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 人気スポットの中目黒と学芸大学の真ん中にある祐天寺駅。『来々軒』やもつ焼き『ばん』など、大人好みの名店もありつつ、ローカル感が漂う落ち着いた街の雰囲気が魅力です。

 祐天寺駅南改札を出て住宅街を300mほど行くと、手作りハム・ソーセージ工房『マルニハム』が見えてきます。本場ドイツで習得した製法に、創業当時から守り続ける独自製法を組み合わせ、日本人の舌に合うオリジナルのハムとソーセージを製造しています。

金曜には行列も必至!? 家族で丁寧に作り上げる唯一無二の存在

 1階が工房、2階が直売所で、開店時間に行くと比較的スムーズに買い物ができますが、茨城県の銘柄豚「ローズポーク」の精肉を販売する第2、第4金曜日は、行列ができるほど大盛況なのです。

右が富樫甲斐さん

 ショーケースに並ぶ商品は全て、午前中に1階の工房にて手作業で製造されます。作り手は富樫さん家族。合成保存料、着色料、防腐剤などの添加物を使用せず、アミノ酸もフリー。肉本来の美味しさを楽しめる仕上がりです。

 ソーセージは羊の天然腸にたっぷり詰めた後に、くるりとねじって成形。桜のチップを入れた燻製機からはすでに胃袋を刺激する良い香り! じっくりと燻したら完成です。

 創業は1990年ですが、直売所は2013年の東日本大震災をきっかけに「地元の人にも還元していきたい」という思いから始められたそうです。そのため、業務用で卸していた商品をほぼ同じ価格で販売。一番安価な「ヘルシーソーセージ」や「チョリソー」は、5本入りで118円(以下、全て税込)という驚異的な安さを誇ります。

 最近は晩酌需要の高まりから、おつまみにも力を入れているそう。仕事帰りと思しきスーツを着た男性が、晩酌用に1~2個選ぶ姿も見られました。そこで、富樫さんに晩酌におすすめの商品を見繕っていただきました。

ジューシーで肉肉しい! 晩酌に欠かせない「定番ソーセージ」3種

 まずは、定番人気のソーセージ3種類を食べてみました。鶏肉で作られた「ヘルシーソーセージ」、ドイツ直輸入の香辛料で作られた「ゲブルツソーセージ」、ピリッと刺激的な「チョリソー」です。

 ソーセージは粗挽きと細挽きの2種類を合わせることで、ジューシーな食べ応えに仕上げています。例えるなら、ハンバーグのような肉肉しさ。羊の天然腸のプリッと弾ける食感も心地よい一品です。

 噛みしめるほどに、肉汁があふれ出てきます。スーパーで売られているような加工品っぽさがなく、肉本来の美味しさと良質なスパイスの風味を楽しめました。

リピーター続出中!? 「餃子ソーセージ」が絶品すぎる

 次は生ソーセージの「ローズポークの岩塩生ソーセージ」(295円)と、「餃子ソーセージ」(310円)の2種類をいただきます。非加熱商品のため、まずは鍋で湯がき、仕上げにフライパンで表面を炙ったら完成です。

 リピーター続出中という「餃子ソーセージ」から。餃子と同じように醤油やラー油につけて食べるのがおすすめとのことですが、今回は醤油を垂らしたソーセージエッグ丼にして食べてみました。これがもう、めちゃくちゃ旨い!

 形はソーセージですが、味は紛れもなく餃子なのです。天然腸のパリっと小気味の良い食感とともに、薬味のきいた特製の肉餡から肉汁があふれ出しました。ご飯がしっかり肉汁を受け止めてくれるので、ただの白いご飯も最高のごちそうに変わりました。

「ローズポークの岩塩生ソーセージ」は脂がとろけるように甘く、肉の美味しさを味わえます。メインディッシュとしてじっくり味わいたい一品です。ハイボールやレモンサワーと合わせたいですね~。

最高のおつまみになる3選はこれ!

 最後はおつまみ類のおすすめとして、「チキンの山賊焼き」(100g 240円)、「スモークボンレスハム」(320円)、「砂肝くん」(345円)の3種類をいただいてみました。

「チキンの山賊焼き」はキリリと胡椒のきいていて、滑らかな舌触りが特徴。「スモークボンレスハム」は、燻製の心地よい香りが鼻腔を抜けていきます。そのままいただく他、少しフライパンで炙ってみると、ポークステーキを食べているかのように肉感たっぷり!

「砂肝くん」は、程よい噛み応えと強めのスモーク感が大人好みの一品。次から次へと手が伸びて、自制が効かなくなるほど虜になりました。

 これまでの食肉加工品のイメージが変わるほど、「ソーセージってこんなに美味しかったのね」と大感動! 今晩のおつまみをゲットしに、『マルニハム』へぜひ足を運んでみてください。

(撮影・文◎亀井亜衣子)

●DATA

マルニハム

住:東京都目黒区中町2-48-24
TEL:03-3712-3300
営:10:30~17:30
休:土・日曜
https://maruniham.com/