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5月末までの緊急事態宣言の延長が発表され、新型コロナウイルスとの戦いはいよいよ長期戦になってきました。どこにも出かけなかったGW、在宅勤務疲れ、学校の休校長期化による学習面の遅れ、経済面への多大な影響……。長引く自粛のダメージに、ストレスで爆発しそうな人も増えているかもしれません。

とはいえ、いま緩んでしまっては、さらなる問題の長期化につながりかねません。さまざまな生活不安を抱えながら、慣れない「不自由」に耐え忍ぶ日々は続きます。

一方、台湾内での新規感染者ゼロが続き、“コロナ対策の優等生”とも呼ばれる台湾。コロナとの戦いが長期化する日本とは、いったい何が違っていたのでしょうか。日本が彼らから学べる点はあるか。台湾に住む夫婦にここまでの経緯などについて聞いてみました。

コロナ対策の優等生は…


台湾在住の家族に聞いてみた


改めて振り返る台湾の「爆速」対応


一方の日本は…


台湾にも苦い経験があった


台湾から見た日本


過去の歴史から考えること



マスクはアプリで予約できて、コンビニでも受け取れる。この端末に予約番号と身分証番号を入れるとレシートが出てきて、それをレジに渡すとマスクと交換。1回に予約購入できるのは14日分で大人は9枚、子どもは10枚(4月30日時点)。ちなみに端末はNEC(!)(写真提供:近藤さん)

台湾は、コロナ対策に成功したばかりではなく、今は「#TaiwanCanHelp」というキャンペーンを世界に向けて展開中。

4月下旬には、日本が台湾から200万枚のマスク支援を受け、オードリーIT大臣が東京都のコロナ対策サイトの修正に協力したことが大きな話題になりました。

ちなみに、台湾はWHO(世界保健機関)に参加が認められていません。さまざまな背景や条件の違いはありつつも、世界のコロナ対策の最前線を走る台湾に学べることは少なくないと感じます。

一方の日本。新規感染者数は一時、1日あたり数百人に上る日が続き、特に人口が多く感染者数も多い東京などで生活する人々は、大変な緊張状態の中で暮らしています。4月7日に緊急事態宣言が出され、さらに5月末までの延長が決まりましたが、いまだ戦いの終わりが見えない中、もっといい方法はなかったのだろうか、今から学べることはないか、との思いを募らせる人も少なくありません。

成功事例に柔軟に学んでいきたい

緊張感のある日々が続いているとはいえ、最悪の事態の手前で踏みとどまっているのは、マンガにも書いたように、もともとの衛生観念の高さや、医療をはじめとするさまざまな現場の奮闘によるものが小さくないのではないかと個人的には考えています。

ただ、その医療現場では、マスクや防護服が長いこと不足していることは多くの関係者が指摘するところです。もちろん各国で背景事情や条件は違うので一概には言い切れませんが、それでも先進事例を柔軟に学びつつ、さまざまな問題が改善され、平穏な日常に戻る日が一刻も早く来ること、そして台湾と日本がまたお互いに自由に行き来できる日が来ることを、祈るばかりです。

次回は、台湾の休校や外食など暮らしの詳細について紹介します。