大阪府からの借入金を1度も返済できず

南大阪食肉市場(株)(TDB企業コード:570015432、資本金1億2300万円、大阪府松原市河合6−75、代表清算人村上幸春氏)は、3月12日に大阪地裁堺支部へ自己破産を申請し、同月25日同支部より破産手続き開始決定を受けた。

 申請代理人は小野昌史弁護士(大阪市北区西天満4−4−18梅ヶ枝中央ビル4階、小野昌史法律事務所、電話06-6361-8086)。破産管財人には川瀬まやな弁護士(大阪市中央区難波3−7−12GP・GATEビル7階、塩路法律事務所、電話06-6634-5881)が選任されている。
 財産状況報告集会など各期日は6月22日午前10時30分。
 
 当社は、1973年(昭和48年)4月に競り市の充実を目的に設立された事業体を、79年(昭和54年)6月に松原食肉荷受(株)の商号で法人改組したもので、設立当時は大阪府と松原市が加わった第三セクターである(株)松原食肉市場公社(TDB企業コード:570158696)が運営する食肉市場における荷受業務を担っていた。同社が経営難から解散・清算されたことから2002年7月に市場の設置運営業務などを継承し、南大阪食肉市場の運営を行うようになった。同年9月には羽曳野市食肉地方卸売市場を統合、公益社団法人日本食肉市場卸協会に加盟する全国28市場の内の1社(現在は脱会)として高い知名度を有し、2006年3月期には年売上高約101億8000万円を計上していた。

 しかし、その後は取扱数量の落ち込みにより売上高は減少し、2012年3月期の年売上高は約59億200万円にまでダウン、収益は安定せず赤字決算が続いたことから財務面も債務超過に転落していた。資金繰りは厳しく、業務継承時に大阪府から借り入れた無利子融資は2013年4月1日の返済期限を迎えても返済出来なかった。同年12月4日には大阪府が貸付金25億3900万円と遅延利息の支払いを求めて当社を提訴、翌年には年間2億4000万円の返済を命じる判決を受けていた。その後は2015年6月末には主要事業となる屠畜場を閉鎖するなど事業継続に支障が出ていた。借入金の返還の目途が立たないまま2020年6月末に事業を停止、2020年7月には株主総会の決議により解散していた。

 負債は大阪府からの借入金や金融債務を中心に約67億1000万円。