「ワクチン予約」偽サイトに誘導するメール、ネットで複数報告 厚労省「アクセスしないで」

8月29日頃から、「自衛隊 大規模接種センターの概要　予約サイト案内（予約・受付案内）」との題名のメールが個人宛に届いたとの報告がツイッターなどで複数あがっている。

ツイート内容などによると、「自衛隊大規模接種センター」が差出人となっているメールが届き、メール内にあるリンク先では、厚生労働省のホームページでワクチンの接種案内をしている「コロナワクチンナビ」に類似した作りのウェブサイトが表示されるという。

もっとも、記載されているリンク先のドメイン名が政府機関のサイトのドメイン名「.go.jp」ではなく、単に「.com」となっているようだ。上記サイトで予約しようとすると、クレジットカード情報の入力を求められるという。

厚労省予防接種室の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「ワクチン接種の予約等について、厚労省から個人宛に直接メールで連絡することはない」と話す。リンク先で表示されるウェブサイトも「厚労省とは無関係」だという。

厚労省は、今回の事態をすでに把握しており、「サイバーセキュリティの部署などに通報が入っており、まもなく対策がとられる見込み」（担当者）だといい、「リンク先へのアクセスは絶対にしないで」と注意を促す。

今回のメールは、クレジットカード情報などを盗み出そうとするフィッシング詐欺である可能性が高い。一部自治体などでワクチン接種の予約がなかなかできないという状況に付け込む悪質な手口といえる。

消費者庁では、新型コロナワクチン詐欺等の便乗悪質商法について注意喚起をしており、今後も、今回のようなメールが届く可能性は十分ある。ワクチン接種に関するメールを安易に開かないようにし、仮にアクセスしてしまった場合でも個人情報などを入力しないよう、引き続き注意する必要がある。