「麒麟がくる」染谷将太、桶狭間の戦いで信長にピュアさと恐ろしさ
大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合・毎週日曜20時〜ほか)で織田信長を演じる染谷将太が、3,000余りの織田軍VS.2万5,000の今川軍の「桶狭間の戦い」を描いた7日放送回の過酷な撮影を振り返ると共に、戦に出向く信長を「『今川を討ち取ってみんなを喜ばせたい!』という思いで、そのためなら死ぬことも恐れません。そのピュアさが信長の強さでもありますが、同時に恐ろしさも感じました」と評した。
第二十一回「決戦!桶狭間」では、信長が父・信秀の教えを思い出し、今川がうわさされる2万もの大軍であることを疑い、前線へ出陣。局地戦を展開して今川義元(片岡愛之助)率いる本隊から徐々に兵を引き離す作戦を決行する。
「桶狭間の戦い」とは永禄3年、今川義元が2万5,000の軍勢を率いて尾張に侵攻し、松平元康(後の徳川家康)のいる大高城に大軍を集結させたあと、鳴海城を開放する作戦。染谷は、信長にとってのこの戦いを「長く対立してきた今川義元を自分の代で討ち取る、信長にとって、また一歩、“織田信長”に近づく戦いだと思っています」と思いを巡らせる。
尾張の織田家は父・信秀の代から長らく駿河・今川方の脅威にさらされてきた。染谷は、自ら戦に出向く信長の心情を「徐々に戦いに情勢が近づく中で、ある種の自分が育った家族を失った信長は、悩みます。戦略はもちろんのこと、死や、帰蝶のこと。しかし、桶狭間という突破口を見出した時、信長は自らが出向くことで、自分という存在をかけ、自らを試すように全てを捨てて出陣します」と分析する。
いよいよ迎えた桶狭間の戦いのシーンは「非常に過酷だった」と染谷。雨上がりで土はぬかるみ、まともに立てない環境の中で「必死に戦いました。キレキレな立ち回りにはなっていないと思いますが、1人の人間が命をかけ、ただ必死に戦う人間臭さを意識して演じました」と撮影を振り返り、「一人一人の覚悟が丁寧に描かれた桶狭間の戦いになっていると思います。戦いの後、光秀と信長が何を話すのかにも注目してご覧いただきたいです」と視聴者に呼び掛けている。(編集部・石井百合子)