カリフォルニア州フォンタナで、ある少年たちがいたずらでインターネット上に作り上げた架空の少女の存在が、その少女と性的関係を持とうとした48歳の男を逮捕する手助けとなったというニュースがあった。

 少年たちは15歳の「架空の少女」のプロフィールを作り、SNS「My Space」に登録。すると、とある男性がこの少女にメッセージを送り、性的なニュアンスの会話を始めた。さらには自分の写真を送りつけ、公園で会う約束まで取り付けた。このロリコン男が「少女」に会うために、実際に公園にやってきたため、待機していた少年たちは警察に通報。そこで男は御用となったんだとか。嘘のプロフィールが、結果としてゴキブリホイホイならぬ「ロリコンホイホイ」として活用されたのだ。

 このMy Spaceに絡む性犯罪で男が逮捕されたのは、アメリカでは初めてのことだった。そもそもMy SpaceというSNSはどういうものなんだろう?

 「My Spaceは5400万人が登録しているSNSです。日本のmixiが300万人ですから規模の大きさはかなりのもの。そしてこのMy Spaceは、アメリカのティーンの9割が使っていると言われています」(事情通)

 なるほど。では、今までこのMy Spaceでは性犯罪に関連するような事件はなかったのですか?

 「今回は目立ちやすい報道でしたが、今までも犯罪やそれに類する負の側面への指摘はありました。規模の大小は、必ずしも犯罪と比例するわけではなく、大きかろうと小さかろうと変な人はいると思います。しかし、大規模であるが故に、変な人がいると話題に上りやすいことは確かでしょうね」(同)

 日本最大手とも言われるSNSのmixiでも、このような犯罪は起こりうる問題ですか?

 「う〜ん。何とも言えない部分もありますが、My Spaceほど目立ってはいないと思います。mixiには運営者の方針により『18歳未満は利用できない』という規約があります。これは「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」にひっかからないように定められましたが、この年齢制限が抑止力になっているのかもしれません」(同)

 My Spaceはティーンエイジャーの9割が使っていると言われているくらいですから、若い人の人口も多いということになりますね。

 「若い人がたくさんいる所には、SNSに限らず、食い物にしようとする大人がいるということです。もっともどんなSNSでも、プロフィールを信じ込むことは避けなければなりません。中には、明らかにウソという場合もありますから(笑)」(同)
 
 日本でも増え続けているSNS人口。SNSにはメリットはたくさんあるが、あくまでも安心感を過信しないことが上手に利用するポイントだと言えそうだ。(押木真弓/verb)