花粉の飛散が気になる季節。医師の溝口徹先生と、掃除のプロ藤原千秋さんに、朝とくに気をつけたい花粉対策を伺いました。


朝したい花粉症対策

【花粉症対策で朝したいこと】免疫力アップの食事とたまった花粉の掃除を



花粉は家の外から持ち込まれるものですが、医師の溝口先生によると「侵入を防ぐことも大切ですが、免疫力を高めることも必要。そもそも人間は花粉やウイルスなどの侵入を防ぐために、口や鼻、目などに備わった『粘膜』で防御。しかし、栄養不足やストレスで防御機能が衰えると、侵入したものに対して、過剰な反応を起こしてしまう。その顕著な例が花粉アレルギーです」


対策としてもっとも有効なのは、粘膜の免疫力をアップさせるビタミンDの摂取。そして腸内環境を整えることだそう。
「普段の食生活を今一度見直し、この時季は家の中の掃除も念入りに行いましょう」

●掃除機がけは朝が正解。家族が起きて、花粉が舞い散る前に掃除を




夜中、みんなが寝静まったあとは空気の流れが停滞するので、花粉は床にどんどん落ちて、たまっていきます。
「朝いちばんに起きた人は、家族が起きる前に床にたまった花粉を掃除機で吸い取りましょう。床にたまった花粉が舞い上がらないように、ゆっくりと丁寧に掃除機がけするのがポイントです」(藤原さん)

<花粉の時季こまめに掃除したい場所リスト>



□リビングに置いたラグやマット
花粉が絡みやすいので念入りに掃除を

□布団・毛布・枕カバー
とくに顔にかかる部分を重点的に

□テレビ
裏側もしっかり掃除を

□パソコン・タブレット・ゲーム機
静電気が起きやすい機器類は清潔に

□玄関のたたき
侵入の危険度大。掃除機を使って花粉を吸引

□洗面所
着替えは洗面所でして床掃除もしっかりと!

□トイレの床やマット
衣服の着脱で花粉が舞うので洗濯を

□浴室
しっかりと洗い流して花粉を除去

□リビングのソファ
布ばりソファはとくに掃除をこまめに

●さまざまな乳酸菌で腸内環境を整えて、体の内側から花粉をカバー!




「人間の粘膜は、腸だけでテニスコート1.5面分もあるといわれています。つまり、腸内環境を整えることは、全身の粘膜の力をアップさせることにつながります」(溝口先生)。

乳酸菌が豊富な飲料や漬物を食事に取り入れるのも一案です。
「さまざまな乳酸菌を積極的に摂取しましょう」(溝口先生)

●マスクは顔にぴったり装着!鼻との間に隙間をつくらないよう注意




コロナ禍ですっかり定着したマスクですが、花粉対策にも欠かせないアイテム。
「花粉の侵入を防ぐため、マスクは隙間なく、ぴったりフィットさせることが重要です。また、目の粘膜を守るため、花粉対策用のゴーグルやメガネの着用をおすすめします」(溝口先生)

●洗濯は柔軟剤を使い静電気を抑えて花粉をブロックする!



「花粉は静電気を帯びたものに付着しやすい特性があります。柔軟剤には静電気を防ぐ効果が期待できるので、毎日の洗濯に適量を入れる習慣を」(藤原さん)。

柔軟剤を使うと、繊維同士の滑りがよくなり、摩擦が起きにくくなるそう。また、静電気防止のスプレーを出がけに使うのも有効です。

<イラスト/oyasmur 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【溝口徹さん】



新宿溝口クリニック院長。2003年、日本初の栄養療法専門クリニックである「新宿溝口クリニック」を開設。『花粉症は1週間で治る!
』(さくら舎刊)、『ウイルスに強くなる「粘膜免疫力」
』(青春新書刊)等、著書多数。

【藤原千秋さん】



住生活ジャーナリスト・ライター。わかりやすい掃除術の提案でテレビや雑誌などで活躍中。