AFX通信によると、中国・上海為替市場の銀行間取引の15日終値（午後5時半）は、中国人民元が対ドルで1ドル＝8.0386元と、前日終値比0.11％上昇した。また、為替取引センターの終値（午後3時半）も前日比0.12％上昇の8.0377元で引けた。7月の人民元改革以降、人民元が0.1％以上変動したのは初めて。中国人銀銀行は15日の人民元の基準値を8.0388元に設定していた。16日の基準値は8.0350元。

　　新華社通信によると、アナリストらは人民元の動きについて需要を反映したものと説明したうで、人民元は対ドルで最高値を付ける可能性があると予想した。しかし、英銀行大手スタンダード・チャータードのエコノミスト、スティーブン・グリーン氏は、中央銀行が相場を誘導した可能性もあると指摘。金融当局は向こう半年にかけて、人民元が対ドルで上下0.3％の枠内で柔軟に変動させる狙いがあるものとみられると述べていた。また、ING銀行が15日に発表した顧客向けレポートのなかで、胡錦濤・中国国家主席が前日に人民元をさらに柔軟にさせる意向を示した発言を踏まえ、同主席の来月の訪米をにらみ、変動幅を拡大させる可能性があると報告していた。　【了】