《香川・高松》アルバイト女性を丸刈りにした、弁当店女店長らの「もうひとつの顔」
「弁当に髪の毛が入っている」という客からの苦情が、犯行のきっかけだった。
香川県高松南警察署は5月21日、市内の弁当販売店店長・中條久美子容疑者(53)と店員・河野裕子容疑者(35)を、アルバイト女性(24)への脅迫・暴行の疑いで逮捕した。
「髪、丸刈りにしな」
「被害者の姉から“妹の様子がおかしい”と相談を受けて捜査に着手。被害者は営業時間中の店内で段ボールの中に押し込まれ、ハサミで無理やり丸刈りにされました」
と捜査関係者は明かす。
地元の同業者は、
「お客さんから“事件のあった弁当店ってどこなの?”と聞かれました。弁当店は見た目以上にせわしない職場で、時折スタッフ同士で口調がきつくなることはありますが、まさか中学生の不良グループじゃあるまいし……」
と、2人が寄ってたかってアルバイト女性を押さえつけ頭髪を丸刈りにしたことに驚きを隠さない。「お弁当屋のイメージが悪くなりそうで心配」と飛び火を懸念する。
犯行時刻は、4月20日午後6時ごろ。その数時間前、河野容疑者は、アルバイト女性のスマホに犯行予告ともとれるメッセージを送っていた。警察によればその文面は「髪きれ言われたら はいだけいうとけ」「おどれ いうこときかんのか」などと、かなり品がない。犯行現場となった店内でも両容疑者は「髪、丸刈りにしな」など語気鋭く脅迫したというが、実際に2人を知る人物から、これといった悪評は聞こえてこない。
「ものすごい愛想がよくて、見た目も年齢より若く見えるべっぴんさんやったわ。子どもが3人おるはずやけど」
とは河野容疑者宅近くに住む80代女性。昨年10月まで、近所のスーパーで働いていたが、そんなかわいらしい容姿が仇になったこともあるという。
「愛想がよくて人気があったから、近所でも有名なやかましいじいさんに気に入られて、働きよるときに粘着されるようになったな。それが原因で辞めたんだと思うわ」
と50代の近隣男性は証言する。「かわいらしい」「小柄」が、河野容疑者を知る人物の口をつく共通ワードで、
「だから信じられなくて……この逮捕を間違いじゃないかとすら思っています」(知人)
容疑者の夫は……
一方の中條容疑者については、
「ごく普通のおばさん。見た目はちょっとぽっちゃりしていて。身長も普通。暗い人っていう感じではないですよ」
と60代の主婦。もともと一帯の大地主の子孫だったが、
「ほとんど近所付き合いはしておらず、近所トラブルがあるわけでもない」(近隣住民)
そんな2人が、女性の髪の毛を切り落とすという処刑じみた犯行に、なぜ及んだのか。
河野容疑者の夫は、インターフォン越しに妻の異変を、
「わかんないです」
と淡々と答えた。
河野容疑者のことを信じているか問うと、
「はい、そうですね」
と落胆した口ぶりで伝えるのがやっとのようだった。
「女性にとって髪を切られるのはたいへんショックなこと。ほかにも同じ目に遭った女性がいないかなど余罪を慎重に調べている」(前出・捜査関係者)
髪の毛はいずれ元どおり伸びてもアルバイト店員が受けたショックは消えない。