JALの現役CAが働く農家レストラン「DINING PORT 御料鶴」を覗いてきた
いま、日本航空(JAL)の客室乗務員がウェイトレスとして働くレストランがあるのをご存知だろうか。地元の住民のみならず、JAL好き、飛行機ファンも遠方から足を運んでいるという。どんなメニューが楽しめるのだろうか? JALの狙いは? 働くCAの思いは? 現地で関係者に話を聞いてきた。
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JALの現役CAが働く、農家レストラン「DINING PORT 御料鶴」を取材した
○御料鶴をオープンした背景
成田空港からクルマで10分。農園や畑の広がる長閑な土地に、その農家レストラン「DINING PORT 御料鶴」はある。地元農家から借り受けた民家をリノベーションした、上品で落ち着いた建物だ。かつて周辺一帯が宮内庁御料牧場だったことにちなんだネーミングだという。
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農家レストラン「DINING PORT 御料鶴」(千葉県成田市川上245-219)
運営するのは、農業を通じた地域貢献を目指して2018年に設立されたJALグループのJAL Agriport。御料鶴の周辺で、いちご、ブルーベリー、ぶどう、さつまいも、季節野菜などを育てている。これら採れたての食材を楽しむ場として、この御料鶴をオープンさせたというわけだ。そこで御料鶴を訪れる前に、まずは農園を見学させてもらった。
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甘い香りが漂う、いちご狩り施設。受粉を助ける大きな蜂が飛んでいる。整備士がデザインしたという、滑走路をイメージした赤い通路に航空会社らしさを感じた
案内されたのは、複数品種のいちごを栽培しているビニールハウス。ここだけで5,000平米あるという。厳しい審査基準のASIA GAP認証をパスしており、安心安全が徹底されている。いちご狩り施設として2020年2月に一般に向けてオープンしたが、新型コロナ感染拡大の影響をもろに受けて、収穫体験などの催しは軒並み延期になってしまった。
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かおり野、白いちご(フラミンゴ)、とちおとめ、紅ほっぺ、やよい姫、章姫などを栽培中
「日本のいちごは、海外からの渡航者にも大人気です。今年はインバウンドの需要も見込めましたし、成田空港で乗り継ぎの間、ちょっとした時間に立ち寄って収穫体験していただく企画なども考えていたのですが……」と担当者。なるほど、空港から送迎バスなどがあれば外国人にも喜ばれるだろう。そちらはコロナ収束後の実現に期待したい。ちなみに今シーズンは、JAL国際線の機内食を取り扱うジャルロイヤルケータリングとコラボしたクリスマスケーキを企画。ここで栽培したいちごが、ふんだんに使われたという。
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コンテナを再利用した屋外の倉庫にも味がある
○現役CAに聞いた
コロナ禍により、航空業界も大きな打撃を受けた。JALでは、今年度の国際線運航率が(前年同期比で)20%以下にとどまっている。こうした苦しい状況のなか、社員は「いま自分たちにできることは何か? 」を真剣に考えているようだ。関係者を取材した。
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成田空港 第2ターミナル3階の国際線出発ロビーの様子(12月22日 午後4時すぎ撮影)。渡航者の姿はなく、店舗は多くが閉店中。とても閑散としていた
話を聞いたのは、この日、御料鶴でウェイトレスとして働いていた20代の客室乗務員。これまで毎日のように国際線 / 国内線に乗っていたが、現在はテレワークでサービス、安全、語学などを勉強する毎日だという。「航空機の運航本数が、かなり減りました。自分には何ができるだろうと考える日々です。そんなときに御料鶴の募集を見かけ、自分に務まるか不安もありましたが、思い切って応募してみました」。
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現役CAによる接客のイメージ
ここでの業務は『研修』という位置付けになる。CAの応募者が殺到している状況で、そのため限られた日数しか働けないという。それでも、機内サービスとは違う環境で接客を経験できるのが喜びだと話す。「飛行機が好き、JALが好き、など様々な理由でお越しになるお客様と接していると、こちらが元気をもらえます。それに、温かい励ましの言葉をかけてくださる方も多いんです」。
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人気メニューのひとつ、御料鶴小鉢膳
先ほども、空港から45分かけて歩いてきたという学生が食事をしていったそう。ファンの熱意にも驚く。「JALを応援したい、ということでJALのロゴマーク入りの手作りマスクをくれた方もいます。お疲れでしょう、と摘んできたカモミールをくださった方も。皆さんの熱い思いに対して、どうやって感謝をお返ししていこうかと悩んでいます」。
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御料鶴は、成田空港B滑走路から飛び立つ航空機を眺めながら食事できる絶好のロケーション。すでにファンには知られた名所になっている
どんな料理が食べられるのだろう。御料鶴では、ボリュームのあるフードメニューや各種スイーツを用意。また、屋外のテラスではバーベキューも楽しめる趣向になっている。人気メニューは御料鶴小鉢膳(2,000円、以下すべて税抜)、和牛のすき焼き膳(2,000円)、本日のパスタ膳(1,300〜1,500円)など。そしてJALの国際線ラウンジだけで提供していた特製オリジナルビーフカレー(1,500円)も提供している。スイーツには、御料鶴ICHIGONOMIパフェ(1,200円)、たっぷりブルーベリーのパンナコッタ(800円)などを提供。いずれも収穫したての旬な食材を使ったものが楽しめるようだ。
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店頭では、自慢のいちごも販売
ところでJALの制服は2020年4月に7年ぶりのリニューアルを果たしたが、コロナにより、それを旅行者にお披露目する機会も奪われていた。御料鶴では、そんな制服姿を間近で見ることもできる。先のCAは「やっと見てもらう機会ができました。新しい制服も可愛いね、こんな風になったのね、と仰っていただけています」と嬉しそうに話していた。
