彩り鮮やか!「オープンいなり」の作り方【小林まさみ先生に教わる お料理修行 #5】

お料理修行をするのは......

macaroni 編集部 企画ディレクター / といちゃん
料理をするのは嫌いではないけれど、もっと上手に作る方法があるんじゃないかと思いながらも、いつも自己流で済ませてしまう私。そこで、将来の旦那様においしいごはんを作りたい!? との思いで、料理研究家の小林まさみ&まさる先生のもと、月に一度お料理修行に行ってまいります!

今回教えていただいたのは、運動会やお花見のお弁当の定番でもある「オープンいなり」。一見シンプルで簡単そうにも見えますが、うまく包めなかったり、あげが破けてしまったりと意外と失敗も多いメニューですよね。今回は、2種の具材を使ったレシピに挑戦します!

教えてくれるのは……

料理研究家 / 小林まさみ先生・小林まさる先生
嫁と義父という関係でありながら、最高の料理研究家コンビとして活躍するまさみ先生とまさる先生。

料理愛好家・平野レミさんのアシスタントとして多忙を極めるまさみ先生を見かねた、まさる先生の「手伝おうか?」という愛のある一言から始まったふたりの関係。嫁と義父という関係に初めこそ戸惑いはあったものの、絶妙で抜群のコンビネーションと安心感で徐々にお茶の間の人気を獲得。現在では、数々のテレビ出演や雑誌取材と多忙を極める。

まさみ先生とまさる先生のレシピは、主婦の方々はもちろん、今までまったく料理をしてこなかった男性やシニアの方でも簡単においしく作る事ができると好評。料理のみならず、関係や年齢・常識にとらわれない前向きで明るい姿勢にも、勇気づけられている方も多い。

そんなまさみ先生とまさる先生に「オープンいなり」の作り方と3つのコツを教わりました。

それでは、さっそく「いなり寿司」を作っていきます!

まさみ先生「それでは、作っていきましょう!」

といちゃん「よろしくお願いします」

材料(10個分)

油揚げの甘煮

・油揚げ......5枚
a. だし汁......2と1/2カップ
a. 砂糖......大さじ4杯
a. 醤油......大さじ3杯

酢飯

・米(洗い、ザルに30分おいて水気を切る)......1合 
・水......180cc
b. 酢......大さじ2杯
b. 砂糖......小さじ1杯
b. 塩......小さじ1/4杯

具材1

・しば漬け(粗く刻む)......30g
・炒り卵......1個分
・糸三つ葉(2cm⻑さに切る)......5本

具材2

・きゅうり(細切り)......1/2本
・かにかまぼこ(粗くほぐす)......3~4本(50g)
・炒り白ごま......少々

1. 油揚げの下ごしらえをする

まさみ先生「油揚げは、開きやすくなるよう空気を抜くイメージで1枚ずつ両面に麺棒を転がします。麺棒をあてたら、半分に切って穴が開かないよう注意しながら開いてください」

といちゃん「綿棒を転がすことでかなり開きやすくなりますね~」

まさみ先生「ごはんが詰めやすくなるよう、端のほうまでしっかり開きましょう!」

【POINT1】油揚げはしっかりゆでて味を染み込みやすくする

まさみ先生「次にたっぷりの熱湯で3分ほどゆで、しっかり油抜きをします。以前の豚汁ではさっとゆでるだけでしたが、今回はそれよりも長めです」

といちゃん「なぜ長めにゆでるんですか?」

まさみ先生「油揚げにだしを染み込ませたい場合などは、しっかり油を抜くことで味が染み込みやすくなるんです」

といちゃん「ゆで終わったお湯が白く濁ってます!油揚げにはこんなに油が含まれているんですね……」

まさみ先生「ゆでたら、ザルに広げて冷まします。粗熱が取れたら、両手ではさんで水気を絞ってください。ここで水分が残っていると、味が染み込みにくくなるのでしっかり絞ってくださいね」

2. 米を炊く

まさみ先生「油揚げを冷ましている間に、お米を炊いておきましょう。お米の水分はいつもよりも少なくし、硬めに炊いてください。あとで入れる合わせ酢を吸うことによって、適した硬さになります」

といちゃん「なるほど。通常通り炊いてしまったら、お酢を入れたときにべちゃべちゃになってしまうんですね」

まさみ先生「そうなんです。炊くときに昆布を一緒に入れても深みが出ておいしい酢飯に仕上がりますよ」

3. 油揚げを煮る

まさみ先生「鍋にaを入れて混ぜ、油揚げを1枚ずつ広げ入れます。落とし蓋をして強火にかけ、ひと煮立ちしたら中火で15分ほど煮て粗熱をとりましょう」

といちゃん「煮ている途中、裏返さなくてもいいんですか?」

まさみ先生「油揚げは温まると、破けやすくなるので触らないようにしましょう。落とし蓋をすれば、ひっくり返したり動かしたりしなくても1枚1枚にしっかり味がしみこみますよ」

