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新しい4シリーズ

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)

BMWは、M4の3モデルと、i4電動サルーンを、今年後半から順次投入し、第2世代のスポーツクーペ4シリーズのラインナップ拡大を図る。

開発に携わるエンジニアは、AUTOCARに対し、ライバルであるアウディA5とメルセデス・ベンツCクラスに対抗するため、動的品質の向上に尽力したと述べている。

BMW M4 AUTOCARイメージ図

4シリーズはまた、昨年9月に発表された際に、大きな論争を引き起こしたコンセプト4シリーズの特徴的なグリルを含む、デザインの刷新が施されている。

コードネームG22で呼ばる、新しい4シリーズは、間もなく2ドアクーペの形で発売され、続いてカブリオレと4ドアグランクーペが発売される。 

クーペ、カブリオレ、そして初めてグランクーペの形で提供されるM4は、2020年末に発売、2021年初頭に納車予定となっている。

2基の電気モーターを搭載し、最大530ps、82.9kg-mのトルクを提供する、最も強力な4シリーズのバリエーションとなる「i4」は、2021年に発売される。

i4は、iX3 SUVに続いて、従来の内燃エンジンモデルと、そのシャシーを共有する2番目の電動モデルとなる。

大胆なフロントエンドデザイン

1975年に発売された3シリーズクーペの後継として、2013年に導入されて以来、4シリーズは、グローバルで約70万台が販売され、BMWの重要なモデルとなっている。

現在提供されている3つのボディスタイルのうち、カスタマーの約半数がグランクーペを選択し、クーペとカブリオレを選ぶ人はそれぞれ約25%となっている。

BMW 4シリーズ プロトタイプ

同社は、3シリーズとの差別化に取り組んでおり、4シリーズに大幅な変更を加え、個性を強化し、ラインナップの向上を図っている。

その変化をリードするのは、印象的な新しいエクステリアだろう。

1930年代に採用されていた、縦型のキドニーグリルにインスパイアされた、大胆なフロントエンドのデザインは、同社の最も特徴的なスタイリングにユニークさを追加する、最初のステップとして採用されている。

4シリーズ

英国で今年後半に発売される4シリーズクーペは、最大3種のガソリンエンジンと、3種のディーゼルエンジンで提供され、それぞれに4気筒または6気筒のシリンダーが搭載される。

AUTOCARは、すでに259psの430iおよび374psのM440i xドライブ・ガソリンモデルのプロトタイプバージョンを試乗しているが、ドイツの自動車登録の記録によると、エントリーレベルの420iと、ディーゼルの420d、430d、M440dも提供されるようだ。

BMW 4シリーズ・カブリオレ AUTOCARイメージ図

M440iおよびM440d Mパフォーマンスバリエーションは、どちらも48Vマイルドハイブリッドテクノロジーを備えており、オフスロットル・エンジンアイドル・コースティング、回生ブレーキ、11psと2kg-mのトルクを追加し、負荷がかかった状態での加速を高めるスプリントモードが提供される。

4シリーズには、より精度の高いステアリングと、改善されたサスペンション制御を提供するための、多くのユニークな構造補強が施されている。

エンジンベイ内に新しいフロントサスペンション・ストラットタワーブレースが採用され、リアサスペンションの剛性を高めるためのアップデートが加えられている。

3シリーズと同様、4シリーズは、革新的なダンパー制御品質をもたらす、同社のリフト・リレーテッド・ダンパーを標準装備する。

他のモデルではオプションのMスポーツパックの一部となっている、アダプティブダンパーが、M440i xドライブおよびM440d xドライブで、標準装備となる。

1985年の登場から2013年まで、3シリーズカブリオレと呼ばれていた、4シリーズカブリオレは、折りたたみ式ハードトップルーフに代わり、多層式ソフト・ファブリックが採用される。

8シリーズカブリオレと同様に、複合トノーカバーと専用の収納エリアが含まれる。

M4のパワートレイン

M4は、クーペとカブリオレのボディスタイルで、標準の後輪駆動と、トップスペックの四輪駆動のコンペティション形式で提供される。

英国で、両方のバリエーションが提供されるか、ほかのMモデルと同様、コンペティションのみの提供となるかについては、まだわかっていない。

BMW 4シリーズ・グランクーペ AUTOCARイメージ図

標準のM4には、最近発売されたX3 MおよびX4 M SUVに採用され、新しいM3サルーンでも搭載が予定されている、ツインターボチャージャー付き3.0L直列6気筒エンジン、S52が搭載される。

6速マニュアルギアボックスと従来型の後輪駆動の組み合せで、M4は標準モデルで480psと61.2kg-mのトルクを生み出す。

510psのM4コンペティションは、8速トルクコンバーター・オートマティックギアボックスと、完全可変のM xドライブ四輪駆動システムを備え、より強力なM5サルーンと同等のパワーを発揮する。

現行M4は、古いS55ターボチャージャー付き3.0L直列6気筒エンジンを搭載しており、標準仕様で431psおよび56.1kg-m、後輪駆動のM4 CSで、460psおよび61.2kg-mを提供する。

これらのモデルは、BMWの本拠地であるドイツのミュンヘンで生産されているが、第2世代のM4モデルは、近くのディンゴルフィングで標準の4シリーズクーペおよびカブリオレと共に生産される。

BMWはまた、グランクーペバージョンを提供することにより、M4ラインナップに実用的な4ドアを初めて追加する。

BMWの情報筋によると、最近発表されたM8グランクーペの兄弟モデルは、アウディRS5スポーツバックのライバルとして、2022年に発売される予定となっている。

オリジナルの4シリーズ・グランクーペの北米と中国での人気が、M4シリーズ後継モデルの導入のきっかけとなっているとのことだ。

i4のプラットフォームとパワートレイン

i4には、EV専用プラットフォームではなく、従来の内燃モデルにも採用されている、2017年に同社が導入したクラスターアーキテクチャー(CLAR)プラットフォームが採用される予定となっている。

今年初めにコンセプトカーでプレビューされたi4は、同社が順次投入を予定している、いくつかの新しい電動モデルの、最初のモデルとして2021年に発売される。

BMW コンセプトi4

同社は2023年末までに、最大25モデルのプラグインハイブリッドとEVを発売する予定としている。

ミュンヘンで生産される、4シリーズグランクーペをベースとするi4は、i4 xドライブと呼ばれる強力な四輪駆動で、各車軸のモーターから最大530psと82.9kg-mのトルクを生成する。

サルーンの電動パワートレインは、80kWhリチウムイオンバッテリーパックと組み合わされ、同社がWLTPテストサイクルで航続距離600kmを達成すると言う、最も効率的なバリエーションとなる。

現在のところ、88kWhバッテリーを搭載し、560kmを達成しているテスラ・モデル3が、公式の航続距離の最長記録を保持している。