご紹介します。飴タイプのカリカリ大学芋が好きな方は必見のお店です!」
中部エリアでおすすめのお取り寄せ大学芋
福陽食品の「名古屋お芋嬢」
「名古屋嬢のおちょぼ口でも食べやすい、がコンセプトの福陽食品の大学芋。小さめにカットされた芋に、しっかりコーティングされたカリカリの飴が特徴です。飴を絡める際、芋同士がくっついてしまうことを防ぐため、芋を振動させるオリジナル製法によって作り出されたひと品。
お皿に落とすとカランっ!と音がするほど、しっかりと飴がコーティングされていますが、カリッと噛んだとたんに溶けてしまう、不思議な食感。ダイヤ・クリスタル・スティックと、芋の切り方が違う3種類の大学芋があり、食感の違いをぜひ楽しんでください」
【関西編】食べ歩き文化ならでは!スティック状の大学芋
「屋台や食べ歩きの文化が発展している関西では、大学芋も食べ歩きができるようなスティック状が主流。また、関西では大学芋を“中華ポテト”と呼ぶことがあります。これは、関西の大学芋が『バースー』と呼ばれる中華料理に由来しているからと考えられているんです。
関西のさつまいもといえば、四国の鳴門金時。鮮やかな黄金色と強い甘味が特徴です。関東や中部とは異なる進化を遂げた関西の大学芋から、2店舗をご紹介します」
関西エリアでおすすめのお取り寄せ大学芋
らんらん大阪の「蜜ポテト・飴ポテト」
「鳴門金時の最上級といわれる『さとむすめ』を使用した大学芋。蜜ポテトと飴ポテトの2種類があり、どちらもおすすめです。
蜜ポテトはどっぷりと蜜に漬け込んだ、なめらかでケーキのような大学芋。ひと口かじると、カラッと揚がった芋から蜜がジュワ~っとあふれだしてきます。飴ポテトはより関西らしい拍子木状。甘い芋とカリッとほろ苦い飴のハーモニーが絶妙です。食感の違いを楽しみながら、食べ比べてみてはいかがでしょう」
嶋屋の「名物ポテト」
「ホクホク感を存分に味わえるよう、大きめのスティック状にカットされた嶋屋の大学芋です。通常、蜜の材料には水飴を使うお店が多いですが、嶋屋は氷砂糖を使用。あっさりと上品な甘さで、いくらでも食べられます。
買った当日はホクホクとした食感で、翌日に食べるとしっとりなめらかな食感に。2度おいしい大学芋です」
まだそのまま食べてるの?マニアいちおしの大学芋アレンジ
毎日大学芋を食べているという奥野さん。そんなに食べていて、飽きないんですか……?と、愚問を投げかけたところ思わぬ情報をゲットしました。
「わたし自身、大学芋に飽きることはありません。でも、大学芋っていろいろなアレンジが楽しめるんですよ。以前、大学芋専門店の方に教わったいちおしアレンジ方法を2つ伝授します!」
1. 衣をつけて揚げるだけ!大学芋アンダギー
「大学芋にホットケーキミックスの衣をつけて揚げてみてください。もう、食べる手が止まらなくなりますよ!カロリーのことは、ひとまず忘れていただいてOKです(笑)。
大学芋愛協会として、冷えた大学芋は再加熱して食べることを推奨しているのですが、油で揚げることでその手間が省けます。天ぷらの衣をつけて揚げてもおいしいですよ」
2. 甘じょっぱさがたまらない。大学芋のチーズ焼き
「ふたつめは、大学芋の上にチーズをのせ、トースターでこんがり焼くだけの簡単レシピ。大学芋をトースターで加熱するとホクホク感が増します。大学芋の甘さとチーズの塩っぱさがマッチして、エンドレスで食べられちゃいますよ」
奥深い大学芋の魅力。あなた好みの大学芋は?
大学芋は、各地域の特色や収穫されるさつまいもの特徴によって発展し、食文化としてしっかり根付いていることがわかりました。同じお店でも、季節ごとにおいしさが変わると奥野さんはいいます。
「専門店の方々は、そのとき収穫されるさつまいものおいしさを、最大限に活かす方法を熟知しています。季節ごと、その年ごとにも味わいが変わるからこそ、何度でも食べたくなる魅力が大学芋にはあるのかもしれません」と奥野さん。
まだ旅行を楽しめるまでには時間がかかりそうですが、ぜひご当地の大学芋をお取り寄せして、その地域ならではの秋の味を感じてみてはいかがでしょうか。あなた好みの大学芋が、きっと見つかるはず。
取材・文/鎌上織愛