4. 具材を準備する

まさみ先生「2種類の具材をそれぞれボウルに入れ、混ぜておきましょう」

といちゃん「いなり寿司って、こんなにいろいろな具材と合わせることができるんですね。色鮮やかできれいです!」

5. 酢飯を準備する

まさみ先生「炊きたてのご飯をボウルにあけ、あらかじめ混ぜておいたbを加えて混ぜましょう」

といちゃん「はい!では加えていきます」

まさる先生「ちょっと待った~!こういうときはね、しゃもじに酢をつたわせて、満遍なくごはんにかかるようにするといいよ!」

【POINT2】酢飯は切るように混ぜる

まさみ先生 「では酢飯を一気に混ぜます。ここで混ぜすぎると米がべちゃっとして粘りが出てしまうので切るように混ぜましょう。さっくり混ぜたらボウルの溝にご飯を広げ、湯気が出なくなったらまたさっくり混ぜます。これを何度か繰り返しましょう」

まさみ先生「粗熱が取れたら軽く握って形にしておくと、油揚げの中に米を詰める作業が簡単になります。酢飯を10等分し、手に水をつけてから俵型に軽く握って形を作りましょう」

6. 酢飯を油揚げに詰める

【POINT3】油揚げに含まれただしは切りすぎない

といちゃん「あれ?油揚げに水分が残っているな。ちょっと絞って……」

まさる先生「ちょっと待った~!」

といちゃん「わぁ!2回目も出ちゃいました」

まさる先生「だしが染みているから、さっきのようにしっかり水分を切る必要はないよ!」

まさみ先生「そうですね。水分を絞りすぎてしまうと食感も悪くなってしまうので、両手で軽く挟み、ある程度の煮汁が絞れたらシワを伸ばして形を整えるくらいでOKですよ!」

まさみ先生「油揚げの周囲を内側に少し折り込んだら、いよいよ酢飯を詰める工程です」

といちゃん「さっき俵形にしておいたので、すごく詰めやすいです!」

まさみ先生「軽くふんわり握っておいたことで、形が整えやすくなりましたよね。酢飯を詰め終えたら、具材1と2を5個ずつのせて具材2にごまをふったら完成です!」

完成!

といちゃん「いなり寿司って少し地味なイメージがありましたが、こうしてトッピングするとすごく華やかで食欲がそそられますね」

まさみ先生「彩りが綺麗ですよね。ではさっそく、いただきましょう!」

実食!先生たちのジャッジはいかに……

といちゃん「わー!ご飯がふっくらしていてやさしい味ですね。どことなく懐かしい感じがして落ち着きます」

まさみ先生「うん!油揚げにしっかり味が染みわたっておいしくできましたね」

まさる先生「見た目も綺麗だし、今の季節にちょうどいい!いやぁ、今回は待った2回だったね~(笑)いなり寿司は意外と奥が深いでしょ?」

といちゃん「はい! 今回も勉強になりました!」

まさみ先生から、作り方とポイントのおさらい

まさみ先生「いなり寿司は、実は油抜きがとても重要な工程。上手く作るポイントは、ズバリ必要な工程を省かないこと!また具材はお好きな物にアレンジしてOK。お子様が一緒に食べるときは、桜でんぶなどお子様が好きな具材に変えてみてくださいね。一手間加えてアレンジすれば、華やかなパーティー料理にもなりますよ」

〈作り方〉
1. 油揚げの下ごしらえをする
2. 米を炊く
3. 油揚げを煮る
4. 具材を準備する
5. 酢飯を準備する
6. 酢飯を油揚げに詰める

〈ポイント〉
・油揚げはしっかりゆでて味を染み込みやすくする
・酢飯は切るように混ぜる
・油揚げに含まれただしは絞りすぎない

色とりどりのいなり寿司をお弁当やお重に詰めよう

工程が多くて面倒なイメージを持つ方も多い「いなり寿司」ですが、工程ひとつひとつはとてもシンプルで簡単で、家でもすぐに作れそうでした。アレンジ次第で雰囲気が変わるのも楽しく、お花見や運動会、ピクニックお弁当など、これからたくさん活躍するのではないでしょうか。

次回は、これまた難易度の高そうな揚げ物「チキン南蛮」にチャレンジします。お楽しみに!

取材・文/鎌上織愛(macaroniライター)
写真/實重かおり(macaroni編集部)

※本記事の取材および撮影は2021年2月24日におこないました。撮影時のみ一時的にマスクを外していただきましたが、スタッフ一同、コロナウイルス感染予防の対策を十分に講じたうえで撮影に臨んでおります。