イブラヒモビッチら世界的な名手たちと“バトル”を繰り広げた冨安は“守備の国”でも声価を高めている。 (C) Getty Images

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 ボローニャのシニシャ・ミハイロビッチ監督が、日本代表DFの冨安健洋に大きな信頼を寄せていることは確かだ。それは何よりも出場時間が示している。

 今シーズンの冨安はセリエAの全14試合にフル出場し、プレー時間は1260分を数えている。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によれば、カミル・グリク(ベネベント)、ニコラ・ミレンコビッチ(フィオレンティーナ)と並び、リーグ最長だという。

 今シーズンは開幕からセンターバックをこなしてきた冨安だが、主力の負傷などのチーム事情から、左右の両SBとしてもプレーしている。すなわち最終ラインの全ポジションをカバーしている格好だ。

 そんなマルチなセンスを発揮している日本代表DFについて『Gazzetta dello Sport』は、「いつもトミーがいる」との見出しを打ち、「疲れ知らずで、アンタッチャブルで、そして何でも屋だ。シニシャにとってなんと素晴らしいジョーカー」と称賛した。

 また、同紙は、冨安が空中戦回数で1位、同成功数でも3位と高いデータを残していることも紹介したうえで、「CBの役割では素晴らしいボールハンターにもなった」と賛辞を寄せている。

「ボローニャは未来の選手、つまり国内外の市場で関心を引き付ける潜在的なトッププレーヤーのプロトタイプを彼に見出した」
 
 今シーズンのセリエAにあって失点数ワースト4位タイのボローニャだけに、CBを主戦場としている冨安が批判されることも少なくない。一方で久々に右SBを務めた今月23日のアタランタ戦では、今シーズン初ゴールを記録し、脚光を浴びたのは、ある意味で皮肉的だ。

 だが、『Gazzetta dello Sport』は、年明けから冨安が再びCBを務めるとしている。

「二桁得点を挙げられるゴールゲッターが慢性的に不在で、全員がゴールを狙うためにより多くの選手が前に出る必要のあるチームにおいて、彼のフィードや剛健な肉体、攻撃に出る姿勢は、違いとなるクオリティだ」

 ボローニャ守備陣の“ジョーカー”として、確かな存在感を見せている冨安は、ミランやローマへのステップアップも噂されるなか、2021年にさらなる飛躍を遂げられるだろうか。

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構成●サッカーダイジェストWeb編集部