お湯の代わりに溶かしバターでカレーヌードルを作ると!?

写真拡大 (全8枚)


独創的な料理を続々と開発している野島慎一郎氏

『週刊プレイボーイ』で「激ウマ!! バカレシピ研究所」を連載中のB級フード研究家・野島慎一郎(のじま・しんいちろう)さん。

今回の"バカレシピ"は、お湯を一切使わずカレーヌードルをベースにしたカップ麺「バターチキンカレーヌードル」!

* * *

【今回の食材】
カップヌードル カレー 1個 ・バター 2箱 ・ファミチキ 1個

野島 バターチキンカレーってやっぱり最高にウマいよなあ。

助手 あのこってり感と甘味の融合は大正義ッスね!

野島 なので今回はカレーヌードルをベースにしてバターチキンカレーヌードルを作ります。

助手 ウヒョッ! こりゃ大勝利の予感しかしないッス!

野島 しかし今回はどうしても試してみたい。お湯を一切使わず、溶かしたバターだけを使ってカップ麺を作りたいのです。

助手 バターのちょい足しにとどめとけって! それ大惨敗の予感しかしないじゃん!!

野島 麺は普通には戻らないかもしれないけど、新しい料理に突然変異するかもしれません。

助手 そこまで言うならやってみればいいじゃん。どうせ止めても強引に始めるんだろうし!


(1)解体! カレーヌードルの容器から麺だけを取り出し、スープとかやくをカップに戻す。麺は軽く潰すと取り出しやすい。準備ができたら溶かしバターでスープとかやくを戻そう

野島 まずはカレーヌードルを解体してスープとかやくをカップに残し、溶かしバターを入れてスープを先に溶かします。念入りに混ぜないと溶けなさそうですからね。

助手 意外と考えられてる。スープはいい感じに溶けたッスね。


(2)戻す! スープが溶けたら麺を戻してバターに浸すが、これだけでは麺が戻らず......。鍋に移し替えて弱火でじっくり加熱しながら丁寧に混ぜることで麺をほぐすことに成功した

野島 ここに再び麺を戻し、溶かしバターを追加で投入。あとは様子を見ながら待機します。

助手 ああっ、やっぱりダメッス! 3分たっても麺は全然変化ゼロ、バターもどんどん冷めて固まってきてるッス。

野島 このまま待っていてもダメそうですね。仕方がない。鍋に移して100℃をキープさせながら観察を続けましょう。

助手 おおっ、ずっと箸でかき混ぜてたら全体がほぐれてきた。でもなんだこの物体は......。カレー色に染まって縮れたさきいかみたい。これ、ラーメンじゃないだろ! 野島、失敗じゃん!!


(3)仕上げ! 麺がほぐれたらスープと一緒に再び容器に戻し、豪快にファミチキを盛りつけたら完成だ。バターが余っていたらさらに追いバターをすると見た目がいっそうバカっぽくなる


(4)完成!「バターチキンカレーヌードル」

野島 愚か者めが!! カレーヌードルがラーメンからかけ離れたからって失敗とは限らないだろう。仕上げにファミチキもブチ込んだから食べてみて!

助手 こ、これは! 表面はボソボソしてるのに中は弾力があって、噛むほどバターの塩気とカレーの味が口の中に広がるぞ。


(5)珍味! ラーメンとはあまりにもかけ離れてしまったが、独特の食感と濃厚すぎる味がたまらない珍味に突然変異! 酒を片手にチビチビとしゃぶりながらうま味をすべて吸い尽くせ!

野島 ウハッ、こりゃあイイ! 珍味だ! お酒の友達!! これを噛んでれば日本酒でも焼酎でも延々と飲み続けられそうだ!

助手 ファミチキに絡めながら食べるのもイケる! おなかがラーメンモードで迎えるとガッカリかもだけど、確かにおもしろい食べ物になってるッスね。

野島 こんな食べ物が誕生しちゃったらもう今日の研究は終わり。助手くん、酒持ってこい!

助手 また仕事中の飲酒を正当化しようとしてる! 定時までちゃんと我慢しろ! 

●野島慎一郎(のじま・しんいちろう) 
ライター、マンガ家、B級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。著書『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』(宝島社) 。YouTube『のじまちゃんねる』

撮影/下城英悟