ジャンケンに負け5000万円以上の借金を抱え家を抵当に入れることになった男性
ジャンケンの3回勝負に負けたことから5000万円以上の借金を負うことになった男性をめぐる裁判がカナダで行われました。2020年4月17日、ジャンケンによる多額を賭けた契約が有効なのかどうかという判断が下されています。
$500k bet on ‘rock, paper, scissors’ ruled invalid by Quebec court | National Post
https://nationalpost.com/pmn/news-pmn/canada-news-pmn/500k-bet-on-rock-paper-scissors-ruled-invalid-by-quebec-court
Canada news: Debt scrapped for man who lost $575k in 'scissors, paper, rock' game
https://www.9news.com.au/world/court-scraps-debt-of-man-who-lost-575k-in-scissors-paper-rock-game/a1dd843b-b673-42c9-9b9c-549301cf2de9
カナダに住むエドモンド・マーク・フーパー氏は2011年1月に行われたジャンケン大会の3回勝負で負け、対戦相手のマイケル・プリモー氏に対して50万ドル(約5600万円)を支払うことになりました。フーパー氏はこれにより自分の家を抵当に入れることになったそうで、この抵当契約は公正証書で結ばれました。
フーパー氏を打ち負かしたのはマイケル・プリモー氏。プリモー氏は自分の権利を主張し2017年に裁判を起こしましたが、契約が無効だと判断されました。そこで新たにケベック州上訴裁判所に上訴が行われたとのこと。
ケベック州法では、賭け事は運ではなく「技術や肉体的な労力のみを必要とする活動」に関連しなければならないと定められています。2017年の裁判では、ジャンケンが単なる運によるゲームではなく、「特定の精密な状況の中で、技術を要し、特にスピードにおいて観察や戦略を必要とする可能性がある」と判断されました。一方で、賭け金が過剰であるとして、裁判官は契約が無効だと判断しました。
ケベック州上訴裁判所でも同様に契約無効との判断が下されましたが、その内容は2017年の裁判とは異なります。この裁判ではジャンケンにはある程度の技術が必要であることが認められつつも、「ゲームの大部分は運によるものであり、『技術や肉体的な労力のみを必要とする活動』とみることはできない」と判断されたとのこと。加えて、ケベック州上訴裁判所は賭け金が過剰であるとする下級裁判所の結論を支持しています。