各地で消えていく「マリン」のついたレジャー施設

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神奈川県にある水族館「京急油壺マリンパーク」が、2021年9月30日で閉館する。5月12日に運営元の京浜急行電鉄が発表した。

昭和から長年、人々を楽しませてきたレジャー施設が2010年代以降、続々と閉館している。共通しているのは、老朽化と「マリン」という名前だ。

「これ以上の維持管理は困難」

「京急油壺マリンパーク」は、今から53年前の1968年4月に開業した。当時は「東洋一」といわれた大回遊水槽などが特徴だった。しかし、半世紀以上経ち、建物の老朽化が著しく、これ以上は維持管理が困難との理由で閉館する。

ツイッターには、最後に行きたいがコロナで難しいとの嘆きや、幼い頃に行った際の思い出を投稿する人が目立つ。いずれも閉館を惜しむ声だ。発表を受けて、21年3月末で営業を停止した三重県志摩市の水族館「志摩マリンランド」を思い出す人も。

「京急油壺マリンパーク」と同じく施設名に「マリン」が付いており、閉館理由は「建物・設備の老朽化が著しく、これ以上の維持管理は困難であると判断」したためだった。1970年の開館から、約51年間の歴史に幕を下ろした。

88年間地元から愛された水族館

「マリン」がついた名前で長い間、運営を続けてきた水族館は少なくない。

宮城県の「マリンピア松島水族館」は、1927年4月1日に開館、2015年5月10日に施設の老朽化などを理由に閉館している。88年もの長い間、地元の人から愛された水族館だった。「仙台経済新聞」(電子版)は2015年5月11日付記事で、「存続を望む声が県内外から寄せられたが、特別名勝である松島には建築上のさまざまな規制があり、同所でのリニューアルがかなわなかった」と報じている。

千葉県の水族館「犬吠埼マリンパーク」は、1954年7月に「銚子水族館」の名称で開業、1963年に「京成マリンパーク犬吠埼水族館」と名前を改め運営されてきた。しかし、施設の老朽化などを理由に2018年1月に閉館した。

産経新聞(電子版)は19年8月1日付の記事で、同施設が再開に向けて今月から補修工事を始める、と伝えている。ただ、具体的な再開時期は未定とし、21年5月12日現在も再開の知らせはない。