宮島で受け継がれる宮島彫りの伝統工芸士、廣川和男さんが亡くなりました。

「時々習性で昔のように繊細な彫刻はできないけど、つい(彫刻刀を)持ってしまうんです」

最後の展示会を終え入院する直前の6月、まだ彫刻刀が手放せないと話していました。

廣川和男さんは島で唯一の伝統工芸士。宮島で生まれ育ち半世紀近く宮島彫りの職人として生きてきました。

2人の弟子の育成にも力を入れていましたが3年前、すい臓と胃にがんが見つかりました。

手術は成功しましたが今年3月がんが転移したことで体調が悪化し23日に亡くなりました。78歳でした。

入院先の病院でもペンとスケッチブックを手放さず、80枚もの絵を描いたということです。