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店内は気兼ねなくお喋りできる雰囲気。普段、航空機内では緊張感のあるCAだが、御料鶴では朗らかに談笑する場面も
「コロナが収束して再び外国の空とつながったときには、たくさんの恩返しをしたい。そのために、いまできることをやっていきます」。最近はオンライン会議システムを使い、チームの仲間とも活発にコミュニケーションを図っているそうで、このレストランで経験したこともフィードバックしていきたいと話していた。
御料鶴の建設当初は、まさか現役のCAが働く場所になるとは考えてもいなかった、と日本航空の広報は明かす。航空機の運航本数が戻れば、この『研修』も終了となる。期間限定ということで、JAL / 飛行機ファンの方は、この機会に足を運んでみると良いだろう。
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○御料鶴をオープンした背景
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運営するのは、農業を通じた地域貢献を目指して2018年に設立されたJALグループのJAL Agriport。御料鶴の周辺で、いちご、ブルーベリー、ぶどう、さつまいも、季節野菜などを育てている。これら採れたての食材を楽しむ場として、この御料鶴をオープンさせたというわけだ。そこで御料鶴を訪れる前に、まずは農園を見学させてもらった。
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案内されたのは、複数品種のいちごを栽培しているビニールハウス。ここだけで5,000平米あるという。厳しい審査基準のASIA GAP認証をパスしており、安心安全が徹底されている。いちご狩り施設として2020年2月に一般に向けてオープンしたが、新型コロナ感染拡大の影響をもろに受けて、収穫体験などの催しは軒並み延期になってしまった。
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「日本のいちごは、海外からの渡航者にも大人気です。今年はインバウンドの需要も見込めましたし、成田空港で乗り継ぎの間、ちょっとした時間に立ち寄って収穫体験していただく企画なども考えていたのですが……」と担当者。なるほど、空港から送迎バスなどがあれば外国人にも喜ばれるだろう。そちらはコロナ収束後の実現に期待したい。ちなみに今シーズンは、JAL国際線の機内食を取り扱うジャルロイヤルケータリングとコラボしたクリスマスケーキを企画。ここで栽培したいちごが、ふんだんに使われたという。
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○現役CAに聞いた
コロナ禍により、航空業界も大きな打撃を受けた。JALでは、今年度の国際線運航率が(前年同期比で)20%以下にとどまっている。こうした苦しい状況のなか、社員は「いま自分たちにできることは何か? 」を真剣に考えているようだ。関係者を取材した。
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話を聞いたのは、この日、御料鶴でウェイトレスとして働いていた20代の客室乗務員。これまで毎日のように国際線 / 国内線に乗っていたが、現在はテレワークでサービス、安全、語学などを勉強する毎日だという。「航空機の運航本数が、かなり減りました。自分には何ができるだろうと考える日々です。そんなときに御料鶴の募集を見かけ、自分に務まるか不安もありましたが、思い切って応募してみました」。
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ここでの業務は『研修』という位置付けになる。CAの応募者が殺到している状況で、そのため限られた日数しか働けないという。それでも、機内サービスとは違う環境で接客を経験できるのが喜びだと話す。「飛行機が好き、JALが好き、など様々な理由でお越しになるお客様と接していると、こちらが元気をもらえます。それに、温かい励ましの言葉をかけてくださる方も多いんです」。
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先ほども、空港から45分かけて歩いてきたという学生が食事をしていったそう。ファンの熱意にも驚く。「JALを応援したい、ということでJALのロゴマーク入りの手作りマスクをくれた方もいます。お疲れでしょう、と摘んできたカモミールをくださった方も。皆さんの熱い思いに対して、どうやって感謝をお返ししていこうかと悩んでいます」。
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どんな料理が食べられるのだろう。御料鶴では、ボリュームのあるフードメニューや各種スイーツを用意。また、屋外のテラスではバーベキューも楽しめる趣向になっている。人気メニューは御料鶴小鉢膳(2,000円、以下すべて税抜)、和牛のすき焼き膳(2,000円)、本日のパスタ膳(1,300〜1,500円)など。そしてJALの国際線ラウンジだけで提供していた特製オリジナルビーフカレー(1,500円)も提供している。スイーツには、御料鶴ICHIGONOMIパフェ(1,200円)、たっぷりブルーベリーのパンナコッタ(800円)などを提供。いずれも収穫したての旬な食材を使ったものが楽しめるようだ。
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ところでJALの制服は2020年4月に7年ぶりのリニューアルを果たしたが、コロナにより、それを旅行者にお披露目する機会も奪われていた。御料鶴では、そんな制服姿を間近で見ることもできる。先のCAは「やっと見てもらう機会ができました。新しい制服も可愛いね、こんな風になったのね、と仰っていただけています」と嬉しそうに話していた。
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「コロナが収束して再び外国の空とつながったときには、たくさんの恩返しをしたい。そのために、いまできることをやっていきます」。最近はオンライン会議システムを使い、チームの仲間とも活発にコミュニケーションを図っているそうで、このレストランで経験したこともフィードバックしていきたいと話していた。
御料鶴の建設当初は、まさか現役のCAが働く場所になるとは考えてもいなかった、と日本航空の広報は明かす。航空機の運航本数が戻れば、この『研修』も終了となる。期間限定ということで、JAL / 飛行機ファンの方は、この機会に足を運んでみると良いだろう。