聖火リレーが25日スタートしましたが、本番の大会運営に直結する121日間の感染防止対策の実効性が問われています。

栃木県は28日と29日に実施されます。準備を進めてきた関係者、その時を待つランナーに話を聞きました。

聖火リレースタート前に大会組織委員会が行った記者会見。

橋本聖子組織委員会会長:「やってよかったと思えるように強いメッセージと温かい心が伝わる大会にしたい」

華々しい舞台であるはずの聖火リレーは感染防止対策のため、さまざまな制約がある中で行われます。

その主なポイントとして、観客の密集の基準は多くの観戦客が肩を触れ合うような密接した状態であること。

密集の状況に応じて広報車やスタッフが移動を呼びかけ、さらに状況が厳しい場合は警察の協力も得て注意指導。 

密集が解消しない場合は走行区間の取りやめも検討します。

運営スタッフ、通過ルート付近でクラスターが発生した場合も走行取りやめの可能性があります。

栃木県内の市や町は対策に奔走しました。

全体を取りまとめる栃木県のとちぎブランド戦略室ではルートやスタッフの配置などを何度も確認してきました。

県とちぎブランド戦略室 川又修市室長:「特に沿道。どうやってみなさんに安心してもらえるか。準備での一番の課題。ランナーや運営スタッフは安全管理・健康チェックを2週間して当日に臨む」

多くの観客が聖火を迎えるはずだった県庁でのセレブレーションは事前申込制で行われます。

県とちぎブランド戦略室 川又修市室長:「どうすればイベントが開けるか、いろいろな方がそれぞれの立場で支えればできる。機運醸成につながっていく重要な取り組み」

さまざまな意見がある中で行われる聖火リレー。ランナーもそれぞれの思いを抱えています。

「五輪の子ども」と書いて五輪子(いりこ)。壬生町の本田五輪子さん。期待と不安が入り混じった胸の内を語ってくれました。

本田五輪子さん:「やりたい。がんばりたい。夢を果たしたい気持ちは変わらない。コロナ禍での最初の五輪が東京なのでいろいろな意味を含めて深くなった」

昭和39年、県内を走った聖火リレーに感動した祖父がつけてくれた自分の名前。

時を経て自分にめぐってきた聖火をその目で確かめたくて、去年10月に東京にあるオリンピックミュージアムに行って炎を見てきました。

本田五輪子さん:「聖火ランナーは私、祖父の夢でもある。前を向いて笑顔で走りたい」