田中敦子「攻殻機動隊」草薙素子との関係に変化 新作は寄り添う気持ちで
Netflixオリジナルアニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」で、再び主人公・草薙素子を演じた田中敦子。『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(1995)における出会いから25年、共に歩み続けてきた素子への思いと共に、新作について語った。
「攻殻機動隊」は、漫画家・士郎正宗の代表作をベースに、サイボーグ技術と人間の脳をネットに接続する電脳技術が発達した近未来を描くSF作品。草薙素子は、ネット犯罪やテロ行為を未然に防ぐ活動に従事する、少数精鋭のプロフェッショナル集団・公安9課のリーダーを務める全身義体のサイボーグで、仲間から信頼を込めて「少佐」と呼ばれている。
超ウィザード級のハッカーにして、冷静な判断力に一流の戦闘スキル、美貌を兼ね備えた完璧超人。同時に、直感的な”ゴーストのささやき”に従う人間的な一面を持つ唯一無二のヒロインとして、田中の声と共に多くのファンに愛されてきた草薙素子。ハリウッド実写版『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017)の吹き替え以来、およそ3年ぶりとなる草薙素子との再会について、田中は「喜びと緊張が交錯しました」と語る。
「攻殻機動隊 SAC_2045」の舞台は、AIの急速的な進化により、持続可能な産業としての戦争”サスティナブル・ウォー”に突入した世界。かつて、卓越した電脳・戦闘スキルで数々の任務をこなした元・公安9課のメンバーは、傭兵としてこの時代を謳歌している。もちろん、舞台を率いるのは草薙素子。新時代における彼女の変化を、田中も楽しんだようだ。「『ノイズがないって素晴らしいわ』という第一声に象徴される解放感でしょうか。ネットとはまた違う広大な世界を体感したことで生じた余裕なのかもしれません」。
また「素子を演じようと必死に気負い続けた過去作から時を経て、本作では素子に寄りかからせてもらっている気持ちがしています」という田中は、草薙素子との関係を「恋人以上恋人未満」と表現する。「ずっと寄り添ってくれると信じてはいても、フッと何処かへ消えてしまいそうな危うさをはらんだ関係とでも申しましょうか。いずれにしても、草薙素子の存在が今の私を作ってくれたと感じています」。
シリーズ初の3DCGアニメとなり「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」を手掛けた神山健治と、『APPLESEED アップルシード』の荒牧伸志によるダブル監督体制がとられた本作は、すでにシーズン2の制作も決定済み。「歓喜とプレッシャーの背中合わせですが、シーズン2を待ち望む気持ちは私達も同じです」という田中は「神山・荒牧両監督のもと、オリジナルキャストでの『攻殻機動隊』公安9課が帰って来ました。全世界同時配信となる本作は、今まで以上にスタイリッシュで、その展開もスリリングです。新メンバーも加わり、よりパワーUPした公安9課の活躍にご期待ください」と呼びかけている。(編集部・入倉功一)