新型コロナウイルスの患者を受け入れる医療機関同士が情報を共有し連携を強化するための遠隔医療支援システムの本格導入が始まり4日、報告会が行われました。

導入されたシステムは、新型コロナの患者を最初に受け入れる県内の指定医療機関や協力医療機関と重症患者に対応する県内3つ病院をつなぐものです。

県の新型コロナ対策本部で患者の転院を担当する小倉 崇以医師が実際に導入している医療機関とのデモンストレーションを披露しました。

カルテやCT画像などは、患者の個人情報保護の観点から一般的なメールなどで送ることが禁止されていますが、このシステムは医療機器として国の認定を受けているため共有することが可能です。

そのため、入院している患者の容態が変わった際に専門の医師が別の場所からリアルタイムで状況を確認し、重症患者に対応する病院に転院させるかを判断できます。

これにより、これまで連絡を受けてから転院の判断をするまで2時間かかっていた時間が10分ほどで完了することになります。

役割の異なる医療機関をつなぐこのシステムの本格的な導入は栃木県が全国で初めてだということです。

年末からの第3波の際導入が始まっていた医療機関では、現場の負担が少なくなり、すでに成果を上げているといい、今後様々な病状の患者への対応や集中治療室・ICU内での連携などに発展させ、このモデルを全国に広げていきたいとしています。