無事にドームに戻ってくるのか、それとも…

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巨人・沢村拓一の立場が危うくなっている。

今季は不安定な内容が目立ち、制球難で四球を出して痛打を浴びる登板が目立つ。2020年7月1日のDeNA戦(東京ドーム)では1点リードの8回から登板したが2つの四球でピンチを作って降板。後続の投手が逆転打を浴び、沢村は一塁ベンチで原監督から「公開説教」を受けた。

「言い訳できない」成績

150キロを超える剛速球を持ちながら、ストライクを取るのに四苦八苦する右腕に指揮官も歯がゆさを感じているだろう。32歳は救援陣で最年長。本来ならリーダーとして若手たちを引っ張らなければいけない立場だが、マウンドで苦悶の表情を浮かべて試行錯誤を繰り返している。原監督の叱咤は期待の裏返しだったが、その後も投球内容は改善されていない。

「勝利の方程式」からも外れ、25日のヤクルト戦(神宮)では先発予定だったサンチェスが右肩の違和感を訴えたため、代役で緊急登板したが、先制した直後の初回に青木宣親に逆転2ランを被弾して4回途中2失点KO。13試合登板で1勝1敗1ホールド、防御率6.08では言い訳できない。26日に2軍降格が決まった。

救援陣は守護神・デラロサが7月上旬に左脇腹肉離れで離脱したが、楽天との交換トレードで獲得したセットアッパー左腕・高梨雄平が移籍後3試合連続無失点と抜群の安定感を見せている。抑えはセットアッパーだった中川皓太に白羽の矢が立ち、ベテランの大竹寛、左腕の高木京介と実績十分の両投手もいる。

居場所のない現状では...

育成枠から昨年に高卒入団で球団史上初の支配下昇格を勝ち取った堀岡隼人がイキの良い投球を見せ、日本ハムから昨オフに移籍した田中豊樹も同じく育成契約からはい上がり、背番号「19」で支配下昇格。26日のヤクルト戦(神宮)で移籍後初登板を果たし、3者凡退の好投でアピールした。

熾烈な競争の中でベテラン、若手が結果を残しているが、沢村は救援でも先発でも居場所を確保できていないのが現状だ。今後の起用法が注目されるが、いつまでもチャンスが与えられるわけではない。潜在能力の高さは他球団から評価されていることから、「トレードの目玉」になる可能性も。中大の先輩・阿部慎之助2軍監督の下で輝きを取り戻せるか注目される。